■金銭授受疑惑が報じられている甘利大臣が平成28年1月28日午後5時から記者会見し、自らの疑惑に係る事実関係等について説明しました。「寄付として秘書に適切に処理するように」と指示したものの、業者から計100万円が渡ったことを認め、「秘書に責任転嫁できない。閣僚の職を辞する」と辞意表明したあと、いよいよ海千山千のマスコミ記者らとの質疑応答が始まりました。
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質疑応答
司会:それでは質疑に移ります。挙手の上、社名、氏名をおっしゃられてからご質問をお願いいたします。
テレビ朝日:テレビ朝日のトミカワと申します。大臣、先ほど説明の中で、大臣室と大和事務所で会ったのが平成25年の11月14日と、26年の2月1日とおっしゃいましたけれども、A秘書がその前に500万円を受け取ったときというのが、平成25年の8月20日です。ということは、それよりも前になるわけですね。そのA秘書が500万円を受け取ったということを知っていて、大臣室でS社と会うことになったのか、もしくは500万円は知らないけれども、S社から相談を受けているということを知った上で大臣室で会ったんでしょうか。
あともう1つ、そしてその100万円と400万円の領収書についてなんですが、400万円の領収書を発行して、総務担当者が処分したという話でしたけれども、甘利さんの事務所のほうでその領収書の控えというのはないんでしょうか。この2点、お願いします。
甘利:500万円含め、この一連の接待も含めて、不覚ですけれども週刊誌報道が出て初めて知りました。まったく事情が分かりません。東京事務所に来られたのも、後援会に入ってくださる方が表敬しますからと言われてお受けしたということだけです。そこでは確かに、一生懸命先生を応援していきますよ、みたいなことしか言われてませんでした。
テレビ朝日:千葉の甘山会を立ち上げるに当たってという(聞き取れず)。
甘利:甘山会って、甘山会は1個しかないんですが、1個の人たちが、こっち側の人たちが集まって懇親会つくったり、こっちの人が集まってつくったりして、そこで通称で懇親会をそう、みんな呼んでらっしゃるんですね。で、そのお会いしたのは大臣室が初めてだと思います、11月14日。
テレビ朝日:領収書の控えについてはいかがでしょうか。
甘利:いや、まったく分かりません。
朝日新聞:朝日新聞の(聞き取れず)。現金の授受のとこをちょっと聞きたいんですけども、14日のほうは菓子折りを、これは虎屋のようかんっていうふうに報道されてたんですけど。
甘利:ようかんかどうか分かりませんが、大きい袋、もらったときちょっと重かったのはなんとなく覚えてます。
朝日新聞:そうすると、受け取ったときには現金が入ってるってことは認識はなかったという。
甘利:分かんなかったですね。たぶん、中に入ってて、それで置いて、で、秘書にお菓子もらったよって言って渡して、秘書がかなり立派だったらしい、大きいのし袋みたいな、祝儀袋みたいのが入ってたと。とにかく、大臣祝いとか、大臣祝いっつったって1年ぐらいたってんですけども、初めて大臣室に来られるんでなんか、秘書かなんか言ってたような気がします。それで、じゃあ、会社からの政治献金ということでちゃんと処理してねっていうことで言った記憶があります。
朝日新聞:もう1つ、2月の2日辺り、1日のほうなんですけども、こちらのほうは現金を受け取ったという認識はあったんですか。
甘利:来られる前に、私、秘書に来客が入ってるときに、知らない人でなんでもかんでも会わせるなと言ってるもんですから、清島、A秘書にもかなり、いきなり連れてきて、あとで私がなんのために、なんの要件でこの人来たのか分かんないことがあるので、ちゃんと確認しろって言ったときに、確か、ちょうど大臣室のあと、舌がん騒ぎになります。11月14日ですから、中旬から下旬でうちの公設秘書にだけ最初に言って、かなり深刻な状態で、もんもんとしていたまま、あの前、フロマンとやった12月1日の前に、もうがんって分かるわけなんです。だから、あのときのあの交渉は私は、これが政治家最後の交渉と思ってやりましたですね。
朝日新聞:その秘書は300万円を、要は費消しちゃったということになりますと、横領ということになると思うんですけども、これの辺の処理についてはどう、(聞き取れず)。
甘利:もうそれは、まずどうやった形で返せるのかですね。政治資金規正法上は入ってない金をお返しすることになるので、返しますけど、全部返しますけども、それは選管と相談するように指示してます。とにかく地元で何が起きているかがまったく分からない。で、そういう付き合いで、何回もフィリピンパブとか報道されてますけども、まったく不覚ですけども知りませんでした。とにかく、地元を放りっぱなしにしちゃったという、つけが回ってきたということでしょうか。
