先月の22日、カネコアヤノのライブを観にNHKホールに行った。
NHKホールに行ったのは今年2回目でした。
あの美しい会場の雰囲気や音の鳴り、そして伝統ある雰囲気・・・大好きなハコの一つです。
この公演は今年1月に出たアルバム「タオルケットは穏やかな」のホールツアー編であり、
ライブハウスとはまた響き方及びセトリも違うと思うので楽しみにしてました。
尚、
6月は11本ライブに行く~という怒涛の月だったんですが、
この日は4日連続ライブ参加の一日目でした。
もっと言えば、
6月に行ったライブの中で唯一雨が降ってたのがこの日でして、
そういう意味では結構ツイてたなっていうか・・・うん、何気に晴れ男だったかもしれないですね(笑
この日もカネコさんのライブを観た後にしんしんと降る雨はむしろキレイだとも感じたし。
そんな尊い一日の思い出を以下つらつらと語って行こうと思います。
ライブハウス編ではラストを飾っていたアルバムの表題曲「タオルケットは穏やかな」で幕開け。
ホールツアーではセットリストも変わるだろうな。と思ってたのでこれは予想通り。
どっしり感のあるバンド演奏と胸に来る歌唱に早速泣きそうになる。
続く「爛漫」では、
「分かってたまるか」の部分をちょっと不良っぽく?歌っていて聴いていて痺れました。。
煮え滾る様なサビと付随する演奏に心を熱くしながら、
セッション風のイントロを付け足して奏でられた「やさしいギター」を切々と投下。
「不安の形は日々変わり~」というフレーズに思いっ切り感情移入しながら聴く。
音源よりもテンポが速くなってたのも面白かった。
大好きな「眠れない」、
この曲がきっかけで眠れない夜は眠たいと感じるまで無理せず好きに興じる事を覚えたので、
そういう意味では本当に有難い一曲ですね、、、「明日の愛を想像する」というフレーズも好きです。
機材トラブルがあった後、
珍しくカネコアヤノさんがライブ中に喋る。
「こんばんわ~」
(直った後)「やりまーす」程度の短いものでしたが、あれはあれで貴重でしたね(笑
力強いビート感で鳴らした「予感」、
アンセム感たっぷりで希望に似た心情を歌った「燦々」、
まるでお祭りみたいなアレンジが気持ち良かった「サマーバケーション」・・・と
季節色も織り込んだ心地良い流れにウットリしながら鑑賞していました。
シリアスな歌詞にも呼応していた「明け方」、
「焼肉でも食べたい~」みたいな歌詞がギャップ感満載で楽しかった「エメラルド」等、
様々なニュアンスの楽曲がバランス良く繰り出されるので聴いていて素直に楽しかった。
し、
カネコアヤノさんの楽曲からは❝生活❞が滲んでいるなあ。と聴いていてしみじみ感じたりもしたのでした。
なろうと努力しても中々八方美人にはなれない現実があるので、
「海にはなりたくない」とはっきりと歌う「季節の果物」には気持ち救われた気分にもなった。
伸びやかな歌声に古き良き歌謡曲の要素もあるグッド・メロディが重なってこれまた恍惚的な一幕。
ギターリフが陽気で格好良く、虹色の照明もキレイだった「さよーならあなた」、
新加入のベースサウンドが兎角気持ち良かった「ゆくえ」と、
後半も耳が幸福な音像が続いて行く。
ここで、
最新アルバムの最後の楽曲「もしも」が奏でられたんですが、
聴いていて泣いてしまった。
具体的に書くと、
「怖いけど頑張るしかないんだね」の部分で心の琴線に触れてしまって自然と涙が出て来た...感じ
もっと言えばその前の不安がそのまま具現化してる様な歌唱の時点でヤバかったんですが、
どうしようもない現実がただただ突き付けらた件の箇所に触れた時、
涙を抑えられない自分が居た。
でも、
正直泣けて良かった
気持ちに寄り添ってくれる歌に心が救われた様な想いになった。
同時に、歌手の表現力って、否、カネコアヤノの表現力ってやっぱすげぇな。。とも感じましたね
今振り返るとあれはとても良い時間だったし、後半のリバーブ掛かった音波の様な歌唱もスゴかった。
