いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

データで考える普天間。  data analysis of futenma affairs

2010-05-05 19:20:10 | 日記
 県外移設派と辺野古移設容認派の争いになった名護市長選。県外移設を主張する現市長
が、わずか得票率4%上回った「僅差」の勝利だった。ほぼ二分するまでに迫った辺野古移設
容認派の意思は、沖縄県民の過重な負担を解消すべきだという世論の陰で、その後メディア
からもほとんど伝えられることはない。

 初めに断っておくが、沖縄に80%近くも駐留米軍基地が存在する事態は、歴史的な背景が
あっても異常で、沖縄県民の安全、環境、生命への過重な負担は解消されるべきだ。米ロ軍
縮、米中協調時代の国際政治情勢の中で、駐留米軍基地は「暫時」国外に移設して、あたら
しい日米安保体制の枠組みが構築されることが求められる。

 普天間基地移設先問題は、首相の「おわび」の沖縄入りで究極の感情的な対立構図(stage)
となった。5月末決着をくり返すタイムリミットを考えての首相の強い意向での沖縄訪問の中、
公式にはじめて首相の口から、県内移設と徳之島への機能移転が伝えられたからだ。

 県内移設が避けられない状況(首相の決着引き延ばし)になっても、しかし県外移設を再三
くり返す首相の口から、正式に上記発言が出ては、その政治的思慮もない無責任な発言に沖
縄県民の感情が押さえられないのも当然だ。

 (1)昨年夏の衆院選挙で当時の民主党代表として、普天間基地移設先を「国外、最低でも県
外」と訴えて沖縄選挙区でも勝利して、政権交代を実現した。
 (2)首相就任後も、再三再四「県外移設」を約束する発言をくり返し、一度昨年末での決着を
回避して、問題を先送りしてきた。この頃までは、首相は「日米対等の協力関係」をしばしば強
調する。
 (3)その間、3月末にまとめる政府案もまとめきれずに、報道で流される辺野古沖移設と徳之島
機能移転の情報をひたすら正しいものではないとして、あくまで県外移設をくり返す。

 (4)そして、5月4日沖縄訪問で、おわびの言葉を添えて県内移設を正式に沖縄側に伝え、理解
を求める。
 (5)あきらかに前日までとは異なる首相の発言が、「おわび」と「理解」を求める戦略なき無責任
な言葉だけで、沖縄に理解を求める結果となった。首相の進退をかけた県内移設のはずが、その
決意表明もない。
 (6)沖縄県内に移設と発言されたその移設先と考えられる名護市長は、市長選で県外移設を主
張して当選した経緯から、4日の会談では県内移設をきっぱり拒否する方針を首相に伝えた。

 (7)今回の首相の沖縄訪問では、住民との対話集会も設定されていた。県外移設を望む沖縄
県民の意見聴取が目的だったためか、またメディアの取材方針なのか、県外移設一辺倒の圧
倒的な住民の厳しい意見が相次いだ。感情的になっていたので、対話にはふさわしくない発言
もある。
 (8)名護市長選挙。前政権で普天間基地移設先の候補地であった名護市辺野古への移設が
争点の選挙で、県外移設を訴えて当選した現市長の得票率は52%、辺野古への移設を容認
する対立候補者は48%の得票率で、「僅差」での勝利だった。
 (9)普通、過半数の支持を受けた市長は、反対票の意思(「48%」の反対票)は、政策実行に
なんらか配慮するというのが政治的対応だ。

 (10)しかし、名護市長は、過半数(52%)で県外移設が支持されたと市民のすべてが県外移
設容認であるかのような圧倒的な意思表示だし、首相にもそういう主張をして、持論である県外
移設に沿わない県内移設を拒否した。冷静に、選挙結果を反映した市民の意思を代弁したの
だろうか。
 (11)名護市長の県外移設の主張は市民の過半数の支持は受けたけれど、それにも匹敵する
48%もの辺野古移設容認派の意思を、どう斟酌(しんしゃく)し政策に反映したのか、伝わって
こない。
 (12)メディアもデリケート(delicate)な問題だけに、尚更、それこそメディアの使命として国外、
県外移設以外の市民の主張、意見も報道する「客観性」が求められていた。

 (13)問題の複雑化は、ひとへに首相の無責任な判断、発言であるが、デリケートな問題こそ
時流にただ流されることなく、市民の声を客観的に公平に、公正に聞く必要もある。
 究極の感情的対立の中での、まるで糾弾するだけの首相との対話集会になったのは、沖縄
の積年の過重負担の想いは伝わってきたが、日本、米国(米軍)、国民の三位一体の問題の
解決にはあまりにも焦点が噛み合わないむなしさも憶えた。