朝日新聞:調査の結果次第、じゃあ結果を(聞き取れず)刑事的な告訴を考えると。
甘利:東京地検の人に、これ私、誰だか知らんですよ、接触できませんから、知りませんから、特捜の人、経験者に全部調べてもらってます。それの報告です、今日は。してますから、それをずっとやってもらうと。これ結構時間かかると思いますけど。
朝日新聞:すいません、あと1点だけ、政治記者として聞くんですけども、大臣が辞任を考えられたのはいつごろで、それで総理にお話ししたのは、先ほどお話がありましたけども、いつごろなのかっていうことをもうちょっと詳細に教えてもらえますか。
甘利:最初は、地元のところに記者さんが来てると、週刊誌の記者。誰、来てんのって言ったら、週刊ブンゲイって来たんですよ。だから、訳分かんない週刊誌かなと思って、そのまま、なんか変なスキャンダルなんだろうと思って無視していっちゃったんですよ。それ以降、時系列ある? もうとにかくほとんど国政、頭いっぱいっていうのでやってましたから、もう完全に放りっぱなしだったですから。今の話っていつの話だったっけ。
朝日新聞:1月16日。
甘利:1月16日に、私の地元の自宅に、話し掛けられましたから、聞いたことがない、そしたら秘書が聞き違いで、『週刊文春』だったっていう。週刊ブンゲイとか言われたので訳の分かんないやつに会うつもりねえっていうんで。それが最初で。それから、17日、翌日の夜にA秘書から取材の依頼が来ているということを電話で報告受けました。とにかく事実関係、確認しろと。
それから、19日の午後に私から官房長官、総理に取材を受けてることについて報告をしたと。それから記事になって。それで今日、辞任するっていうのは、もう総理にはここに入るそれこそ直前です。慰留はされましたけれども、私の性格をご存じですからしょうがないと。
司会:(聞き取れず)オカダさん、お願いします。
フジテレビ:大臣、フジテレビのオカダです。常々大臣は、周りのスタッフの人たちを非常に信頼していらしてたと思うんですが、愕然となさったということで、(聞き取れず)お気持ちだったと思います。ただ、そういった中で、今後どのように自分の地元を立て直していくという(聞き取れず)お考えなのかなと。
甘利:これは目を光らせるし、秘書をもう考えています。そこが目を光らせると。この事務所長って真面目が取りえなんです、人が良くて。だけど、すごく線が細くて、もう完全に取り込まれちゃうっていうことなんですね。だから、真面目な人が取り込まれちゃうと、もう全部信じちゃうということで。ですから、いろんな会に連れてくるようになっちゃったんですね。もうどんどん潜り込んで来られましたから。それで気が付いたら熱烈な支持者ではなかったと。
フジテレビ:もう1点なんですが、FNS、フジテレビが入手した写真で、去年の夏ごろと思われる、大臣室で告発記事を出した人たちとのお写真っていうのがあったんですが、これはどういった。
甘利:あれ、地元に聞いてみたんですが、ほかの用事じゃなくて、セミナーやるんです、勉強家いでいろんな講師が来て、会費1,000円ぐらいでやって、勉強して、将来の市会議員を目指そうとかいうのをやって、そこからも議員も出てるんですけども、そこに潜り込んでこられて、そこの一行が、30人ぐらいかバスで来たときに、もう時間がないですから、順番に順番にどんどんベルトコンベヤーみたいに流して、私が座ってて、ぱっと後ろへ入ってまた抜けてという、そういう写真撮りの中の1シーンだそうです。
フジテレビ:ということは、特に個別で(聞き取れず)ではなく。
甘利:ないです、全然ないです。流れ作業で。
フジテレビ:たくさんいらした中の。
甘利:ええ。30人か何十人か来た中で、はい、5人ずつ並んで、5人ずつって入れ替わって、ぐるぐる、後ろ通って、はい、こっち、はい、こっちって、もうやる撮影会です。国会見学とかだと、それじゃないと全然間に合わないんで。
フジテレビ:じゃあ、国会見学の際は割とよく(聞き取れず)。
甘利:ええ。
司会:マイク回して。
読売新聞:読売新聞のコンドウといいます。秘書が勝手に費消したという300万円、これは300万円、かなり多額ですけれども、何に費消したんでしょうか。それから、かなりの回数、接待を受けたということですけど、それはいくら分で、どんな接待を受けたんでしょうか。
甘利:これはもう私がいろいろ、最初はびっくりして、おまえ何やったんだ、こうやったんだって言ってますけど、私が言ったって本当のこと言わないですよ、私によく思われたいと思うから。そこで私と無関係な第三者の弁護士さんを、うちの事務所とも関係ない人を頼んで、どういう人なのか私は知りませんけども、その人が1人1人聴取してる中で出てきたんで、なんか県連のパーティー券で(聞き取れず)処理しきれないものをそれでやったりとかなんとか、そういう話だったみたいですけども。ここは私が聴取してませんから、正確な話はこれから東京地検の弁護士さんが報告書を全部作ると思います。
