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自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

「好き」は一つじゃなくて良い。/湯神くんには友達がいない 第75話 感想(週刊少年サンデー2018年49号)

2018-10-31 | サンデー感想
                              
                                カワイイ笑







そもそも人間って何がきっかけで新しい分野に興味が沸くか分からないものだしねえ
「自分はこういうものが好きな人間である!」って自分で自分を縛ってる人なんてそんなに居ないと思うんですよ
例えば俺だってこれまでずっと野球に興味なかったのに、母親の母校が甲子園に出始めてからTVで観るようになったしね。。
だから、野上さんだって「やっぱり占いが好きなんだろうな。」って他人からイメージを縛る必要なんてないんですよね。

とはいえ、野上さんと言えば占い~みたいなところがあるから、
どうしても置きに行ってしまう気持ちも正直理解出来ますけどね
それもバカにしている訳ではなく、彼女が喜んでくれるなら~という思い遣りから来た選択でしたから
野上さんも野上さんで元々占い大好きですから正直まんざらでもない気持ちもあるでしょうしね。





でも、今回の湯神くんの発言は圧倒的に正しい。
別に野球好きが落語を好きだって良いし、
城めぐりが好きな人間がボウリングを好きだっていい。
そう、別に“好き”は一つじゃなくたっていいし、そこに順位を付ける必要も本当はないんですよね。
〇〇も好きだけど、〇〇も好き。元来、それが一番正しいし、自然な形なんじゃないかと思う

そもそも、〇〇好きだから~〇〇は嫌いでしょう、とかそういう偏見みたいなものは必要ないんですよ
何だってやったらいいし、何だって好きになっても構わない。自分も周りにも固定観念で縛る必要も権利もなくて。
何より、人間は各々が思ってる以上に多角的で未知数な生き物だったりしますからね
敢えて別分野を掘り下げて新しい自分を発見する・・・って作業も、
湯神くんのDIYよろしく人生を彩って行く為には悪くない選択なんじゃないかな、って思います
野上さんは、別に手芸が嫌いだった訳じゃなく、上手く出来ない現状に苛立ってただけ
そうやって「悔しい」って思う事自体ある意味“好き”の裏返しなんですよね。。





正直、
手芸を好きになってくれてた事に喜ぶちひろちゃんも、
「頑張りたくて」努力してた手芸の出し物に決まって喜ぶ野上さんも、
両方健気で可愛くていじらしかったなあ・・・と素直に感動してしまいました
ちひろちゃんも自分の想いが報われて嬉しかっただろうし、
野上さんも自分に遠慮しないちひろちゃんを見て嬉しかったでしょう
なんか上手い具合にwin-winっていうか、
本当きれいに収まったなあ・・・と思えて今回もまた秀逸な話数でありましたね。

個人的には、ちひろちゃんの野上さんを想って色々四苦八苦する気持ちも、
野上さんのちひろちゃんを傷付けまいと気を遣ってしまう不器用さも、
どっちも凄く人間味溢れる感情だなあ、、、って思って、
そういうちょっとしたリアリティがまた良い味出してて素敵だったなあ。。と思いました
勿論、影の功労者である湯神くんのさり気ない気遣いもまた粋で素晴らしかったと感じましたね。
なんだか読んでて終始ほっこりしてしまう話数で肌寒くなって来たこの季節にも似合うようなお話でした。


でも、本当、自分も多趣味な方だから自信持って言えますけど、
好きなものが色々あるのって本当に楽しいですよ。
今日はこれ、明日はこれっていう風に、
切り替える度に別の自分になれるような感覚があって、まだ知らない自分を掘り下げる作業も案外悪いもんではないです。
「自分はこういう人間だ~」って自分自身で決め付けてしまうほど勿体無い事もないので、是非新発見をおススメします。













ところで、
今回はCカラーでした。
今回はかなり若さと勢いに満ちていて、こういうのも結構好きです(笑
湯神くんいいケツしてんなー←

あと、門田を放置してるのは、結構オチの通りの思惑でもあるんじゃないか?って思ってたり。
また湯神くんが解決してたんじゃ「いなくなったらどうすんの」って感じですもんねえ。
個人的には城戸さんと門田くんのエピなんかも懇願したいところです(期待)。



