みんなが未来や夢を語り合った
問題は誰を見捨てるか
みんなで描いた街は輝いていた
他人の夢のよう
ここにあるすべてが少しづつ変だ
なんにだって答えがあるみたいに
希望や夢が一人一人を
狂わせているよう (他人の夢)
今作で何が良いか、っていうと
まず歌詞が良いんですよね
オウガはサウンドや雰囲気で語られがちですが
実は歌詞がすっごく良いバンドなんだ・・・っていう
アホみたいな感想ですが(笑)それをまず凄く強く感じたんです
一曲目の「他人の夢」からして最高ですね
街や世界はいつでも盛り上がってて、キラキラしてて、輝いている(ように見える)けれど
そこに自分の夢は無い、自分自身はいない、、、っていう
何とも言えない物悲しさと
そんな人間の心境を的確に射抜く言葉選びが実に素晴らしくて、
まあこれらの感想は個人的な、勝手な解釈に過ぎないんですけど
自分的には孤独感を表すフレーズとしては直接的過ぎない絶妙な良さがある、と思っていて
正直感情移入しながら聴いてしまった、、、のが本音ではあります
その他にも、誰にも明言されてないけど、
人と人の間などに確実に存在する曖昧で不確かで違和感のあるルールに関して切々と歌う「見えないルール」も秀逸ですし、
「あの頃」みたいに過ごせてない、ワクワク出来てない。という事実を歌う「ちょっとの後悔」、
更にもはや歌でもない、ただ呟いてるだけの音像にまで行ってしまった「ペーパークラフト」の歌詞も
物凄く頷ける、批評的でありながら希望を匂わすエッセンスも感じられる絶妙なものに仕上がっています
そういう風に、「ああ・・・」って思える歌詞が今回はいつも以上に多い気がして
バンドは年を重ねる毎に歌詞がシンプルになっていく傾向があると個人的に感じてるんですが
オウガの場合はむしろ年代を重ねる毎に、より“敏感に”進化していっている印象があります
印象に残る歌詞がそこかしこに散りばめられてるので
最後まで興味深く、
そして飽きずに聴ける盤になっているんじゃないか・・・って個人的には思いました。
サウンドの方はオルタナよりもいつも以上にバラッドが多目で
全7曲で約43分、と長尺でスロウな楽曲が多いです
テンポ的に全然速くないのに、
それでもミディアムバラッドが半数以上を占める本作の中で
「見えないルール」が若干速めに感じられてしまう辺りが実にヤバいですね(笑
だって、「見えないルール」自体基本的に遅いテンポの楽曲だと思うのに
この楽曲群の中に混じってるとやたら速く感じる、、、という
ディープでコアなオウガが炸裂しまくっているアルバムに仕上がってます
この流れの後で「コインランドリー」とか聴くと「速っ!」って感じるのもまた面白いですね
基本的にゆっくりと、そしてしっかりと沁み込む類の楽曲が多く収録されてるので
今現在の流行のサウンドからは一線を画しているとは思いますが
そうやって「らしさ」を貫く姿もまたカッコいい
別に今流行のサウンドを否定する気なんてさらさらないんですけど、
だからこそ、こういうのが目立つんだ。と思うとむしろ感謝するレベルですね(流行のサウンドに)
やっぱりメロディが良いんですよね
オルタナティブロックからの影響も往々にして感じてるんですが
質の高い歌謡曲からの影響も相変わらずしっかりと根付いてる気がして
「他人の夢」「いつかの旅行」「ちょっとの後悔」「誰もいない」辺りの
純朴でありながら染み込むメロディの数々は純粋に聴いてて気持ちが良いです
所謂グッドメロディとはまた違う、地に足のついたメロディライン、、、というか
そういうものが沢山堪能出来る
フェスモードのバンド群とは一線を画す
きちんと落ち付いて聴けるようなサウンドが展開されているなあ。って聴いてて感じました
(勿論、フェスモードのバンド群を否定している訳ではないですし、否定するつもりもないですよ。
こういうのはこういうので素敵だなあ。っていうお話ですね)。
そんな中でも、従来のオウガのオルタナ性が炸裂したサウンドに仕上がっている「見えないルール」なんかは
リフの格好良さも相俟って古参の方も反応しちゃうような楽曲に仕上がっててそういう手さばきもまたニクいです
勿論、まんま昔のリフ主体のロック~って感じでもないんですけど、良い具合に融合感あって楽しいかな、と
その上で先述のように日常の違和感を歌った歌詞も突き刺さるので一粒で二度美味しい曲になってます
変わり種は表題曲の「ペーパークラフト」、
最初聴いた時は「なんじゃこりゃ!?」って思う位
マニアック・・・というか、音がガサガサしてる上に
歌でもないし、、、
ただ出戸さんが呟いてるだけだし!っていう
とんでもない曲になってるんですが(笑
それがまた何度も聴いてるとクセにもなってくる感覚があって
歌詞も一見批評的なようで、「なんだかんだで強い」という、ある種の希望を感じさせるものにもなっている(ように思える)のが実に素敵で
そういう意味合いでもレアリティのある楽曲に仕上がっていると思います
このアルバムのリリースツアーには行けなかったんですが、この曲を演奏したのかどうかが凄い気になりますね
バラッド多目、と書きましたが、打楽器のダンサブルなサウンドが光る「ムダがないって素晴らしい」等、
要所要所でミディアムテンポ以外のアプローチの楽曲を入れてるのでそれもあって飽きずに聴けるのかもしれません
ただ、ちゃんと一曲一曲にサビがあって抑揚のある感じではないので、そこが注意点と言えば注意点ですかね
でも、こういうの好きなリスナーも潜在的にいっぱいいるんじゃないか・・・って思います
そのくらいバラッド群のクオリティが高い作品にもなってるので
近年のオウガ好きにも(きっと)響くアルバム
独自性のあるロック・ミュージックが正しく鳴っているアルバムだと思います。最近、繰り返し聴いてるので感想を書いてみましたよ。
ところで、この秋には新譜も出て来年にまで渡るロング・ツアーも控えてます
正直オウガは常に「今が一番格好良い。」バンドだと思ってるので
そちらも今からすごくワクワクして待っています。
どこにも居場所がないような人は、是非OGRE YOU ASSHOLE聴いて共に浸りましょう。