読売新聞:つまり私用で使ったわけではないっていうことですか、300万は。
甘利:私用もあるんでしょうね。私用もあるし、県連パーティー、みんな割り振って秘書が売るんですけども、残っちゃう分があるんですね。それをなんとか引き受けてたとかいう話も聞いた、側聞してますけども。
読売新聞:あともう1つ、50万円を大臣室にのし袋で、受け取った件ですけども、社長とその担当者がいなくなってから確認したら50万円だったってことですか。
甘利:いや、そのまま大臣室に来られて、みんな帰ると、私、袋のまま大臣室で食べてってよく渡すんですよ。別な秘書にですね。で、秘書に渡して、秘書が持って帰ってどのくらいしたか忘れましたけども、のし袋入ってますよって言うから、ああ、そうっつって、そういえばお祝いに来るとかなんとかに来るっていう話が事前にあったんで、じゃあその正式に処理しといてという話をしました。
読売新聞:要は、何も言わずに置いてったってことだと思うんですけども。
甘利:いやいや、大臣どうぞ。
読売新聞:こういうことはあり得るんですかね。
甘利:いや、大臣どうぞこれ、みたいな。お土産です、みたいな感じで。大臣どうぞという感じで。これ、お祝い金ですって、お金ですっていうのは言わなかったと思うんですね。
司会:じゃあ、(聞き取れず)ヨネカワさん、お願いします。
読売新聞:すいません、読売新聞ヨネカワです。けじめのつけ方のタイミングについて伺いたいんですけども、(聞き取れず)秘書の方の調査結果待ってるんですけども、繰り返しになるんですけども、今日のタイミングでけじめをつけられた理由っていうのはどこにあったんでしょうか。
甘利:事務所の責任者、監督すべき責任者が報道されてる一番大きい部分について関わってたと報告を受けたもんですから。それから、もう1人の秘書は、いろいろ報告があるのは、そのたび、その都度、一色氏と一緒に飲食で回ってたと、この2人がということで、それで2人から辞表が出ました、申し訳ないということで。それ以外の秘書ってまったく聴取してもらった限り関知してないんですね、関与してないんです。一方が責任者であるということと、それから、これから審議が始まると。しかし動かないと。それからTPPが始まると。もろもろ、これこれ政治資金は第三者に確認してもらって、ちゃんと処理されてましたといって、じゃあ、分かりましたと、はい、はいといくかということを考えて、私は安倍政権を支える役ですから、安倍政権を支える役が安倍政権の障害になることは忍びないと。
読売新聞:あとの秘書の方の調査結果はだいたいいつごろをめどに出したいとお思いですか。
甘利:これは、なんとかパブとか、もうあっちこっち行ってるんで。これ、全部調べるのはどのくらいかかるか、ちょっと今はなんとも言えません。だから今回の私の件も、皆さんはなんでそんな簡単なことをこんなに待たせるんだって思われたと思うんです。でも、これ報告されたら、それじゃあこのくらいかかるなっていうのをお分かりいただけたと思うんですよ。第三者入れて、弁護士さんに、われわれが知らない三者できちっと調べてくださる方。その人が、私の知らない人が1つ1つ聴取してったんですから、面接してですね。で、領収書も全部調べて、帳簿から調べてですね。だから、このくらいは、もう相当早いほうだと思いますけど。
読売新聞:確認なんですけども、閣僚は辞任されるということですけども、議員活動は続けていかれるということでよろしいですか。
甘利:一からやり直します。
司会:(聞き取れず)さん、お願いします。
フジテレビ:フジテレビのワダ(聞き取れず)。甘利さんが当選1期のときから取材をさせていただいてる者からしますと、今回、こういう閣僚辞任という結論を出されたのは、政治理念ですとか、政治信条を見てきた者からしますと、当然の結論を出されてたんだと思います。ただ、そのベテランの甘利さんであるからこそ、違う観点から1つ、お伺いをいたします。
政治家のところへ、事実関係が違っていたら教えてください。支援者という形である人間が近づいてきたと。支援も受けたと。そういう中で、その支援者と称する人間が徹底的にメモや録音をしていたと。あるとき、手のひらを返すように、徹底的に、それは敵というんでしょうか、敵対的な動きに移ったということは、これからもおそらく政治の場面で、私あまり今までこれだけ執拗(聞き取れず)なことというのは、いい悪いは別にして、取材で経験したことはないんですが、これからもありうると思うんです。
そのときに、例えば与野党関係なく政治家の選挙活動、あるいは日々の政治活動に、いい悪いでなく、なにがしかの影響は出るんだと思うんです。甘利議員ご自身は、現在、そうしたことについてご自身の辞任ということではなくて、そうしたことについてどのようなご感想、あるいは問題意識を持たれたのか、今後のためという観点からお伺いをしたいと思います。
