先月の21日、APOGEEのワンマンライブを観に行った。
2009年の秋以来に参加したので、
実に13年半ぶり(!)の生APOGEEでした。
2009年って自分がブログを始めた年(レビュー自体はその3年前からアマゾンでやってたけど)で、
その頃観たAPOGEEのライブは本当に素晴らしくて・・・音楽で夢の世界に行けるようなライブやっててね。
そもそもブログ始めたきっかけの一つがライブの感想を書きたいから~だった。というのを、
今書いててふと思い出しましたけど、
そういう意味では、
ライブの世界にどっぷりと引きずり込んでくれた初期のバンドの一つであるAPOGEE
そして、アマゾンレビューを始めた最初期にレビューを投稿したバンドの一つであるAPOGEE
そんな彼らの元に還ってくるのは今思えば必然だったのかもしれません。
ぶっちゃけ、人間って回帰する傾向が誰しもあると思うからね。
素晴らしい再会に拍手が鳴り止まない夜でした。
春に出たばかりのニューアルバム「Sea Gazer」の実質的なレコ発ライブになった今回の公演、
会場は渋谷WWW Xという事でこの会場も去年から結構足を運ばせて頂いてますね
ちょっとダンジョン的な造りが魅力的なハコでございます。
一曲目は、
その新譜のリードトラックである「遠雷」
13年半ぶりの生APOGEEを観て率直に思ったのは永野さんのボーカルの素晴らしさ。
あの声に包まれるだけで堪らない気持ちになりつつ、シャープなバンドサウンドも格好良くて。
そこから、気持ちの良いリズム感で奏でられた「Saihate」、
そして、
そんな永野さんの浮遊感のあるボーカリゼイションの魅力が炸裂していた「Midori」・・・と
序盤から掴みはOK
更に、
観ていて感じたんですが間野さんのドラミングがヤバかったですね。
リズミカルで手数が多く、尚且つグルーヴ感たっぷりで終始聴いてて快感に溢れてました
現在のAPOGEEって昔ほどライブ活動が少なく年に数回か...って感じだと思うんですけど、
「あれ?数十本の全国ツアー回って来ました?」ってレベルの脂のノリ具合がスゴかったですね
一転して、
ノリノリのアッパーチューン「Time To Synchronize」で場をガンガン盛り上げて行く
懐かしい楽曲だけでなく、最新のロックナンバーでも余裕でアゲれますけど?みたいな、
決して色褪せないAPOGEEのタフさを感じた一幕でした
そうそう、
この曲はアウトロの情熱的なギターソロも良くて永野さんギタープレイヤーとしての凄味も魅せ付けていました。
声ですら楽器の一部かのように響かせていた幻想的な「JP」、
音数が少ないのに格好良さを感じさせたのが正にオルタナティブに思えた「Colorless」..と
新譜の世界観を十二分に表現しつつ、
イントロから沸いた00年代のシングル曲「Just a Seeker's Song」は恍惚的でした。
聴いていて、「ああ、そうそう、これこれ!」的な。。
図らずも、
先述した「音楽で夢の世界に行ける」と感じた筆頭がこの楽曲だったように想いますね
また、永野さんの歌が良い。バンドマジックも素敵だけど、この曲は力強い歌声に一番感動しました。
自分の感覚だと結構この曲でガチ感動してる勢が多かった記憶がありますね。
ドリーミーな雰囲気から一転、
ロックンロールに場を染め上げた「Fallin'」と緩急が付いたセトリも抜群。
ちょっと儚げな歌詞に乗せてセッションの要素も感じさせるビートでアゲまくった音像は快感そのものでした。
個人的にAORの匂いを感じた「OUT OF BLUE」にウットリしつつ、
その次の「Lull」では・・・
完全にトリップして音の中でゆらゆらと踊っていました。
シンセの気持ち良さもあるかもだけど、あの❝音に酔える感覚❞は素晴らしかったですね
ちょっと首も振りながら完全にイッっちゃってて新譜の楽曲の中で個人的に一番カタルシス感じてました
そうそう、ライブで更に新曲が化けてくれるこのカンジ・・・!と想起出来て正直嬉しかったです。
スカスカのアンサンブルが逆に気持ち良かった「竜の背」ではミラーボールも回り、
