サブカルチャーマシンガン

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新・syrup16g全曲レビューその6「透明な日」

2019-08-18 | 新・syrup16g全曲レビュー
                            









君に勝てることは
何ひとつ無い
他には何も









人生は勝ち負けでは決してないんですけど・・・
ただ、他人と自分を比べて運だったりセンスだったりを持ち得ていないと、
その時点で多数派に入れなくて「負け」って感覚があって・・・
なんか自分だけ「持ってない」という感覚が残るじゃないですか
別に誰かに勝つ為に生きてる訳じゃないけど、
どうしても「持っていない」という感覚は拭いされなくて、
妙な劣等感「だけ」が残ってしまう、、、そんな人にはうってつけの曲なんじゃないですかね。

他人と話していても、
やっぱりマジョリティの価値観に加われない自分を見つけたり、
同じことをしていてもなんだか報われない感覚があったり・・・
気が付けば自分の「通用しなさ」に途方に暮れてしまう
だから、
この曲の歌詞のストレートに自身の負けを認めて底に落ちていく描写によく感情移入してしまう
正直に言えば、今日もうこの曲の気分だったのでこのレビューを書いている節もありますが・・・。

でも、
こうやって自分が悩んでたり傷付いたりしている感情だって、
他人から言わせればなんか別に気にすることじゃないとか正論で返されたりするじゃないですか
そういう未熟で幼稚な感情を抱えた時点でやっぱり「負け」って気がするんですよね
あなたに自分の気持ちが分かるだなんて決して思って欲しくはない
ただ、
そう感じてしまった時点で「君に勝てることは何ひとつ無い」なんですよ
圧倒的で、かつ、現実的な、逃れられない劣等感の歌・・・
自分ではどうしても到達出来ない場所があって、
そこに辿り着いて笑ってる人々を眺めて悔しがっている愚か者の歌。
だからこそ、胸に強く響く感覚が強烈な完全なる負け犬の曲。
この曲はライブだと結構演奏しているイメージがあるし、
五十嵐さん的にもお気に入りなのかもしれませんね
最新のアンセムの一つ、っていうか・・・
それでもってある意味聴き手そのまんまな楽曲でもある(と、思う)。





神に負けることは
何ひとつ無い
他には何も





しかし、この曲の肝はこっちにもあると思います
運命から見放されていても、あらかじめ決められたセンスに限界があっても、
最後まで夢見て足掻くことは出来る 希望だったり楽しみを抱き続ける事は出来る・・・
つまりはただのメンヘラソングに終わっていない“強さ”がこの曲にはあります
頑張っても空回ってしまう気がしていても、
頑張っても報われないような気がしていても、
神に負けることは永遠にない
懸命に生き続けている限り、
死なない限り、
永遠に神「には」勝ち続ける・・・という、そう考えるとポジティブな気さえして来ます

「君」には負けるけど、「神」には負けない。応援歌のような分かりやすさはないけれど、
それでも普通の応援歌に負けないくらいに切実な想いを感じさせる、
そういう序盤の儚さにも劣らない芯を感じれる曲でもあると言える
何も(努力の跡が)返って来ない、
その空しさを歌いつつ、
「神」の言う通りにはならない。という五十嵐さんなりの「抵抗」を感じる再始動後でも指折りの名曲でしょう
淋しさに泣くも良し、通じなさに途方にくれるもよし、その先の「それでも」という想いに浸るもよし、、、
色々な感情が一曲の中に詰まっていて、最近のライブでも割と歌われるのもよく分かるなあ、と。
この曲もまた五十嵐さんのパーソナルな心情が素直に曲になってて大好きな一曲ですね。