甘利:私、これ、どの時点でどうすればこういう事案は避けられるのかってことをずっと考えてたんですけども、まず政治家の事務所って、いい人だけ付き合っているだけじゃあ選挙、落ちちゃうんですね、小選挙区だから。かなり間口を広げて、来る者は拒まずってしないと当選しないんです、残念ながら。その中でぎりぎりどう選別していくかと。だから問題ある人と写真がいっぱい出ますけども、そんなの誰も避けられません。パーティーで写真撮ってくれっていって、どなたですかって、あなたと撮りませんよなんか全体言えませんから。写真が出るのはけしからんとかいうのは防ぎようはないです。誰でも防ぎようはないです。よっぽど、もう社会に知られてる、反社会の代表みたいな人だったら、あの人危ないって分かるでしょうけども、避けられないですね。
ただ、やっぱりなんと言うか、企業であればその企業がどういう会社かっていうのを徹底的に調べておくことが大事なんですね。うちも実はそうさせてるんです、甘山会のメンバーに入るときにはどういう企業かっていうんで、選挙区内なら分かりますけど、選挙区外だったらそこの選挙区の代議士に問い合わせするとかやらせてんですけども、これが甘かったんですね。代議士事務所への問い合わせじゃなかったんですね。
だから、最初のスクリーニングが間違っているのと、それからものすごく執拗なうまいアプローチをします。最初は何もしないで、たびたび寄って、近くまで来ましたからっつっていって、それを何回も続けてお茶ぐらい飲みませんかっていって、飯食いましょうよっつって、もう完全に信用して、どんどん。だから桜を見る会にもこの人熱心だから連れていきましょうとか、やれ、勉強会でいろいろ将来の政治、勉強したいっていうから参加させてあげましょうとか、どんどんそうなってっちゃうんですね。
だから、これを完璧に防ぐっていうのは非常に難しいんですけども、ただ、やっぱり、そうですね、飲みに誘われたり、これだけ頻繁っていうのは、週刊誌報道が報じてるのが事実だとしたらですよ、それはちょっと異常ですから、そこの時点で警戒心を働かせなきゃあ、秘書の自覚としておかしいんですね。そういう相互的にいろいろチェックする事務所のシステムが必要なんじゃないかなと。だからメンバーに登録する際にはちゃんとスクリーニングをするということと、それから事務所、付き合ってる人間は、相互チェックするということからですね。
フジテレビ:そうすると(聞き取れず)、今おっしゃったように、反省の弁なんですが、事務所が完璧に管理をできていれば、今回のようなことは絶対に起こらないんでしょうか。
甘利:ないと思います。
フジテレビ:もう1回。
甘利:完璧にっていうのは、相手がいかに上手にっていうことと関わってくると思いますけど、100%完璧にっていうのはなかなか言い切れませんけども、基本的なことですね。業者と秘書が食事に誘われたときには必ず届け出るとか、事務所にですね。そういうチェックをして、この秘書はこの、と行ってるなといったらちょっと要注意とか、そういうの分かるようにしていくことしかないですね、やっぱり。
フジテレビ:分かりました。お調べになった部分と、報道と違う部分の扱いなんですが、例えば法的な措置を取られたり、記事訂正を求めたりということは今後されるお考えでしょうか、最後の質問。
甘利:S社の方がいろいろ電話でおっしゃってきてます。今日ご紹介したのはごくごく一部です。なぜこれだけ正確にてにをはまで言えるかっていうことはお察しをいただきたいと思いますが、それを分析してどうするかですね。
司会:そちらの。マイク回していただけますでしょうか。
デモクラTV:デモクラテレビのヤマダ(聞き取れず)と申します。ちょっと甘利さんの言われた言葉で分からないことがあるんで伺いたいと思うんですが、適切に処理してくれと伝えたと、これどういう意味ですか。
甘利:政治家が適切に処理をしてくれっていうのは、政治資金規正法にのっとって処理をしろっていうことです。
デモクラTV:ということですね。先ほど、一番最初聞いたときに、もらった菓子袋になんか重いものとのし袋が入ってたと。
甘利:それは秘書から言われた。
デモクラTV:でも、手渡され、置いてったわけですか。
甘利:ええ。手渡されて置いたと記憶してます。
デモクラTV:そのときにのし袋は確認してんですよね。
甘利:いやいや、してないですよ。
デモクラTV:してないんですか。
甘利:ええ。基本的に、もらったもの、こうやって見るってあんまりされないと思うんですよ。ね。
デモクラTV:そのときはのし袋があったことも確認しなかったわけですか。
甘利:もう記憶はないです。
デモクラTV:なんか向こうの人はこうやって入れたって言ってんのに、甘利さんは見もしなかった。
甘利:でも普通、初めてのお客さんですよ。持ってこられてお客さんの前で開けて、こうやってこうします?