 往くべき道は、冒頭で述べた「初めに断って~」に描いたステージ。

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五月の不思議な世界。  may mysterious universe

2010-05-04 19:46:01 | 日記
 (1)人間の生体というのは宇宙(cosmos)に等しく神秘的なものだと、あらためて実感し
た。なにしろ生体の筋肉収縮の仕組みすら完全に解明されていないとの科学情報。
 生体内では規則性のない「ゆらぎ」が重要な役割を果たしているという。(報道) 筋肉
のタンパク質分子は、普段はまわりの水分子がぶつかって「ふらふら」しているものらしい。
収縮するときには水分子を選び、その動きを利用する。(報道)

 人間の生体を構成する70%は水分子だ。これも実に神秘的ではある。「ゆらぎ」の専門
的なことはよくわからないけれど、柔らかいリラクセーション(relaxation)能力が、強固な脳
と生体作用のモチーブパワー(motive power)になると、勝手に解釈した。

 神経細胞は、さほどエネルギーを使わずとも複雑な情報を処理することができるという。
「ゆらぎ」の働き。頭脳も生体も、心安らかにフレキ(flexibility)を心がけていくことにする。

 (2)日銀支店の景気観測で「ゆるやかに景気の回復志向」ということだけれど、その経済
界は、先行き不透明感もあって、政府の成長戦略政策頼み、法人税減税頼みのネガティ
ブが主流だ。先端技術開発による商品化の設備投資志向は、輸出好調なデジタル家電、
電機中心の25%程度で、企業側からのリードするポジティブな経済成長戦略が伝わって
こないから、市場には景気回復観は、ない。

 ギリシャ、アイスランドにはじまったEU経済圏の国家財政の破たん連鎖にも注目が集まる
世界経済。アジア経済の活力が、世界経済の「ゆらぎ」だ。
 ベトナムに日本の新幹線技術が走る。

 (3)朝鮮半島沖、日本海域に緊張が走る。朝鮮半島沖での韓国海軍の哨戒艦の沈没。
原因不明のまま、韓国政府は大統領がはじめて全国軍関係者を集めて会議を開いた。
北朝鮮が関与しているという見方を強めている。機密情報を完全に掌握している韓国軍が、
なぜか原因不明としてあきらかにせず、北朝鮮の関与を思わせる。

 不測の事態は、こういうストーリーから進展することもある。事実解明とともに、影響力を
持つ中国、米国の冷静な外交努力が求められる。

 日本海沖の沖縄海域の狭い公海上を中国海軍の潜水艦が海上航行し、へり部隊も日本
領海に接近した。米軍普天間基地移設先問題での日米の不協和音の足元を見ての行動な
のか。憶測も飛ぶ。
 国際政治、パワー・インバランスというものは、日常的にこうした近隣国の探り合いの緊張
関係の中で、進展する。

 核兵器廃絶を宣言しても、通常兵器は高度に機能化してこれを補完して、平和(戦争のな
い自由な状態)は見えてこない。
 だからといって、普天間基地移設先問題は、沖縄に過重の負担を強いてきた歴史から相応
に解放されるべきことには変わりはない。

 朝鮮半島沖、日本海沖海域に国際緊張は走っているが、国際平和の「ゆらぎ」の働きは、
普天間基地移設先問題での日本政府の責任力のある政治対応と、日米双方の対等な協調
関係体制だ。

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改憲論か解釈論か。constitutional revision or interpretation

2010-05-03 20:08:47 | 日記
 (1)国の基本法なのだから、1年に1日ぐらいは憲法を見つめて、考えていいだろう憲法
記念日(constitutional memorial day)。日本国憲法は、第二次世界大戦終結による米国
主体の連合国占領下で、連合国が草案を作成して制定された占領統治政策法。

 「戦力を保持しない」という占領統治理論が平和憲法として、長く護持されてきて、憲法
改正は「論議する」こと自体タブー(taboo)とされてきた時期が続いた。経済成長期を経て
米国に次ぐ世界経済先進国となって、経済力が強まり安定政権下の自民党政権時代に
改憲論議が深まり、自主憲法の制定の機運の中で、ようやく改憲手続きに必要な国民投
票法が今年5月に施行される。
 戦後65年を経て、ようやく改憲、自主憲法制定が現実のものとできるまできた。

