サブカルチャーマシンガン

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つしまみれ「人間放棄TOUR~GET CAR SWEET MORE QUEEN SHOWS~」@千葉LOOK 15.11.17

2015-11-18 | LIVE
                                   
昨日はつしまみれのライブを観に地元千葉へ。










つしまみれのライブを観るのは前作「つしまみれ」のツアー初日、同じくここ千葉ルック以来だったんですけど、
一曲目の時点からキレッキレで、ベースがヤバい音出してて「こりゃ凄いな」って素直に感じてしまいました
常に観客を扇動するまりさん、踊るようにベースを弾くやよいさん、超パワフルなドラムを披露するみずえさんと
3人の息、呼吸というかリズムもピッタシであの頃以上に凶悪な3ピースバンドに仕上がってるなあ、と観ていて感じられた公演でした
そもそも新譜「人間放棄」は、


僕はコーティングした人間で
君はコーティングした人間だ
それはコーティングした関係で
やがて崩壊していく関係だ (ニンゲン・コーティング)


やっぱ 人工的ナチュラル (ファ**ファ*ファ)

信じるたびに擦り減る心ならば
もう要らない (昨日、この空の下で)
 


と、凄く冷徹かつ退廃的な作品に仕上がってるんですね
だから、ライブ自体もまるで尖った刃物みたく聴き手をザクザクと切り刻むロックンロールが展開されていて、
まあつしまみれ自体アルバム毎にコンセプトが全く違うバンドだったりするので今後もああいうダークな路線を往くのかは分かりませんが
取り敢えず、新譜の方向性をとことんまで突き詰めた昨日のライブは・・・ヤバかったですね
鳴らしている音にどんだけ日々練習してるかが如実に感じられた気がしたんですけど
観る度に凄まじいロックを鳴らしているこのバンドは本当半端ないな、と
畏怖の念すら抱くようなライブに仕上がってました
今のインディーバンドの中でも相当ヤバい音を鳴らしてるのは間違いなかったです
元々持っている良い意味でのクレイジーさに加え聴いててゾクゾクするような冷徹さが加わり益々鉄の匂いのするバンドになったつしまみれ
このまま誰も追い付けない孤高のガールズバンドとしてこれからも凄い音を鳴らし続けていって欲しいですね
正直今日本のガールズバンドで「人間放棄」みたいな絶望と退廃に振り切った作品を作れるバンドなんてつしまみれくらいでしょう
その上サラッと「真緑」みたいな明るくて希望に溢れたポップソングも演れるし凄く心地が良い、それでいて刺激たっぷりの一夜でした
ツアーファイナルだったんですけど、ファイナルが彼女らの地元でもある千葉っていうのも実に地元愛があってイイですね
最高のツアーファイナルでした。感謝。













キノコホテル

初めて観た。曲はほぼ無知で名前とコンセプトを知ってるくらい
ムーディな歌謡曲タイプの楽曲が多いのかな、と思ったら
メロディックパンク勢と張り合えそうないくらいスピーディでパンキッシュな雰囲気の楽曲が多かったから驚いた
しかもほぼMCなしのノンストップ状態(!)もっとミディアムテンポやバラードの曲が多いならともかく
激しいロックナンバーばかりでノンストップ気味で演り終えるっていうのは正直凄いと思った
MCあっても演奏の中で語る感じなんで無音だった瞬間全然なかったですよ