デモクラTV:そうですか、分かりました。
甘利:しますか。
デモクラTV:2度目のときはどうでした。
甘利:2度目のときは、袋と一緒にこう出されたような気がするんです。ただ、開けてないですから中が何かは分かりませんけど、ただ、そういう封筒ですから、それで、来られるときに快気祝いと大臣室訪問祝いに来られますと言われてましたから。
デモクラTV:だけど、1回目で現金もらったわけですよね。だったら2回目来たときに現金入ってるって思わなかったんですか。
甘利:いや、思わないじゃなくて、確認を、中見て確認はしてないということです。だから、たぶんそうだろうと思ったからちゃんと処理しとけって指示したんです。
デモクラTV:ちゃんと処理しとけということは、現金があるという、そういう疑いがあるという認識があったということですね。
甘利:だってお祝いに来られますと。快気祝い、私、がんから克服して一月以内でしたから。で、お話も詳しく覚えてないんですけども、だんだん思い出してきたのは、がんから回復されて良かったですねとか、先生は日本に、大臣は日本にとってはこれからどんどん働いてもらわなきゃなんないから、これからもっともっと頑張ってくださいとか、そういう話されましたから。
デモクラTV:じゃあ、きっとお金があるって分かったわけだ。
甘利:いやいや、そう出されたからですね。
デモクラTV:割と、無防備にもらってるんですけども、甘利さん、そうやって事務所に来て袋置いてく人はしょっちゅう現金置いてくんですか。
甘利:そんなことはないですよ。そんなのはないけども、来られる趣旨は大臣室の訪問、それが訪問したあとすぐがんになっちゃったんですけども、訪問のお礼と、そしてがんと闘って生還されたから、その快気祝いということで来られますよと、事前に聞いてましたから。
デモクラTV:でも、最初現金持ってきて、次も来て、それであとで調べたらば3期連続赤字の変な企業だったと。そんな人から無防備にお金もらうことはよくあるんですか。
甘利:いや、そうじゃなく。
デモクラTV:今回だけが特別ですか。
甘利:そうじゃなくて、まあ特別です。最初、熱心な支援者で、千葉に会員になってくれる人みんなやりますからということを、どんどん増やしますからということをおっしゃっていたんですよ、来られたときに。これからどんどん応援していきますからと。そういうお話だったです。
デモクラTV:政治家は適切に処理しろというのが、政治資金報告書に基づいてやれということだからと。
甘利:そうです。
デモクラTV:今、おっしゃいましたけど、そうやって適切に処理しなさいという、物もらって適切に処理しなさいっていうことはよくあるんですか。
甘利:それは政治献金でと、基本的に企業献金をする、企業献金をしてくださる方は企業の後援会ですか、個人とか、甘山会っていうのは個人とか企業の献金を毎月会費として払っていただいたり、パーティー券を買っていただいたりする会ですから、普通の票を集めてなんとかするって会じゃなくて、経済的に応援するっていう人が集まる会ですから、それは。
デモクラTV:そういう人はよくお金くれるんですか。
甘利:それは会費をくださったり、それはもう会社の経営状態にもよるでしょうけども、そういう応援する人の会ですから。
デモクラTV:返しなさいという選択、なかったんですか。適切に処理しなさいもいいですよ。だけど、その前に、最初のときに50万入ってたわけでしょう。だったら次に持ってきて金がありますよったら、そんなの返しなさいっていうことは考えなかったんですか。
甘利:いや、それはだって会社に余裕がある方が持ってこられるんでしょうけども、そのときに、持ってこられるたんびに何期連続赤字だとかなんかは、いちいち調べないですよ。
デモクラTV:だけど、最初50万で、次だっていくらって報告あったんでしょう、お金が入ってました、いくらって言うわけでしょう。
甘利:いやいや、そこの金額の報告は私にはないです。
デモクラTV:じゃあ、金額も言わないでお金でした、じゃあ、適切に処理しなさいという言い方だったんですか。
甘利:政治家はお金が来たら自分で出してこんなことやったりとか、そういうことやりません。基本的に受けるのも秘書が受けておいてくれるとか、そうやってわれわれは極力触りたくないんですよ。
デモクラTV:ですから、秘書が50万円ありましたって言ったら返しなさいという選択がなかったんですか。
甘利:それ返しなさいって、どういう基準で返すんですか。
デモクラTV:違う、それはあなたが決めることですよ。だから、あなたの中に返すという基準はなかったのかということを聞いてるんです。
甘利:それはおかしな会社と分かっていれば返しなさいと言いますよ。
デモクラTV:でも、おかしな会社じゃないと思ったんですか。だって、さっき3期連続赤字の会社で、これはとてもじゃない。
甘利:いや、それはあとで調べて分かったんです。
デモクラTV:そのときには全然知らなかったわけ?