まだ終わっちゃいない。/ゾンビランドサガ 第2話「I♡HIPHOP SAGA」

2018-10-31 | ゾンビランドサガ
                               
                            見事なヒップホップでした・・・笑
                     











さくらの言った「まだ終わっちゃいねえだろ!」ってセリフは刺さりました
確かに、まだ何も終わってないんですよね・・・
というのも、
実感として「全てが終わった。」という感覚があったとしても、
この身体は決して朽ち果ててはいない、前に歩ける足もあるし、喜びを感じる事の出来る心もある
そう、精神的な意味合いもあったと思うけど、本質的な意味合いで彼女は「まだ終わってない」って叫んだと思うんです

それは、「諦めない」とか「負けない」だとか、強迫観念のような思想ではなく、
まだこの身体は朽ちていない、まだ私は死んじゃいない・・・という這いつくばるような生き様そのものなんです
確かに、トラックに轢かれて死んだし、ピストルにも打たれて死んだ、そして、化け物のような姿になって
“誰にも愛されない”という厳しい現実も真夜中に直面して、それもある意味実感としての死ですよね
この手には何も残されて無いかもしれないし、
頑張っても全部が徒労に終わるかもしれない
だけど、
「まだ終わってない」。
それは絶望でもあるけど、希望そのものでもあります
あまりのノリの良さとエンタメ感に満ちたパワーのある演出に笑い、魅せられながらも
放たれているメッセージは堅実そのもの、誠実そのものなところに個人的にはグッと来ました
兎角、寸劇として物凄くレベルの高い話数に仕上がってたんじゃないか?って感じられた2話目でした。






まあただ、
彼女たちはあくまでゾンビ、
外に出たら化け物扱いだし、真っ当な一人の人間として見られる事も無い
「傍からの目」としては間違いなく“終わっている”存在だとは思います
まあ個人的にはゾンビでも普通に可愛いと思うけど、
冷静に見たらあの深夜の常夜灯に照らされた時みたいな状態なんでしょうね(笑






みんながみんな、
さくらのように「あの感覚」を求めている訳でもなく、
それぞれにそれぞれの思惑や行動理由があって足並みは決して揃わない
個人的には「たまごっちが気になる」っていうのが凄く人間味のある理由で良いよなあ、って思いつつ笑
誰もが誰もさくらみたいに曰く“従順な”娘ばかりでは決してなかったでしょう。

でも、さくらだってただ言いなりになっていた訳ではない
初めてのステージの上で感じた「あの感覚」、
ただそれを取り戻したかっただけ
確かめたかっただけ、
何より、
この凄惨な状況から逃げずに運命に立ち向かいたかっただけ、なんでしょうね
そう、理屈ではなく、本能で自分の「すべきこと」を肌で理解出来ていたって事なんです






そんな彼女の内に秘めた想いが爆発するステージのシーンはやっぱり何度見ても面白い!
正直な話、一つのドラマじみたエンタメとしてきっちりと成立してると思うんです
前回のステージはノリで強引に押し切った部分もありましたけど、
このヒップホップのステージは、
ゾンビアイドルというコンセプトの寸劇を魅せつつ、
最終的にはシルバー世代/老害扱いされてもむしろ「ここから」、まだまだ終わってない・・・!っていう
ある種観客をノセるアジテーション(扇動)のステージとして立派に成り立っている、と感じたんです
終わりを迎える世代、終活なんて言われてますけど、まだまだここからだろ!と言い切り、
マイクを叩き付けるさくら達のパフォーマンスを観てたら盛り上がるだろうし胸に来るだろうなあ。。と思うと
ある意味偶然噛み合った類のステージとはいえ、前回以上に成功の説得力が高くて満足出来た話数でもありました。

人間は時間が経ったり失敗を重ねると、
いつしか「出来ない理由」「頑張らない言い訳」を探すようになる
そうじゃない!という想いをメンバーにぶち撒けつつ、
それが観客にまで美しく伝染していく土壇場の演出力に惚れ惚れとしてしまった、
正に“神ってる”2話目に仕上がってると思います。是非、ここまでは観て欲しい!と期待しています。













それにしても、
巽さんの存在も面白いね(笑
基本イミフでコメディ的にガンガン笑わせてくれつつ、
でも裏には「何か」真摯な想いも眠ってそうな気がします。
何より、こういう楽しくて頼れる男キャラがいると物語に芯が出ますね。
個人的には影の功労者だと思います。