また、途中ボーカル&ギターが客席に降りて来てギターを弾き倒したり、
合間に美メロのバラッド挟んで来てこれがその時でも後から振り返っても最高にアクセントとして良い演出になってたし
単純に楽曲としても哀愁成分が初めて聴いたのに如実に伝わって来て素晴らしかった
そして後半にメンバー紹介を一切演奏を止めずに挟んで来て会場大盛り上がり!
ただ単にパンキッシュな楽曲を連発しているだけじゃなく、
そういった・・・飽きさせないというか
構成の妙も感じる事が出来て
元々作り込まれたライブをしそう、ってイメージがあったものの、想像以上のプロフェッショナルっぷりで
正直魅入ってしまったというか、この人たちライブに命懸けてんな。ってのが理屈じゃなく伝わって来て凄い良かったですね
元々「良さそう。」ってイメージを持ったまま観に行ったんですけど、あそこまで完成度の高いライブを観られてとても嬉しかったですね
女性の官能的な部分も大いに使って場を盛り上げていたし、それでいてテクニカルな演奏で耳も惹くし・・・と
半端じゃない表現力の高さを感じてしまったライブでした ツーマンですけど、
曲が短いので多分10曲以上演奏してワンマン並みのボリュームでしたし
その中でキノコホテルの世界観を十分に伝え切ったと思うので
千葉の音楽ファンにも間違いなく衝撃を与えたでしょう
っていうのは、普段千葉県でライブする時は大体柏だったそうなので、ルックであの素晴らしいステージを叩き付けた事は意味ある事だと思うし自分も観れて良かった

しかし千葉ルックのレトロで年季の入ったハコにキノコホテルはめちゃくちゃフィットしてしましたね・・・!
マリアンヌ東雲さんの強烈なシャウトに暴力的にキーボードを弾きこなす姿、汗まみれで転がるように歌う姿を観ていて
元来割とお洒落でクールなイメージが無知からするとあったんですが、それとは真逆の激アツのロックバンドだな~って、印象がガラッと変わりました
はっきりいって初見でものめり込めるくらいクオリティの高いライブでした。感謝。



つしまみれ

1.ファ**ファ*ファ
2.JAUGAR
3.じゃあ、何?
4.ハイパースイートパワー
5.あぶくたった
6.昨日、この空の下で
7.ハングアウトだ!
8.おばあちゃんのブラジャー
9.さいあくま
10.PEOPLE
11.はじまりのうた
12.おじいちゃんのおズボン
13.タイムラグ
14.ニンゲン・コーティング

15.真緑
16.脳みそショートケーキ


この日のつしまみれはまるでハードコアバンドか!ってくらい凶悪な音を鳴らしてました
まず一曲目の「ファ**ファ*ファ」の時点で極太のベースサウンドとまりさんの強烈な歌声にノックアウト
元々音源で聴いた時からライブ向けの楽曲だな~、って思ってたけど実際にライブで聴くと飛び跳ね不可避なくらい盛り上がるナンバーですね
ロックの衝動をたっぷり感じつつ、間髪入れずに「JAUGAR」を物凄く冷徹に、新譜の曲?と思うくらいひんやりとした感触で鳴らしていて正直痺れた
みずえさんのテクニカルなドラミングが特に良かった「じゃあ、何?」で新譜の世界観を浸透させつつ、
それまでの激しいロックとは違って多幸感拡がる「ハイパースイートパワー」で一気に温かい空気感に変えたメリハリも見事だった
変な例えかもしんないけど、キンキンに冷えた部屋でポタージュスープか味噌汁飲んでる気分だった(笑

狂気すら感じさせるパフォーマンスで場を爆上げさせた「あぶくたった」、
物寂しい詞世界が聴き手をアンニュイに包み込む「昨日、この空の下で」と全く違ったタイプの曲を並べて来るのも面白い
前者では早くも客席へダイブ!そのまま客席側で観客の頭をワシワシしまくる自由人っぷりが実に痛快でした
聴き手との一体感があった「ハングアウトだ!」も良かったし、
ちょっとイッちゃってるテンションで歌い切った「おばあちゃんのブラジャー」は
ドラムの音の迫力も凄く、シャウトもかましてそのバッキバキのロックンロールに完全にヤられる
これぞロックだ!という雰囲気を十二分に味わえてすこぶる気持ちが良い


個人的に大好きな「さいあくま」、
バラッドなんでまさか演奏してくれるとは思わず正直嬉しかった
どん底を見てきたの~って詞世界にも聴いてて感情移入しちゃってたんですが
後半ハイペースになるところでのまるで戯れるように、踊っているかのように美しく楽器を弾いているメンバーの姿がとっても印象的だった

