先月の6日にfOULとZAZEN BOYSの対バンを観ました。
去年末、
初めて生のfOULを拝めて以来4ヶ月ぶり、
今年もfOULのライブを観れて光栄でございました。
こうやって当たり前にライブ観ました~って書けてるけど、
去年復活してなかったらこのライブレポだって書けなかった訳で。
そういう意味では、
本当に感謝...
何もかもが当然の様にそこにあるみたいだけど、実際は様々な奇跡の元で存在しているのに触れている。
そんな事をひしひしと感じた春の宴でしたね。では、以下。
■ZAZEN BOYS
SI・GE・KI
COLD BEAT
Fureai
This Is NORANEKO
永遠少女
暗黒屋
ポテトサラダ
杉並の少年
CRAZY DAYS CRAZY FEELING
RIFF MAN
端的に言って、ヤバかった。
完全に持ってかれた。
近年は
復活し(て)たNUMBER GIRLのライブの方に行くのが多かったので、
調べてみたら約10年前LOSTAGEと対バンしたのを観に行ったのが最後で自分でもビックリした。
向井秀徳さんには中学生の頃出会って色々価値観を変えられたのに10年振りっておかしいですね。
まあ、
ナンバガがいつまで活動するか不明瞭だったんでそっちの方に意識がいってたんでしょうね。
ただ、
一曲目に官能的なキラーチューン「SI・GE・KI」という時点でいきなり心掴まれた。
リズミカルな歌と性的な歌詞の世界観に早速刺激を受けたのち、
2曲目・・・の
「COLD BEAT」が痺れるくらいに格好良かった。
いや、
この曲って割と定番曲だと思うんですけど、
10年ぶりに生で聴くとやっぱり「COLD BEAT」みたいな曲って他にないよな。。と
改めて感じたのとあの流れるようなアンサンブルってホント気持ち良いなぁ・・・って骨抜きにされてました
っていうか、もっと言えば、昔観てた時よりも滑らかさが増してた気がして凄味たっぷりでしたね
落語家が同じネタでも表現力を重ねて感動が増す様に、楽曲も磨けば全然変わるのかも。
もう序盤の時点で「やっぱり、ZAZEN(も)すげぇ。」みたいな感想を抱いてたので、
その後もひたすらに小気味良いオリジナルなビートを浴びまくり。
シャウトにも近い向井さんのボーカルが刺激的な「Fureai」、
スペイシーなギターサウンドも実に恍惚的。
更に、
「にゃーにゃにゃにゃにゃー」という向井さんの不思議ボイスが鳴り響く「This Is NORANEKO」と
良い具合に歪んでるバンド演奏含めて独自の作中観でザゼンワールドにお客さんを誘っていく。
ここで、
「永遠少女」という、
恐らくライブで聴いたのは初めてかな?っていう楽曲が登場。
この曲がまた、良かった。特に歌詞が良かった。
「世の中なんてしょうもない~」
「君は探している。」
みたいな...
厭世観がありつつも、それでも何かを求めてしまう生々しい感情の表現が素敵で沁みてました。
こういうストレートに胸に来る楽曲もあるんだなあ、と想うと今のZAZENの良さをまじまじと受けてました。
そして、
緩急の付いた演奏も格好良かった「暗黒屋」
不気味な世界観が時に爆裂する間奏と共に響いてこの曲もまた盛り上がった。
間奏と言えば、間奏が踊れる仕上がりだった哀愁も受けられた「ポテトサラダ」と、
セトリの構成も良くてこの辺も多少トリップするような魅力がありましたね。
性欲を素直に描いているナチュラルな後半の歌詞も好きだった。
そういえば、
10年ぶりに観た~って書いたけど、
その間にベースの方が元BLEACHのMIYAさんに変わってたんですね。
紅一点が居るのはある意味原点回帰だとも言えそうですが、
「杉並の少年」は彼女のベースサウンドが超極太で堪らなく格好良かったですね
なんというか、なりふり構わず爆裂気味で弾いている姿が眩しかった。
MCで、
90年代にfOULのライブをお客さんとして観に行っていた事を向井さんが告白し、
fOULからの影響だったり彼らへのリスペクトを真っ向から表明した後、
大好きな「CRAZY DAYS CRAZY FEELING」を披露!!
この曲では、
向井さん帽子とサングラスを付けてヒップホップスタイルで臨んでてそれもまた面白かったですね笑
独特の向井ラップが絶妙な味を醸し出す中、「頭どんだけ狂っても、生の実感だけは持っとこう」という
ある種のメッセージ性も高らかに響いていて、例えば現実がどれだけ上手く行ってなくても、
天気の良い日に新緑を眺めながら素敵な気分で散歩する~みたいな喜びも忘れない。
だとか、
そういう大切な事を改めて教えてもらった気がした。素晴らしい熱演でした。
最後は、
最高にロックンロールな雰囲気の「RIFF MAN」を叩き付けてライブは終了。
問答無用にカッコよいアンサンブルに時折垣間見せる叙情性のあるギターサウンド、
そしてシンプルに爆音の気持ち良さとそれが醸し出す非日常的な楽しさと.....
