(1)第2次世界大戦後に占領政策で当時ソ連(現ロシア)が自国領土として支配する北方千島4島に前ロシア大統領が訪問視察して、返還交渉を要求する日本に既成事実化の圧力をかけた。
日本政府は元々は日本領土に対する占領支配による既成事実化を強調するロシア政府の行動を批判しているが、占領政策の歴史的評価は別にして、今は自国領土として多くのロシア人が居住して支配する北方千島4島をロシア政府関係者が訪問することなど、どうしようもないことだ。
それは逆の立場で日本と中国がともに自国領土として主張し合い、日本が実効支配(practical result government)する尖閣諸島問題の裏返しだ。
(2)尖閣諸島は地権者が日本人で、排他的経済水域(EEZ)を日本の海保巡視船が巡回警備して、他国関係者の侵入を阻止して日本が実効支配している。
この領域への中国漁船の侵入で同漁船とともに漁船長を拿(だ)捕、逮捕する法律権限も行使している。
北方千島4島でのロシア政府の関与を強く印象づける大統領の訪問自体は、返還の外交努力を続けることとは別問題として、占領支配するロシアにとってはある意味当然の整合行動だ。
ロシアからすれば、返還交渉は交渉として今は自国支配領土として占領支配する北方千島4島を自国の都合でどうしようと批判、干渉される筋の話ではないと言いたいのだろう。
もちろん、占領政策も実効支配も国際法上は実力行使による搾取(さくしゅ)以外の何ものでもない正当性を欠くものだ。
(3)日本が自国領土だと主張する島根県の竹島に、これまた自国領土だとして実効支配する韓国大統領が訪問視察で上陸(disembarkation)した。今年5月頃から同大統領の竹島への訪問視察が伝えられて日本政府は中止を要請してきたが、何しろ実効支配しているのが韓国とあっては聞き入れられずに同大統領の初上陸となった。
映像からは小さな島にヘリコプター着陸台も完備されていて、韓国警備関係者ほか民間常駐者もいて韓国による実効支配が歴然としたものだった。竹島の実態が初めて明らかとなった。
(4)竹島領土問題は日韓外交の課題とはなっていたが、事は日本政府がまるで島根県の一部として機能しているかのような印象を持たせてきたが、実は韓国が実効支配していることが映像によって明白になった。
この韓国大統領の竹島訪問を受けて、日本政府は韓国駐在大使を召還してこれに対抗して強く抗議したが、今更の外交手段とあってはこの事態のこれまでの外交放置にこそ問題があった。
(5)これは日本にとっては尖閣諸島と裏返しの領土問題だ。今となっては打つ手は限られてくる。ともに領土を主張して譲らない以上、時間をかけたこの領域の共同開発しか平和的な解決の道は見えてこない。
さらに輪をかけたのが、この問題に対する「韓国が内政上の判断で決めたことだ。他国の内政にとやかくコメントするのは控えるべきだ」という防衛相の発言だ。
実効支配は実力行使の搾取であって、韓国が実効支配する竹島とはいえ日本も領土を主張している以上、外交努力は求められるが「他国の内政」問題として捉える政治感覚は異常で驚きだ。
(6)今度の学者出身の防衛相の政治感覚では日本を守ることができるのか、オスプレイ配備やむを得ない発言(試乗)の米国追随姿勢と合わせて、主権国家日本としての決意、主義主張が見えてこない。
日本政府は元々は日本領土に対する占領支配による既成事実化を強調するロシア政府の行動を批判しているが、占領政策の歴史的評価は別にして、今は自国領土として多くのロシア人が居住して支配する北方千島4島をロシア政府関係者が訪問することなど、どうしようもないことだ。
それは逆の立場で日本と中国がともに自国領土として主張し合い、日本が実効支配(practical result government)する尖閣諸島問題の裏返しだ。
(2)尖閣諸島は地権者が日本人で、排他的経済水域(EEZ)を日本の海保巡視船が巡回警備して、他国関係者の侵入を阻止して日本が実効支配している。
この領域への中国漁船の侵入で同漁船とともに漁船長を拿(だ)捕、逮捕する法律権限も行使している。
北方千島4島でのロシア政府の関与を強く印象づける大統領の訪問自体は、返還の外交努力を続けることとは別問題として、占領支配するロシアにとってはある意味当然の整合行動だ。
ロシアからすれば、返還交渉は交渉として今は自国支配領土として占領支配する北方千島4島を自国の都合でどうしようと批判、干渉される筋の話ではないと言いたいのだろう。
もちろん、占領政策も実効支配も国際法上は実力行使による搾取(さくしゅ)以外の何ものでもない正当性を欠くものだ。
(3)日本が自国領土だと主張する島根県の竹島に、これまた自国領土だとして実効支配する韓国大統領が訪問視察で上陸(disembarkation)した。今年5月頃から同大統領の竹島への訪問視察が伝えられて日本政府は中止を要請してきたが、何しろ実効支配しているのが韓国とあっては聞き入れられずに同大統領の初上陸となった。
映像からは小さな島にヘリコプター着陸台も完備されていて、韓国警備関係者ほか民間常駐者もいて韓国による実効支配が歴然としたものだった。竹島の実態が初めて明らかとなった。
(4)竹島領土問題は日韓外交の課題とはなっていたが、事は日本政府がまるで島根県の一部として機能しているかのような印象を持たせてきたが、実は韓国が実効支配していることが映像によって明白になった。
この韓国大統領の竹島訪問を受けて、日本政府は韓国駐在大使を召還してこれに対抗して強く抗議したが、今更の外交手段とあってはこの事態のこれまでの外交放置にこそ問題があった。
(5)これは日本にとっては尖閣諸島と裏返しの領土問題だ。今となっては打つ手は限られてくる。ともに領土を主張して譲らない以上、時間をかけたこの領域の共同開発しか平和的な解決の道は見えてこない。
さらに輪をかけたのが、この問題に対する「韓国が内政上の判断で決めたことだ。他国の内政にとやかくコメントするのは控えるべきだ」という防衛相の発言だ。
実効支配は実力行使の搾取であって、韓国が実効支配する竹島とはいえ日本も領土を主張している以上、外交努力は求められるが「他国の内政」問題として捉える政治感覚は異常で驚きだ。
(6)今度の学者出身の防衛相の政治感覚では日本を守ることができるのか、オスプレイ配備やむを得ない発言(試乗)の米国追随姿勢と合わせて、主権国家日本としての決意、主義主張が見えてこない。