甘利:そうです。この事件が起きて、それで初めて分かったわけです。
デモクラTV:それはちょっと不用心じゃありませんか。
甘利:いや、じゃあ、聞いてください、各後援会の人に。
デモクラTV:分かりました。
甘利:何期連続赤字か、ずっと事業報告みたいなことをやられるのか、どうぞ聞いてください、いろんな人に。
デモクラTV:でも、秘書の人が無防備だったって盛んにさっきおっしゃって、こんな秘書じゃなきゃあ、もっと。
甘利:いや、無防備だっていうのは、しょっちゅういろんなとこへ連れていかれて、ずるずる入っていくというのが無防備っていうことです。
デモクラTV:甘利さん自身、無防備だったと思いませんか。
甘利:それは私の不徳です。地元の事務所に対して、だから自分の不徳と言ってるんです。この3年間、私は国政、国務に命懸けでやりました。それはお認めいただけると思います。その間、地元の事務所のミーティングに3年間一度もできることができませんでした。大臣職に邁進をしておりまして、任せっきりというか、事務所は事務所のスタッフに任せて放りっきりと言ったほうがいいかもしれません。そこはもっとしっかり目を光らせてくれる秘書をばんっと据えておかなければいけないということだったと思います。
デモクラTV:私も。
司会:あとの日程もございますんで、短くお願いします。
デモクラTV:TPP。
男性:長いよ。本当に長いよ。
デモクラTV:最後に一言。
司会:ほかに手上がってますので。
デモクラTV:TPPの交渉を見て、甘利さんの活躍はよく存じ上げてます。
甘利:ありがとうございます。
デモクラTV:アメリカとの信頼関係を築いていろいろ交渉してると思うんですが、その政治家がこういうことでつまずいて、こうやって辞任する。そういうことっていうのはご自身、どういうふうに、単に不徳の問題じゃなくて、日本全体とか、政治家としてどういうふうにお考えになりますか。最後に一言よろしくお願いします。
甘利:忸怩たる思いです。
日本経済新聞:日本経済新聞のシムラ(聞き取れず)です。今、TPPの話が出ましたが、あらためましてTPPの署名式までもう少しというタイミングでの辞任になりましたが、これまでのTPP交渉等を振り返って、どういったお気持ちでこの記者会見に臨まれたんでしょうか。お聞かせください。
甘利:正直言えば、署名式は出たかったですね。
司会:あとの日程もございますので、この辺で終了したいと思います。それでは会見、終了させていただきます。どうもありがとうございました。
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■甘利大臣による1時間12分あまりの大熱演の記者会見発表に内容について、マスコミ各社がいろいろな観点から分析を加えています。ここでは、この記者発表内容について、1月31日に告発者からの取材を取り付けた朝日新聞の2月1日付の記事を見てみましょう。
**********朝日新聞デジタル2016年2月1日05時13分
甘利氏会見と食い違い、「告発者」が証言 現金授受問題
甘利明・前経済再生相の現金授受問題で、現金などを渡した建設会社の総務担当者が31日、朝日新聞の取材に応じた。甘利氏が会見で説明した計600万円の授受以外に、900万円超を秘書に渡していたことを証言した。甘利氏自身の現金授受をめぐっても、「道路建設の補償交渉のお礼」と述べるなど、趣旨や状況に食い違いをみせている。
■大臣室での50万円「甘利氏、ポケットに」
総務担当者は一色武氏(62)。千葉県白井市の建設会社と独立行政法人都市再生機構(UR)との道路建設の補償交渉を担った。一色氏は、甘利氏側から受け取った領収書や秘書らと面会した際に記したメモなどを示しながら、授受の状況を説明した。
甘利氏は28日の記者会見で、50万円ずつ計100万円の受領は認めている。一方で、授受の状況や認識は一色氏の主張と異なる。
一色氏は2013年11月に甘利氏が大臣室で受け取った現金50万円について、「甘利氏が(現金入りの封筒を)スーツの内ポケットに入れたのは事実だ」と強調。「URの件でのお礼の意味で」面会を求め、秘書から事前に「50万円は必要です、と言われた」と語った。甘利氏は会見で「政治家以前に人間としての品格を疑われる行為だ」として、ポケットに入れたことは否定している。
14年2月に神奈川県大和市の地元事務所で甘利氏に渡した50万円について、一色氏は建設会社とURとの交渉を進めてもらう趣旨だとした上で、「甘利氏は『これはパーティー券にしようね』と私の前で言った」と主張。甘利氏は「(13年11月の)大臣室訪問のお礼と政治活動への応援の趣旨だと思って受け取った」としている。
