いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

しらけた党首会談。 fun was spoiled by the party leader's talk

2012-08-09 19:57:01 | 日記
 (1)井上陽水がさるコンサートで初期の代表作品「傘がない」を少し古い歌ですと紹介して、例の口調で、古いといっても、300年も前ということでもない、まぁ大ざっぱに言えば最近の曲ですとつないで、堂々と歌い上げた。アイロニー(irony)に富んだ陽水の言葉が印象的だった。

 昨日、民主、自民、公明3党首が会談して、3党合意した税と社会保障の一体改革関連法案(消費税引き上げ法案)の参院可決成立の協力確認と引き換えに、首相が解散総選挙で「近い『うち』に信を問う」ことで関係修復、折り合いをつけた。

 (2)消費税引き上げ法案可決成立のあとには、「近い『将来』に国民の信を問う」と来年衆院任期いっぱいまでの選挙スパンの可能性の中で早期解散総選挙を求める野党に的を絞らせてこなかった首相だが、一転自民党の内閣不信任決議案提出の構えで消費税引き上げ法案の成立が不透明になっての党首会談(the party leader's talk)での、「近い将来」から「近いうち」に文言変更しての関係修復、折り合いだった。

 (3)気持ちでは、来年衆院任期いっぱいまでの選挙スパン(近い将来)から、せいぜい今年中の選挙スパン(近いうち)に切り替わった印象はある言葉だ。
 そこで冒頭の陽水の、300年も前ということでもない、大ざっぱに言えば最近の曲との言葉を思い出した。
 せいぜいその程度の言葉遊びのもの以外のなにものでもないと認識される党首会談のとってつけた言葉遊びは、国民の信頼、信用をすでに失った既成政党政治の結末だ。

 首相も自民党総裁もそれぞれ9月の代表選を控えて、政局主導を確保したい思惑がある。早速、自民党からは「党首が確認した極めて重みのある言葉で、必ず履行してもらえると信じている」(報道)と今国会中の解散総選挙と解釈し、政府は「解散総選挙は首相の専権事項で周りがとやかく言うことではない」と突き放している。

 (4)聖域には踏み込めずに勝手に都合のいい解釈に終始しているが、民主党は直近の世論調査では政党支持率がひと桁台(9%)に突入し、自民党もせいぜい同10%後半(19%)、公明党は同ひと桁前半(4%)といずれも低迷したままの国民の既成政党離れ顕著の政治不信の中での、国民の意思無視のひとりよがりの野望、独断政治だ。

 世論の動向は絶えず変化するもので、いちいち反応する必要もないと公言した政治家(第一生活代表)もいたが、こんな政党の党首が集まっても説明責任なしに言行不一致当たり前で長期に低迷し続ける政党支持率を顧(かえり)みない、国民から見れば次元の違うしらけた3党首会談(fun was spoiled by the party leader's talk)だ。

 (5)しかも「近いうち」と約束した首相は、09年民主党による本格的政権交代の公約マニフェストを自らの手で見直し、中止、廃止を重ねて、政権4年間は上げないと言ってきた消費税の引き上げに政治生命を懸けるという言行不一致当たり前内閣だ。

 こんな首相の「近いうち」という曖昧(あいまい)な発言を「信じている」(自民党)と言っても、その保障、信用(trust)はまったくありえない過去の行動理念だ。

 (6)事態は「近いうち」どころか、すでに解散総選挙で出直さなければとても再生(resuscitation)できない政治状況だ。

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