で、特に凄かったのが「PEOPLE」
音源以上にダークで不穏で、でも凄いガツンと来る踊れる音像にのっけから興奮
キノコホテルのマリアンヌ東雲さんも言ってましたが正に「硬派」って言葉が良く似合う鬼気迫る演奏が凄かった
正直めちゃくちゃ暗いと言えば暗い、闇の中みたいな雰囲気だったんですが、それでもベースがブリブリ鳴ってて普通に踊れちゃうっていう
凄い領域に来てるな・・・とマジに感じつつ
統一されたバンドサウンドにこれまた凄味を感じた「はじまりのうた」
そして「おじいちゃんのおズボン」での鮮烈なシャウトの数々には血沸き肉踊る感触だった
オルタナティブであり、ハードコアでもあり、全く類を見ないバンドだなあ・・・ってまじまじと思いながら
まりさんとやよいさんがお立ち台で二人並んで弾き倒す絵面が最高に格好良かった「タイムラグ」もまた素晴らしかった
勢いたっぷりでありながらえげつない強度を感じさせる演奏は正にベテランの業を感じさせる
「時代錯誤!」って歌詞の後にめちゃくちゃに暴れ回るまりさんの姿は燃えましたね
お客さんにマイクを持たせて歌い弾き叫び倒す姿にもグッと来ながら、
最後は「ニンゲン・コーティング」だったんですが・・・これがまたスゴかった

とてもガールズバンドとは思えないくらいドス黒い音が鳴っていて、
音源でもこの曲はベースが印象的なんですけど、ライブで聴くと超爆音で振り切ってても~う最高としかいいようがない
女性のバンドでこんなにも冷徹で暴力的な音を、それもナチュラルに鳴らせるバンドって本当にいないなあ、って思いながら
なんかもうこの曲は作中の歌詞観からして大好きな一曲なんで、それがもう倍以上のぶっきらぼうさで鳴らされてて実直に興奮しちゃいましたよね
終わり際もみずえさんがいきなりバッと去って、まりさんがその辺にギターをほっぽって出て行く演出が最高に格好良すぎました
その音を止めてないギターの音がノイズのように鳴り響く中、ステージ上に倒れ込むやよいさん
正に全身全霊、フルパワーで弾き倒したんだなあ・・・って感じで観ていて感慨深かった
やよいさん帰る時も一瞬コケそうになったり、そんなフラフラになるほど体力使って演奏してくれたんですよね・・・
正にバンドに人生懸けてる人達の音だわ。って事を強く感じながら激情と激動の本編は終了しました
アルバムが良かったのでそれ相応の期待を持って臨んだツアーファイナルでしたが、
ここまで凶悪な音を鳴らしてくれるとは思わず大収穫の夜でした。
つしまみれ、まだまだヤバくなりそうです。
















アンコールでは、アルバムの中でも一番ポップで聴き心地のいい「真緑」、
やよいさんの健康的に跳ねまわるベースラインがとっても気持ちがいい・・・!と、
みずえさんの超パワフルなドラミングもそうですが本当に“この3人でなきゃ!”ってバンドになってるなあ~っていう事も聴いてて感じてました
この曲はまりさんの歌声も美しくて緑色の照明の美しさも手伝って音源以上に心地良く柔らかい素敵な感触を掴めて実に良かった
最後の最後は代表曲「脳みそショートケーキ」、ここまで来ると完全に極まってて
以前も書いたかも分かんないんですがまるでメンバーがサムライのように見えるくらいの切れ味と硬派感に満ちていました
ドラム台の上でギターを弾き倒すまりさん、一心不乱にベースを弾くやよいさん、そして鬼の形相でドラムを叩くみずえさん・・・と
別にスタイルだったり発言からロックを強調しなくても、正しくロックをやることに邁進してればどんなバンドよりもロックになるんだなあ~って思えて
その“正しさ”が兎角まぶしかったですね
特にガールズバンドはアイドルっぽいのとロックだぜ!みたいな雰囲気のと二極化されがちなんで
そのどちらにも当てはまらないつしまみれのナチュラルっぷりとオルタナっぷりには物凄く頷けますし、いちファンとして頼もしさも感じられましたね。
これからも何にも染まらないつしまみれの音楽に期待しています。勿論、またライブにも行くぞ。




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