記者は、甘利氏との授受の際のやり取りの録音について確認を求めた。一色氏は「(甘利氏が授受を)認めなければ出す準備はしていたが、認めている以上、出さない方がいいと思う」と述べた。
■14~15年、ほかに900万円超提供か
2014年11月20日に秘書が100万円を受け取ったと指摘される授受について、甘利氏の会見で説明はなかった。
一色氏は、秘書から「(翌月投開票の衆院選の)選挙資金が足りない」と3日前に求められ、建設会社から50万円、一色氏から50万円を現金で神奈川県平塚市の居酒屋で渡したと証言した。秘書は一色氏からの50万円について10万円をダルマ代、20万円を祈禱(きとう)料などと使途を説明したという。
建設会社からの50万円は甘利氏の自民党支部の政治資金収支報告書に記載があるが、一色氏からの50万円は記載がない。甘利氏の選挙運動費用の収支報告書にもなかった。
また、それまで政治献金として処理された分は、甘利氏の政治団体名で領収書を受け取ったというが、この50万円で秘書が作った領収書は「甘利明事務所」名だったという。
一色氏は15年もURとの交渉に関して秘書と会うたびに、現金15万円を53回渡したと主張する。いずれも秘書は領収書を作らなかったという。15年6月と11月に開かれた甘利氏の政治資金パーティーの券も20万円ずつ計40万円分購入したという。
甘利氏は会見で、13~14年に建設会社から得た3回計600万円について説明。ほかに「秘書2人が飲食や金銭授受などの接待を多数回受けた事実は認めている」と述べたが、詳しい解明は弁護士による調査に委ねるとした。
一色氏の証言や証拠資料が事実とすれば、建設会社や一色氏は、甘利氏が説明した3回600万円以外に14~15年に少なくとも900万円超を甘利氏側に提供したことになる。
■交渉を記録「万一に備えて」
一色氏の「告発」は最初に1月21日発売の週刊文春に掲載された。一色氏は情報提供した理由について、「(お金を払ったのに)甘利氏の秘書がやるべきことをしていないことが分かったから」と語った。
建設会社の依頼を受けてURとの交渉を担った理由を「千葉県やURが建設会社や社長に、差別的な文書を作成したため」と説明。自身が右翼団体の元構成員だったと明かしつつ、「右翼活動は思想的なもの。行政にたかるつもりは一切なかった」と話す。
自民党幹部らは、一色氏が甘利氏側との接触を詳細に記録していたことから「わなを仕掛けられた感がある」と指摘した。
一色氏は行政などと交渉する時も音声を隠し録(ど)りするという。「聞いている、聞いていないと後で言われるのは嫌なので、万が一に備えている」と、告発を前提にした行為ではないと主張した。(中村信義、小寺陽一郎)
↑甘利氏の政治団体の収支報告書に記載がない50万円の現金授受で、甘利氏の秘書が手渡したとされる領収書。発行者が政治団体ではなく「甘利明事務所」となっていた=朝日新聞デジタルより。↑
↑甘利明氏側に現金を渡した建設会社がURとトラブルになっていた土地=1月28日、千葉県白井市、朝日新聞デジタルより。↑
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■特捜部、UR職員ら聴取へ
甘利明・前経済再生相をめぐる現金授受問題に関連して、東京地検特捜部は今後、独立行政法人都市再生機構(UR)の職員らから事情を聴く見通しだ。政治家や秘書が口利きの見返りに対価を受け取ると、あっせん利得処罰法違反になる。特捜部はまず事実関係を解明し、立件の可否を慎重に見極めるとみられる。
千葉県白井市の建設会社は、市内の道路予定地の補償金をめぐってURとトラブルになっていた。甘利氏の秘書は2013年6月~今年1月、URの職員と12回にわたり面談。13年11月と14年2月に甘利氏がこの建設会社から計100万円を受領していたほか、13年8月には秘書が500万円を受け取っていた。
同法違反に問うには、甘利氏や秘書が、国会議員や閣僚としての権限に基づく影響力を行使していたかが焦点となる。特捜部は、URとの面会の際、秘書が影響力を示唆する具体的な発言をしていたかなどについて、調べるとみられる。
(中村信義、小寺陽一郎)
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上記の記事によれば、金銭授受疑惑を時系列的に見ると、次のステージごとに、告発者の説明に対して、甘利大臣の説明に食い違いが見られると指摘されています。