 まず日本がかってアジア戦略の暴挙から、自国民、アジア他の民族に計り知れない人的、
財的被害を与え、苦しめたことの大きさを、改憲への入口、手続きまでの65年の歳月が証
明している。

 (2)現在、改憲の草案は立法府の国会にのみ与えられて、3分の2の議員議決により国民
投票にかけられて、過半数の賛成で成立する。
 国の基本法の改憲論議ということになれば、そのプロセスから国民の関心も当然集まり、
また、日本を取り巻くアジア各国、とりわけ先のアジア戦略での被害国の中国、韓国の注目
度は普通ではないだろう。

 裁判員制度のような司法の基本を変更する法律改正では、改正論議では国民の関心は高く
はなく、その後5年を経てのいよいよ施行時期になってから論議が高まった。同時に改正され
た検察審査会の法的権限強化は、結果としては効果があった。

 日常生活のパラダイム(paradigm)となる基本法、法律も、その程度の関心事、国民の捉え
方が一般的だ。
 実際、日常生活を過ごすプロセスで、国の基本法を意識することはまず、ない。それは、
たとえば現行憲法が「国際紛争を解決する手段としては戦力を保持しない」平和憲法理念が
国民生活に浸透している証拠(evidence)でもある。

 しかし、その憲法も時の政権の判断による「自衛のための戦力保持」のための運用解釈論
で、自衛隊が整備強化されて国際協力のもとに海外派遣も可能にしている現実もある。わず
かではあるが、一部、核保有論まで語られたこともある。

 (3)国の基本法が改憲論(constitutional revision)ではなく、運用解釈論(interpretation)
で拡大適用されるケースもあることを忘れてはならない。
 また、憲法論議にかかわらず、高度な機密性、政治的利益とか言って、憲法が保障する国
民の権利が侵害される不透明さも経験してきた。

 文化的で必要最小限度の生活保障の年金や生活保護は、時流に流されて憲法が保障す
る国民の権利からは程遠い運用で、国民の義務偏重の憲法の運用解釈に映る。
 改憲アンケートでは、改める派と改めない派が五分五分の情勢。

 平和憲法がそれなりに一定の意味、意志をもってアイディンティティ(identity)があると認め
られている証拠(evidence)でもあるし、そのわかりにくさから、どう変わるのか、変っていくの
かに疑心があるのも伺える。

 憲法が改憲論なのか、運用解釈論なのか以上に、国民の日常生活には多様な「自主性」が
すでに支配している。
 多様なところが、いいところもあれば、危険なところでもある。

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ネクスト・ジェネレーション。 dreamy next generations

2010-05-02 19:30:44 | 日記
 ゴールディン・ウィークもこれこそ五月晴れ、深緑の光を庭に見て、なんとなくちょっと
これからの社会現象、次世代社会を夢見ている。

 (1)パソコン・ケイタイ・ゲーム機と近代の三種の神器は、それぞれ時代を変えてきた。
その中で、いつの時代でもテレビは型を変えてテクノ(technology)家庭の中心にいる。
 モノクロ(monochrome)からカラー化、BS(broad satellite)、液晶、薄型テレビに大型
ハイビジョン化、アナログ(analogue)からデジタル(digital)化と多様な視覚志向と情報
キー局の細分化に対応しながら、時代を反映した神器の中心にいる。

 そして、映画化に続いて、3D(dimension)テレビの時代。プラズマパネル対応が先行す
るが、液晶型対応が中心。ハード化販売にあわせて、放送網もケーブルTV、BS放送で3D
放送のサービスを開始する。
 画面の3次元、立体化視覚。スポーツをはじめ、スピーディな空間映像で迫力のある映像
画面が家庭で楽しめるということだが、狭い家庭エリアでは制約も多く、順化も大変だ。
 テレビが家庭を飲み込んでいく。

 データによると、3Dテレビが水平視覚で、120センチ以上は離れて特殊メガネで見るの
がパラダイム(paradigm)で、当然、疲れや不快感など目への負担も大きいと、決意もいる
ようだ。家庭でそこまでするのかという気もするが、先端的なものへのあこがれ、到達心も
大事なこともある。次世代社会から、今を見たらこっけいに見えるだろう。

 3Dテレビがハード、ソフト両面で主流(main force)になる頃の家庭生活空間、環境条件
がどう整備されているのか。デジタル化とあわせて投資も、健康も考えものだ。
 テレビもどこまで進化するのか。次世代社会型としては、壁面一体型テレビが上海万博
にも出展されている。

