6月に出たシシャモのベスト
これ自体はなんていうんでしょう、曲数も14曲と少ないし、
シングル曲+有名曲って感じで割とサクッとした内容になっていると思う
正直相当「入門編」だと割り切った印象のベストなんですけど、
だからこそ手に取りやすいのもまた事実
もっと言えば、
本当はアルバム毎にじっくり聴いて欲しいんでしょうね
全曲ベストだと思って作ってるバンドだからこその「曲の絞り込みをしたくない」という強い意志を感じます
とはいえ、このバンドの有名曲はほぼほぼ網羅されてるんできっかけの一枚としてはこれで良いのかもしれない。
そんな訳で感想自体もザックリとバンド自体に興味を持ってもらえるようなものにしたいと思う。
1.OH!
「君だけは君を恥じるなよ」というフレーズが印象的の泥臭いロックナンバー
その上「ダサくて何が悪い」というサビのフレーズまで飛び出して完全に男脳で作られてる楽曲
というか、今どきの男のロックバンドでもここまで泥臭い曲は中々作らないと思う
その心意気と、歴代のパンクスのモチベーションを受け継いだメッセージが響く最新の名曲
個人的にはカラオケで歌っても気持ち良い、ライブで聴くと尚気持ちが良い。
2.恋する
歌詞の中に「あぁ、バカな私」ってフレーズがあるけど、
こと恋愛事に関しては正直ほんっとうにそう思うのである意味共感度の嵐な一曲
バンドの演奏自体が洗練されてなくて初期衝動丸出しのインディーズロック風味なので、
その粗削りな部分も楽しむのも良いかもしれない
どことなく90年代の匂いもする。
3.量産型彼氏
これは、
多分リリース時に聴いてたと思うんだけど、
その時は聴き流してたんですが今聴くと相当切実な曲ですね
メロディ、アレンジ、演奏と三拍子揃ったサウンドの気持ち良さが聴きどころ
結局最後まで幸福にはならないんだけど、そのずっと報われず願望を垂れ流してる感じがなんだかとってもリアル。
あと人懐っこい歌声も聴いてて心地良いですね。
4.ねぇ、
この曲でバンド演奏の勢い、、、というか
全体的にまた更に洗練されている感覚が備わって、
ロックンロールに駆け抜けるサウンドの迫力も相まってまた一歩進化を遂げたと言える重要曲
楽曲のテーマも秘めたる想いを言わずに終わるよりその自己満足を吐き出せ、という
とても前のめりでかつ青春と焦燥感を受けさせる素晴らしいものになっている。
個人的にはブロガーの心境にも当て嵌まる曲だと思っている・・・笑
5.夏の恋人
しっとりとしたバラード
かつての想い人にサヨナラを告げる楽曲
なんでしょうね、結局は人と人との付き合いって繋がることは簡単ですけど、
その先は案外難しいですからね なんとなく未練を晴らしてくれるような、そんな一曲。美メロ。
6.熱帯夜
ちょっと官能的な一曲
こういう・・・刹那的な感情を追い求めるテーマの楽曲はかなり好み
「会いたい」ってフレーズはそのまんまちょっとエッチな行為にも繋がる気もするけど、
実際どうなのかなあ。。となんとなく気になる一曲でもある
でもなんか、こういう感情も良いですよね。と思う
何も関心がないよりは、ね。アレンジもお洒落に決まってて格好良い。
7.君とゲレンデ
「君と夏フェス」の後に聴くと気持ち泣ける一曲
誰かに自分の事を気にしたり大切に思ったりしてて欲しいけど、
そんなに現実は甘くないしその願望自体が自分勝手なものなんですけど、
でもそんな気持ちもまた本音なんだよなあ・・・ってこの曲を聴いてると思う
冬の曲なのに演奏やメロディが元気いっぱいなのもとても面白い
その分歌詞がキツいが恋愛ってこんなものなのかもしれない。
8.僕に彼女が出来たんだ
歌詞が宮崎さんではなくドラムの吉川さん
インディーズのロックバンドみたいなシンプル極まりない歌詞と演奏で、
ある意味シシャモの面白さが十二分に詰まっている楽曲
歌詞はタイトルそのまんまで、
若干妄想の匂いもするけど、
でもそういうのもイイですよね・・・いや、良くないかもしれないけど(笑
ただ純粋に聴いてて楽しい曲なんでベストに入るのも分かる一曲。
9.BYE BYE
この曲は歌詞の感情移入度が高い
所謂「本当の自分」なんて知らないくせにー!っていう、
ある種の自分勝手で当てつけ的な心情を描いてる楽曲なんですけど、
でも「正しい/正しくない」で自分を制御出来るほど人間って器用な生き物ではないので、
その意味だと人間らしい普遍的な感情をオブラートに包まず描いている名曲だと言える。
