Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

真空管の球について思う事

2012年08月24日 | ピュアオーディオ

今までにムラード EL34、GEC KT88、GE6550A,GEC KT66,ムラード 6L6G、STC CV1947、WE300B、RCA 211、WE101D等の球を使って来て感じている事がある。

出力を稼ぐためにビーム管(6CA7、KT88,KT66等)が1960年代以降使われ出して、20Wや時には100W超のハイパワーアンプが誕生し、Tr型アンプと変わらないドライブ能力を得てきたと思う。しかし、このビーム管は「大量生産」に近いプロダクトで生み出されていると感じている。

パワーアンプの出力管だけを今まで上げてきたが、初段管や次段管、整流管も含めて考えると、三極管時代のものが音の厚みが大きいように思う。もちろん回路や使うパーツ、製作者によって大きく変わる部分では有る。

出力は取れないけれど三極管を使った「音質」は現在のビーム管やTr型アンプでは作り出せない「音の風情」が有る。出力が5W以下では高能率SPでないと使えないという弱点もあるが、私の場合、SPが高能率すぎて「ビーム管やTr型アンプ」が使えないと云う事情がある。

以前雑誌でも、長年オーディオをやってこられた方が「三極管アンプが良い」と言われていたのを思い出した。当時(1970年代)はJBLのモニターやタンノイ アーデンを使っていたので5W以下のアンプ等には目もくれずにマッキンのMC2500やアキュフェーズのM-60,100等を追っかけていたように思う。

高能率SPを使うようになって「管球アンプ」の深みに嵌った様に思う。特に「純三極管」といわれる古典管の世界を知るようになって来て、今までのオーディオ感が一新されて来ました。一新というよりは「先祖帰り」になるかも知れません。こう云う人間は一部の少数派かも知れません。

高能率SPと三極管アンプの世界は「漂うような、香るような音の表現」が魅力です。「音の厚みが分厚く、音の一粒一粒が輝いて、漂うように包み込んでくれる」こんな世界を目指しています。