アンプを作られるのは「電気屋さん」がほとんどです。電気的な知識と回路設計がなければ作れません。「電気屋さん」は回路や作る事に対しては非常に情熱を持ってやられる傾向が多いですが、パーツの吟味やノウハウもオーディオアンプには大切です。
内部配線一つとっても、「何でも良い」的な発想で配線材を選択されたら、そのレベルの「音質」しか出て来ません。配線材(ケーブル)で再生周波数レンジや音数、ヌケやキレ・ノビが決まります。
アンプ内で有ろうと「配線材の特徴」を見極める必要が有ります。低域に重心が有るモノや高域に重心が有るモノ、中域中心のモノ・・・と配線材には再生周波数帯域に特徴が有ります。
「音数」(情報量・分解能)と「エネルギー感」はなかなか両立しません。「音数」はどちらかと云うと「材質」的なもので決まります。「エネルギー感」は配線材の「断面積」が材質よりも効いて来ます。太い線径程エネルギー感が出てくる傾向になります。
質感を揃え「音数」と「エネルギー感」を獲得するには、複数のケーブルを組み合わせると良い結果が得られる事が多いです。
今回WE310Aプリアンプの内部配線は4本組/本のケーブルで配線しています。同軸ケーブルを使っていますので、外部シールドは全て剥ぎ取って使っています。非常に手間がかかっています。
アンプ内配線では、同軸線で芯線のみを使うと「誘導ノイズ」を拾います。その為、外部のシールドを全て取り除いて使わなければなりません。外部シールドの音質は「雑味」が有る事と「焦点がぼけた」音になり易いので、良く聴いてから組み合わせを考えます。ケーブル材によって芯線+外部シールドを一緒に使う事も出来ますが、一般的に「質感の違い」が音質で違和感を覚える原因にもなります。
同軸ケーブルで芯線(+)とシールド(-)で1本のケーブルに作られている例を良く聞きますが、個人的にはあまりお勧めしません。+線と-線の材質や構造が異なる事になります。音の「質感」が違いすぎます。大体において外側シールド線の特性が出て来て「再生周波数帯域」が狭く、偏ったバランスになり易いです。