そしてオルタナティブなアレンジ、クールなバンド演奏もまた新境地かつ格好良くてよく聴いている一曲です。
10.君と夏フェス
これは名曲ですね・・・
まず、メロディがいい、アレンジもいい、演奏もフレッシュネスかつエネルギッシュで最高
おまけに歌詞の世界観が妄想的かつドラマチックで更に良い。。っていう理想的な一曲
なんというか、この曲の歌詞のような青春を過ごしたい、、、なんて素直に思う
シシャモの最も秀逸な部分は一つ一つの曲が職人レベルで丁寧に紡がれていること
その本領発揮の号砲としても素晴らしかった楽曲なんじゃないでしょうか
兎に角、純粋に良い曲ですね。
11.ほら、笑ってる
それまでの楽曲とは違って、
物語を紡ぐ~という手法ではなく個人の内面を掘り下げる~という内省的な楽曲に仕上がっていて
この曲からまたシシャモのダークな部分が垣間見えるようになった・・・と思うと重要な一曲
聴いてて思わず感情移入してしまう哀愁と切実な想いの応酬は、
決してポジティブではないが思わず頷いてしまうものがあって個人的に大切な楽曲
後の「私の夜明け」とかにも繋がる一曲だとも思うけど、
それまでの楽曲とはまた別ベクトルで素晴らしいと感じれるとてもロックバンドらしい名曲だと思う
なんとなく2000年代前半に出て来た内省的なロックバンド群の楽曲を好きな人にも通じそうな曲だと感じる。
っていうか自分がそうだから。
12.水色の日々
この曲でシシャモのファンになった
そういう意味では自分にとっては忘れられない一曲
綺麗すぎるメロディ、流麗なアレンジ、色のあるボーカル・・・と
初めて聴いたとき「今どきこんな丁寧な曲作るバンドいるんだなあ。」と感じたことを覚えている
それと同時に、年食って・・・なんでしょう、失敗したとかもう戻らないんだな。と思うことも増えて来た為、
今日までのあたりまえがもう明日にはない~というニュアンスの歌詞に聴く度に感情移入してしまう、
とってもピュアでイノセントな世界観を聴かせつつ沁みる要素たっぷりの名曲
自分の中ではシシャモ=この曲なんだよなあ(他の人は違うでしょうが)。
13.明日も
シシャモの枠を飛び越えて人気になってしまった超名曲
実際自分も紅白で聴いて「良い曲だなあ。」って純粋に感じた記憶があるし、
3ピースのオルタナティブなロックバンド、ガールズバンドであそこまで上り詰めた~という
記憶であり記録を打ち立てた正にバンドを代表するアンセムと言って差し支えないでしょう
この曲は、やっぱり歌詞が物凄くロックバンドしてるのが良いんですよね
転がりながら足掻くように立ち続ける世界観は、
共感を生むと同時に頑張れる活力ももらえる豊かな一曲に仕上がっている
人懐っこいメロディと透明感のあるボーカルで聴きやすさも備わっていて正に完璧と言える楽曲
ライブで聴いても100%盛り上がる、聴いてて握り拳を作りたくなる誰にも愛される名曲だと個人的には思う
でも、そういうポピュラリティがありながら歌詞の世界は内省的なのが凄く面白いな、って感じます。
14.タオル
ライブでのみ披露されていた物販でタオルを売るために作られた楽曲
なので、歌詞もそのまんま物販でタオルを買って下さい。というものになってるんだけど、
だからこそシンプルで潔くて素敵だな~って思えるポップでありながらキュートでもある一曲
別にタオルなんていらねーよ!って思ってる人でも買ってもイイかな。と思わせる程度には、
朝子さんのおねだりセンスが効いててそんなトコも面白くて聴いてて楽しいなとか思う。
なんでしょうね、
凄く雰囲気重視だったりコンセプト特化のバンドが多い中で、
シシャモは飛び道具に頼らず、「純粋に良い曲」を作ること“だけ”に邁進している、
今どき珍しいぐらいストイックでセンスのあるバンドだと思っていて・・・
その「真っ当な感じ」「ちゃんとロックバンドな感じ」がとても聴いてて好みだと思える、
妄想度の高い歌詞の作中観も含めてとっても自分好みのバンドだなあ、と
そんな想いを再確認出来るベスト、
所謂胸キュンな曲から、
恋愛の辛い部分を歌った曲、
内省的なバラッドから、
ただ純粋に聴いてて楽しい曲まで様々な感情を切り取っている豊かさも含めて入門に相応しい作品でした。
そんでもって是非9月の大規模ライブに足を運べばいいじゃない!って思いました(笑
このブログの読者的にお勧めなのは「ほら、笑ってる」でしょう、多分。