何度も10年ぶりにZAZEN観た。って書いてますけど、
ホント「惚れ直した。」という表現が相応しく、
❝また今年中にZAZEN BOYSの公演観に行こう❞と決意させるには十二分のライブでした。
「俺たちがZAZEN BOYSだ。」と言わんばかりの堂々たる終幕に拍手!です。
■fOUL
上記のセトリは、
他のお客さんに許可を頂いて撮影させてもらった(ありがとうございました)。
去年末のサンボマスターとの対バンとはまた違う感じのセトリ。
初っ端から(確か)アカペラ気味に始まり、
オルタナティブでありつつも、
清涼感の様なものも感じさせた「あの入り江に棲むとき」とこちらも序盤から掴みはOK。
それから、メロディアスでもあった「ヨナが呼んでいる」がこれまた良かった。。
聴いていて作中の世界観に没頭出来る感覚はfOULの強みでもあった。
この曲では疾走感も受けれて全然老け込んでないな~と。
ストレートにキモチよい序盤から、
待ってました大好きな「フッサリアーナ」!!
この曲は中学生の夏休みによく聴いてたのもあって聴いていて懐かしくも、
同時に❝あまのじゃく達への応援歌❞みたいにも感じられて今沁みてしまう感じもありましたね。
何回聴いても最後の「麗らかに あらんことを!」の部分で祈りにも似たニュアンスを受けて感動してしまう。
去年も聴いた「ドストエフスキー・グルーヴ」は更にベースサウンドが生々しくて最高だった。
最初期の楽曲、
「Smart Boy Meets Fat Girl」は後期とはまた違う原始的な良さがあってこれもアガりましたね
肉体的なビート感に魅了されつつ、「柊の葉」が・・・これまたスゴかった。
聴いていて凄く独特なものがあったというか、
ま、
fOUL自体がかなり独特なバンドなんですけど。
ただ、その中でも、楽曲の情景描写にも似た光景が視覚化されてしまったような...リアルに見える様な。
そういう❝奇妙なトリップ感❞があってかなり惹き込まれた一幕でした。
そして・・・
この日一番胸に来たのは「dark on you」でした。
さっき、独特なものがあった。という表現をしましたが、
この曲も独特過ぎる楽曲で、
歌が来るまでに
インストの部分が延々と続いて、
でも歌はちょっとだけで終わって、
合間に谷口さんの奇声?みたいなものがあって・・・と
今書いててホント独特だな!って思いましたが(笑
そう、
この曲好き過ぎて昔身内の.....妹とかに聴かせてたんですけど、全く理解して貰えなかった事を思い出しました。
でも、
初めて生で聴いて、
やっぱり大好きだな。って想えた。
歌が始まるまでのアンサンブルもベースが主役の素晴らしくオルタナティヴな音像で、
それに触れている、耳を任せているだけでもゾクゾクするくらいに愉しかったし、
途中の谷口さんの「~っは」みたいな奇声もまた独自性があって痺れる
そこから、
深淵を感じさせる歌が鳴り響き、
「あなたの握っているものは あなたの負い目の結果」という真理を突くフレーズにヤラれる。
っていう、
ある意味ここでしか体験出来ないような悶絶モノの音楽体験をもらって・・・
なんかその意味不明な部分とエモーショナルな部分とのコントラストが大好きなんだな。
正に、
日本のオルタナの神髄に触れた気がして。
この曲を生で聴けるとは思ってなかったのも加味してえらい感銘を受けてしまった一幕でした。
何より、
そこから「IT'S A LONG WAY BACK」に繋ぐ流れが本当にCDそのままだったんで、
その再現性に「Husserliana」を中坊の頃よく聴いてた身としては感動しちゃいましたね。
なんか、こう、苦悩や葛藤してる中でも、もがく事自体を楽しんでるような。
そんな素敵なフィーリングを改めて受けつつ、
向井さんも好きだと言っていた「裁判所の架空の訓示」のえげつない間奏の爆音、
そして冒頭の「ケツからカフェインが出るくらい~」の演説の時点でブチ上がった「Wax&Wane」と
鉄板の流れをぶちかましてライブは終了。
大爆発していたアンサンブル、
情緒も感じさせた谷口さんのボーカリゼイションにも刺激を受けサイコーに楽しい気分でイベントは終了。
アンコールでは谷口さんがクネクネするポージングも印象的だった「向こう三年の通暁者」を
エモーショナルなテンションで叩き付けてたりと最後まで絶好調な夜でした。
組み合わせの妙的にも「正に!」な感じだったこの日のライブ、
新鮮な感動も多く素敵な対バンだったと思います♬
ありがとうございました!!!
そういえば、
今年で渋谷クラブクアトロは35周年みたいですね
今年に入ってから既に5回行ってるんですが、
毎回どのライブも本当にすばらしくて。
有観客ライブが再開されてから一番最初に参ったのもこの場所でしたし、
名実ともに東京のロックシーンを引っ張って来たハコの一つだと感じてますね。
なので、35周年のアニバーサリーイベントにも一回は駆け付けて感慨深い気持ちでライブを観る予定。
この日も、
90年代オルタナシーンの重鎮たちの共演に終始興奮しっぱなしの3時間でした!