初期の名曲「Program」では捻じれた感じの作中観に酔い痴れ、
そのスケール感に気持ち良く浸っていました。
この曲、
改めて生で聴いてるとメロディ良いし葛藤してる感じも好みだなあ、、、と強く感じたり。
ドラマチックに変化していく歌、そのエモーショナルさ、更に畳み掛けるドラミング!!・・・と
音源でも勿論好きなんですがこの曲もこの日のライブではより化けていた印象。
やっぱり、APOGEEのライブは、こういうのが面白い。
ライブも終盤戦に突入。
力強い肉感的なアンサンブルが刺激的だった「TiDE」、
メロディーラインも気持ち良くてこの曲もかなり仕上がっていました。
そこから、
往年の名曲「アヒル」を情熱的に披露
爆裂するギターサウンドに、かっちょいいシンセソロも光って流石のキラーチューンっぷりでした
ペーソスすらエネルギーに変換するロックの美意識を存分に感じさせつつ、
疾走感溢れる「Losing you」と更に高まっていくテンション。
そして、
この日一番泣きそうになってしまったのが「Heart of Gold」。
この選曲は、ニクい。。
個人的に、
ライブによく通っていた2009年に出たアルバム「夢幻タワー」で最も好きだったのがこの曲だったので、
その意味でも...堪らなかったですね。
美メロを聴かせる前半から、
どんどん狂気的になっていく後半のボーカルの妙。
特に、
「最悪なんて結末知らない」の部分では流石に涙腺が決壊しそうでした
なんだろう、意識の中で必死に足掻いてるのを具現化してるような音像が兎に角凄すぎた。
APOGEEは感覚的なバンドと捉えられてるかもしれませんが、実際はものっそい生々しいバンドだと思う。
深淵のような、だけど、どこか希望に縋っている様な儚い音楽の世界に引きずり込まれて、
そのままハンドマイクで「Grayman」をステージに叩き付けて本編は終了。
この曲では、
永野さんノリノリで踊ったり、
スティックでドラム叩いたり狂騒感たっぷりのノリが気持ち良くて最高に盛り上がってました!!
音楽の力で、別の世界に誘(いざな)う。その唯一無二の魅力は一切変わらない
未だに色褪せないAPOGEEのバンドマジックに乾杯!な一夜でした。
ありがとうございました!!!
遠雷
Saihate
Midori
Time To Synchronize
JP
Colorless
Just a Seeker's Song
Fallin'
OUT OF BLUE
Lull
竜の背
Program
TiDE
アヒル
Losing you
Heart of Gold
Grayman
夜間飛行
Sink/Rise
The Sniper
アンコールでは、
一曲目にデビューシングルだった「夜間飛行」をミラーボールの演出付きで披露。
これが、
また凄かった。。
この曲が名曲なのは重々承知してますけど、
こうやって超久方ぶりに生で聴くと流石に痺れましたわ
とてつもないスケールのサウンドスケープ、
映像が見えるかのような歌詞、
幻想感、
陶酔感・・・ある種芸術的なまでのトリップ感で魅せる音楽的オルガズムに溢れた数分間でした。
正直、❝分かってても圧倒される❞っていうのは「やっぱ凄ぇ!」な、と。
ささくれだったギターフレーズとのギャップも良かった。
音源以上にグイグイ来た「Sink/Rise」、
ダブルアンコールでシリアスに披露された「The Sniper」をもってこの日のライブは完全に終了。
全20曲、新譜の楽曲は全曲披露しつつ、絶妙な選曲の旧曲とのバランス感覚も最高だった。
久方ぶりに参加したライブはこの夜で本当に良かった。そう言い切れる、
新旧のバンドマジックを存分に味わえた会心の一夜でした。
本音云うと、
2009年当時の読者がこの記事を読んでくれてる可能性って相当低いんですが、
それとは関係なく2023年の今でも「APOGEE最高!」ってなれてるのはとっても喜ばしい事だと思いました。
また、是非彼らの公演には足を運びたいので、それまで自分も健康的に生きていたいですね。