いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

原発事故テレビ会議の映像。reflection of TV conference in a.p.p accident

2012-08-07 20:18:50 | 日記
 (1)「うそ」と「改ざん」の歴史の電力、原発事業者を信用している人などそうはお目にかかれないから、福島第1原発事故直後の東京電力本店と福島第1原発事業所とのやり取りを記録したテレビ会議の映像(reflection of TV conference)公開は、事故発生、原因、現場対応の推移についての真実、検証には欠かすことのできない証拠物証となる。

 東電本店幹部が水素爆発を予期していなかったこと、甘い危機意識や、それにともない現場事業所では危険避難の可能性を示唆する映像、その要請を本店の当時社長が慰留する様子(報道)など事故発生当時の緊迫したやり取りのテレビ会議の映像が残されていた。
 当時首相の東電が福島第1原発事故現場からの撤退を考えていたことへの証しとして、東電テレビ会議の映像公開を求めていたもので事故発生から1年4か月も経過してからの情報公開であった。

 150時間の収録映像を1時間30分に編集しての一般公開(メディア限定に「条件付き」で150時間分の映像は公開)で途中、反転黒塗りの画面加工があったり、ぼかし、音声を消したところも多く(報道)、しかも映像視聴にあたってメディアの取材制限(録画録音禁止など)を課すなど原発事故解明に協力するどころか自社益、都合擁護のポーズに終始した内容のものとなっている。

 (2)高度で特殊な原発技術、情報の保護、プライバシー保護を理由にその実、独占事業(monopoly)の既得権益を守るだけの事業実体を隠すために情報公開に消極的な電力、原発事業者の身勝手な論理丸出しのポーズだけの1時間30分編集の映像一般公開姿勢だ。

 もっと早い段階でテレビ会議全編の映像公開で事故発生、原因、問題点についての分析、検証、整理に積極的協力すべきことであって、政府も政治権限にもとづいて東電を指揮、指導すべきことであった。

 政府機関、事業者、専門家の原子力村トライアングル(triangle)が原子力行政をいまだに牛耳っている不幸の結果だ。この構図は9月新設予定の原子力規制委員会の人事でもあきらかとなって、公正、公平問題化している。

 (3)30年、40年にわたって福島原発周辺住民の生活、健康、財産、権利に影響を与えて、半永久的に帰宅困難な地域も考えられる甚大な原発事故を引き起こした福島原発の事業者、東電のその後の責任の有り様については、事故対応当事者思想がまったく希薄で、さらに政府の言葉だけの甘い牽制(けんせい)と遅い対応には失望するばかりだ。

(4)東電は政府の予算(税)拠出(1兆円規模)により実質国有化したとはいえ、実体は実務経験の保障として社長は従来の東電幹部をたっての要請で起用しており、事業当事者として反省、再生の構図はまったく伝わってこない。

 テレビ会議の映像公開も事故発生、原因の究明というよりは、当時首相と東電幹部との原発事故現場全面撤退に対する認識の違い問題が注目されてのもので、原発事故解明の取り組みにはそもそも本気度が不足している。
 そうした途中での大飯原発再稼働であった。

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