 (2)東京と名古屋を30分で結ぶ、JR東海リニア中央新幹線。現新幹線経営の減収で開
業時期が当初の2025年から27年へ見直す。
 JR東海が全額負担で設計するリニア中央新幹線。東京~名古屋間の建設費が5兆円
強で、名古屋~大阪間(45年開業予定)が3兆円強で、年間の国家予算の10%。先行
投資(initial cost)としては驚く額ではないが、現新幹線との共生、また、それほど急いで
費用対効果があるのか、先見性、計画性、経済性が見えてこない。

 次世代社会の価値観、有り様を的確に分析して、またパラダイム(paradigm)をリードし
ようとする意思でもあるのか。安定不況が恒常の経済性の中で、先見性、経済性、洞察
力が求められる。
 時代は限りなくスピーディを求めて変化、進化するのか、いい加減のところでスローライ
フに原点回帰するのか。選択肢の多様な社会はけっこうだが、神器も時代の要請に応え
てこそのものだ。

 道路も含めて交通論、システムは、「意志」にもとづく設計が求められる。人と交通と社
会と経済が円滑に機能しあう機能化社会を次世代に伝えたいからだ。
 東京~名古屋30分のリニア中央新幹線で、まだ夢が見えてこない。

 

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ソフトな全面禁煙擁護論。 logic of passive no smoking

2010-05-01 19:33:52 | 日記
 (1)あまりにも大々的な宣伝アピールだったので目に止まった、愛煙家による喫煙キャン
ペーン誌。「喫煙は日本の文化」で愛煙家にも言わしてほしいと、その道の作家、学者がズ
ラリと名を連ねての評論集。
 喫煙は日本の文化と謳っているけれど、英国植民地政策の一環として、中央アジアから東
アジアへ普及してきて中国から日本にも波及した世界文化のひとつ。
 その昔、香港では植民地支配の経済統治のため、阿片を強制、常習化して阿片戦争に発
展した歴史もある。阿片を長いパイプで吸うウツロな現地人の映像が目に浮かぶ。

 読みもしないけれど、喫煙キャンペーン誌は、「大人の身だしなみ」とか、「理想に囚われす
ぎると」、「煙草のみを狙い撃つ空気」、「税収に貢献する喫煙のどこが悪い」、「ほんとに健康
に悪いのか」と、多分その道の作家、学者の意見なのでけっして狭い観念での喫煙擁護論だ
けではないことが予想できるが、言いたい放題。

 (2)タバコをどうして吸うのか考えてみた。本当に健康に悪いのかと言っても、栄養補給やそ
れこそ健康のためにタバコを吸うのではないことは間違いない。もちろん、国家財政に貢献
するために殊勝にも吸う訳でもない。
 大人の身だしなみという、少年期の大人へのあこがれ、格好つけ、背伸びと、同年期との
区別、比較存在感が、端緒かな。あとは、精神安定剤、つまるところが、手放せなくなる常
習性(一応、病理的現象)というところ。

 (3)禁煙志向というのは、WHOの「健康のためには全面禁煙」という指針にもとづくもので、
これは①喫煙者への規制的な作為と言うよりは(結果的にはそこに行き着くことになる訳だ
けれど)、②喫煙しない人の生活環境を整備し維持するための、社会的申し合わせ、理念
(logic)だ。

 JTが専売的にタバコを販売して税収を上げている中で、タバコを吸う人も吸わない人もい
る社会。タバコのもつ煙(広い意味でダイオキシン)、匂い、付着物効果が、そのうちの一つ、
二つは嫌悪を持つものであることは間違いない。

 (4)そこで、喫煙者に便宜をはかる分煙化というのが社会では一般化している。便宜という
こともあるし、一定しない喫煙マナーから禁煙者、社会環境を守る意味合いもあるし、結果
として喫煙二次感染の防止の役割もある。喫煙者は、分煙化で禁煙者の利益も守られてい
ると考えるのだろう。

 JTが専売的にタバコを販売しておいて、全面禁煙とはパラドックス(paradox)。不特定多数
が集まる場所までもの分煙化による、能動的な喫煙保護(active smoking)の社会的効果よ
りは、喫煙は完全に個人的な嗜好、趣味としてエリアを自発的に分断して限定して、受動的
な禁煙保護(passive no smoking)の利益の方を優先(priority)しようという申し合わせ、理念
が、全面禁煙論。

 喫煙キャンペーン誌の意見に見られるような、禁煙論が「喫煙者」への強制的、強迫観念
的な作為ではなく、「禁煙者」へのソフトでささやかな擁護論なのだ。

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