サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【アルバムレビュー】ANGELS/THE NOVEMBERS

2019-10-16 | アルバム感想
                              








1.TOKYO
2.BAD DREAM
3.Everything
4.plastic
5.DOWN TO HEAVEN
6.Zoning
7.Ghost Rider
8.Close To Me
9.ANGELS








好きにやるだけ
俺もお前も
好きにやるだけさ
同じ家の中で (Zoning)








今年3月に出たノーベンバーズのフルアルバム
感想を書くのが何故か10月っていう・・・どれだけ音楽レビューをサボって来たのかがよく分かる(笑
ただこのアルバムは今まで出たノーベンバーズのどのアルバムとも違う感触があって・・・
端的に言うと、音が違う
サウンドのデザインが違う、、、
具体的に書けば生音ってよりもデジタル色が強くなって
でも逆にロックサウンドが際立ってる感じの曲もあって・・・
新しい段階に突入したって言えばいいのか、
兎角デジロック風のアプローチあり、ポップス風のアプローチあり、ゴリゴリのロックンロールあり・・・と
割と一曲一曲が振り切れてて中々に面白い一作に仕上がってると思います。

感想を書くのが遅れたのは、
「Hallelujah」の時は「これが最高傑作や!」とはっきりと言えたんだけど、
今作は「めっちゃ格好良い!」と直で感じたものの、結構「新しいノーベンバーズ」という
元々どんどん新しくなっていったバンドなのに更に新しい音像に突入してたんで咀嚼するのに時間が掛かったのもある
ただ、どう考えても「それまで」とは全く違うタイプのアルバムに仕上がっていて正直刺激的であったのもまた事実
ある意味、
ノーベンバーズ自体がどんどん脱皮していく・・・
「慣例」から抜け出していくタイプのバンド、ゆらゆら帝国などと同タイプのバンドなので、
そういう意味では最も“らしい”作品だとも言えるのが痛快であり面白いアルバムに仕上がってると思う。

そう、
今までの作品の中で、
間違いなく最も「新しい」作品なんですよね
それは文字通りの意味ではなく、表現が進化したという意味で。
そういう意味では今作もまた現時点での最高傑作と言えるでしょうし、
今のノーベンバーズの凄味が凝縮されているアルバム、、、と言えると思う
そして後々に於いて「これが分岐点だった。」という類のアルバムでもあるかもしれない。
一言で「なんだかよく分からない(分かるような気もする)が格好良い!」ってなる作品です。


今までとは全く違う無機質なデジタルサウンドで幕を開ける「TOKYO」、
遂にブンブンサテライツばりのスケールの大きなロックサウンドを鳴らす事に成功した「BAD DREAM」、
切実かつ祈りのようなポップ・アンセム「Everything」に、
これまた打ち込み色の強い皮肉のような「plastic」、
更に不敵な歌い方が光る轟音ロックの「DOWN TO HEAVEN」の暗黒感、
個人的に歌詞が最も好みな今作でも随一に強烈なシャウトが突き刺さる「Zoning」、
洋楽のカバー「Ghost Rider」はオリジナル曲と思っても過度じゃないくらい格好良いし、
メロディが流麗な「Close To Me」はダークでセンチメンタルな歌詞含めて沁みるような楽曲
最後の堂々としたロング・バラッド「ANGELS」は流石の名曲に仕上がっていて最初から最後まで隙の無い構成と言える。

やっぱり、
PVも作られている「BAD DREAM」が凄く格好良いし不敵だしテンション上がるし、
何より広い会場で思い切り響く事が想定されていると感じるくらいスケールが大きくて聴いてて気持ちが良い。
ゆったりとしたメロディから急に加速する構成含めて斬新かつ新しいノーベンバーズが一番反映されていて、
ある意味この曲を聴くのが最も今作の様子を感じるに相応しいようにも思える。
ダークでありながら抗っている鮮烈な歌詞も正直自分好みです。
 そして、好きにやるだけ、と何度も叫ぶ「Zoning」は、
もっとライブで演奏してもいいのに。と感じてるくらい聴いてて気分が高揚するナンバー
というか、実直に勇気付けられる節もあって、そういう意味では爆音の応援歌と言えなくもない一曲
頑張れ~という言葉を一切使ってないのに自分らしくありたい、と強く思わされる表現力が見事だと感じる。
個人的にはいつも心が不安定だったりするので、こういう曲を歌を歌ってくれるノーベンバーズが頼もしいです。

おススメの最後の曲は迷ったけど、
やり切れない悲しみを歌う「Close To Me」がやはり大好き
牧歌的でどこか懐かしいメロディとアレンジも聴いてて気持ちが良いし、
とてつもない絶望を歌いつつ、最後に祈りのような心情を託しているのにも聴いてて胸が熱くなる
恐らく、この曲は美しい日本のポップスを睨んでるような曲でこれまた新境地のような一曲になっているかと。










THE NOVEMBERS自体、
独自の音楽を追求して来たバンドで、
これまでのどのアルバムもオルタナティブだと思ってるんですけど、
それらに輪を掛けて独自かつ新鮮で聴く度に発見のようなエッセンスを感じる・・・
得体の知れない要素が多かった分いつまでも掘り下げて聴けるような新作だったなあ、と思います
秋にもライブツアーが控えてるので、そこでまた本作を自分の中でも掘り下げてみたい。
 
色々書きましたが、一言で、大傑作です。そう言いたいですね。