元々音源の時点でも凄味を感じていた楽曲だけど、生で聴くともっともっと凄味があるなぁ、と。
そんなハイライトを経て、楽しかった公演もクライマックスへ。
真っ赤な照明が鮮烈で格好良かった「車窓より」の情熱溢れる歌に魅せられ、
新譜の中でもこれまたお気に入りの「月明り」では、
先ほどの曲とはうって変わって、
一つの小さな照明がぐるぐると回るまるで蛍みたいな演出が素晴らしかった。し、
さざ波の様なドラミング、間奏で爆裂していたアンサンブルもギャップましましで燃えたし、
やっぱり「一番可哀想なのは僕だ。」っていうフレーズを聴いていると強く感情移入してしまう自分が居た。
勿論、正しい/正しくないは別として、そういう気持ちを歌ってくれる事自体が価値があると思った。
大好きな「抱擁」も嬉しかった。
初めて観たカネコアヤノのライブでも感動した曲の一つだったので、
また聴けて良かったしもがくように歌うその姿にもシンパシーを感じてグッと来てました。
「心を守るんだ」というフレーズにいつ聴いても胸打たれてしまう「気分」、
ライブハウスツアーの時よりもアレンジがROCKに進化していてその相様にも興奮しました。
深淵に近い感情が、
熱く熱く奏でられるのはむしろ得心がいくので正統進化って感じ。
メロディアスなサビメロが気持ち良い「こんな日に限って」
この曲もライブアレンジが相当刺激的で格好良くて魅せられて高揚もしたんですが、
そんな熱量を持って最後の最後にまるで火柱みたいに大爆発させたのが「わたしたちへ」でした。
この曲は、凄かった。
歌詞が、
「変わりたい変われない
変わりたい代わりがいない
わたしたち」
というものなんですが、
その成長したい。大きくなりたい。自分を超えたい。そう強く願う気持ちに満ちた言葉たちが、
進む度に鳴らす度に続く度に加速して熱量が肥大化していくバンド演奏と絡まって、
意志自体が具現化してただただそこに居たような・・・
そんなパフォーマンスが兎角見事でした。
カネコさんの一心不乱に掻き鳴らすギターの爆音、
それに呼応する様に全員が激しさを増し加熱していくばかりの強力なアンサンブル。
まるで燃え盛る火柱の様に、
「変わりたい。」
そんな、
普遍的で、
だからこそ何よりも切実な想いを真摯に表現している様なステージには本気で胸が熱くなった。
この曲は応援歌ではなく、ただただ個人の率直な胸の内を歌ってるだけ・・・だと感じるけど、
だからこそ、聴き手にとっても想いを燃やす勇気のかけらみたいな曲として響く。
その圧倒的な表現に充てられて感情が火照ったままライブは終了
どこまでも転がり続けるロックンロールの轟音、
その揺ぎ無い想いを叩き付けた渾身の夜。
ライブハウスツアーとは最初の曲と最後の曲が真逆なのも面白くて大満足でしかなかった名演でした。
バンド・マジックそのもののような鮮烈なフィナーレには何度でも拍手を送りたい。
ありがとうございました!!!!
タオルケットは穏やかな
爛漫
やさしいギター
眠れない
予感
燦々
サマーバケーション
明け方
エメラルド
季節の果物
さよーならあなた
ゆくえ
もしも
車窓より
月明り
抱擁
気分
こんな日に限って
わたしたちへ
そう言えば、
ライブハウスツアーと同じく、
新譜の楽曲を全曲演奏してくれたのも嬉しかったですね
過去曲もガラッと様変わりしていてその毎回セトリがコロコロ変わる感じも好みでした。
そして、
この公演は最初から最後まで着席して観てたんですけど、
そんな風に盛り上がりを排除して歌と演奏だけに集中して観たのも随分久々だった気がする。
これはこれで歌唱に真正面から向き合える印象で個人的には❝アリ❞だな~と。
ライブだけど、コンサートって言い方のが似合う公演だったかも。
若しくはその両方があった、かな。
本当、
毎回カネコさんの公演はイロイロとスゴいので、
またこのツアーには参加したいな!って感じた一夜でした。行けて良かったです。