いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

メンツ外交。 diplomacy for save a face

2012-08-27 19:43:14 | 日記
 (1)いつもは日本が中国外交で見せる光景だった。日本の外務省を訪れた韓国大使館員が構内への立ち入りを拒否されて門前で立ち往生する姿だ。
 韓国大統領の竹島上陸に抗議して日本の首相が韓国に送った親書を受け取り拒否して返書するために訪れたものだった。

 日本と韓国は米国を挟んでアジア軍事同盟関係にあるとともに自由主義陣営の協力国でありながら、過去の旧日本軍によるアジア植民地支配の歴史問題処理をずっと抱えてきて、今年は日本、韓国ともに首相(党代表)、大統領の改選年にあたり、国内国威発揚に向けて日韓ともに領有権を主張して韓国が実効支配する竹島に韓国大統領が大統領として初めて上陸して、その映像公開により韓国の主張を国内外に発信してみせた外交パフォーマンスだった。

 (2)領土問題は主権国家の統治能力(governance)評価に直接かかわる基本問題なだけに日本が領有権を主張しながら韓国に実効支配されている竹島問題には、同盟国関係にあることもあって外交、主張、対応政策に不十分なものがあった。

 韓国の国内政治事情から今年になって韓国大統領の竹島上陸という強硬姿勢となって問題化して、竹島の韓国の実効支配下が国民に周知することとなった。その結果の冒頭の従来とは立場を変えた外交「光景」となった。

 (3)韓国大統領の政治参謀の実兄汚職逮捕、大統領最終年ということもあって、長年韓国が懸案としてきた過去の歴史問題の決着に向けて打って出た外交戦略だ。
 日本としては自民党政権時代から同盟国関係を配慮しての韓国との領土問題については、はっきりした政治姿勢を示してこなかった責任(国会で自民党容認)もあり、しかし国の主権、統治能力の評価にかかわる基本問題だけに、そのまま黙っている訳にもいかずについに親書の送付、返還、門前払いという「メンツ外交(diplomacy for save a face)」の応酬となって表面化した。

 (4)日本外交の米軍基地にかかわる摩擦の米国、過去の歴史問題処理で対立する韓国とアジア軍事同盟関係にある両国との不均衡性は、もうひとつの領有権問題を抱える中国にとっては好材料で欧米からも一様に日本の政権的ダメージ(damage)と捉えられている。

 米韓ともに大統領改選年でもあり、外交上強気の姿勢、主張が強調されるので、引くに引けない問題解決にはふさわしい年とはいえない。
 ともに自国の事情、戦略を背景とした相容れ難い主張、理念なだけに、来年以降「共同開発(joint development)」理論による平和安定的共存共栄の同盟関係の構築に向けての外交努力が求められる。

 (5)国内基地(安保条約に基づく治外法権)、領土問題に一方的に正当性を立証する説得力もなく、共同開発理論しか平和的な解決手段(solution)を持たないのが現実だ。
 ともに経済、外交、貿易で摩擦関係にある同盟国として、「こういう年」に本音で主張を理論を闘(たたか)わすこともプロセスだ。

 摩擦問題を乗り越えることは困難でも、「共同開発」することは可能だ。

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