●2013年11月14日、大臣室でS社側→甘利氏側に現金50万円
【告発者の説明要旨】
URとの交渉が進んだお礼の趣旨だった。金額は秘書から事前に指定されていた。甘利氏はスーツの内ポケットにしまった。やりとりは録音した。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
菓子折りの紙袋に熨斗袋があるのをあとに秘書から報告を受けた。内ポケットには入れていない。そんなことをすれば政治家以前に人間としての品額を疑われる行為で、するはずがない。
●2014年2月1日、地元事務所でS社側→甘利氏側に現金50万円
【告発者の説明要旨】
URとの交渉を進めてもらう趣旨で、資料も渡した。甘利氏は「パーティー券にしよう」と発言した。やりとりは録音した。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
菓子折りの紙袋と封筒を受け取った。大臣室訪問のお礼と政治活動への応援の趣旨だと思った。
●2014年11月20日、神奈川県平塚市でS社側→秘書に現金50万円ずつ計100万円
【告発者の説明要旨】
甘利氏の秘書から「選挙資金が足りない」と言われ建設会社と私個人から50万円ずつ渡した。私の分はダルマ代などに使うと説明された。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
言及なし。
【客観的事実】
・告発者個人からの50万円は政治資金収支報告書に不記載。
・S社からの50馬年は、政治資金収支報告書に寄付として記載。
●2015年、神奈川県内などでS社側→秘書に現金
【告発者の説明要旨】
2015年にURとの交渉を進めてもらう趣旨で、現金15万円前後を53回渡した。全てメモに残してある。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
秘書は、告発者らから飲食や金銭授受などの接待を多数回受けていたことを認めている。詳細は後日、弁護士の調査結果を報告する。
■おそらく次の木曜日、2月4日の週刊文春では、甘利大臣の記者会見での発言内容に対する反論という形で、さらに告発者側の言い分が記事として掲載されるものとみられます。
どちらに大義があるのか、注意深く推移を見守りたいと思います。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項終わり】
**********
質疑応答
司会:それでは質疑に移ります。挙手の上、社名、氏名をおっしゃられてからご質問をお願いいたします。
テレビ朝日:テレビ朝日のトミカワと申します。大臣、先ほど説明の中で、大臣室と大和事務所で会ったのが平成25年の11月14日と、26年の2月1日とおっしゃいましたけれども、A秘書がその前に500万円を受け取ったときというのが、平成25年の8月20日です。ということは、それよりも前になるわけですね。そのA秘書が500万円を受け取ったということを知っていて、大臣室でS社と会うことになったのか、もしくは500万円は知らないけれども、S社から相談を受けているということを知った上で大臣室で会ったんでしょうか。
あともう1つ、そしてその100万円と400万円の領収書についてなんですが、400万円の領収書を発行して、総務担当者が処分したという話でしたけれども、甘利さんの事務所のほうでその領収書の控えというのはないんでしょうか。この2点、お願いします。
甘利:500万円含め、この一連の接待も含めて、不覚ですけれども週刊誌報道が出て初めて知りました。まったく事情が分かりません。東京事務所に来られたのも、後援会に入ってくださる方が表敬しますからと言われてお受けしたということだけです。そこでは確かに、一生懸命先生を応援していきますよ、みたいなことしか言われてませんでした。
テレビ朝日:千葉の甘山会を立ち上げるに当たってという(聞き取れず)。
甘利:甘山会って、甘山会は1個しかないんですが、1個の人たちが、こっち側の人たちが集まって懇親会つくったり、こっちの人が集まってつくったりして、そこで通称で懇親会をそう、みんな呼んでらっしゃるんですね。で、そのお会いしたのは大臣室が初めてだと思います、11月14日。
テレビ朝日:領収書の控えについてはいかがでしょうか。
甘利:いや、まったく分かりません。
朝日新聞:朝日新聞の(聞き取れず)。現金の授受のとこをちょっと聞きたいんですけども、14日のほうは菓子折りを、これは虎屋のようかんっていうふうに報道されてたんですけど。
甘利:ようかんかどうか分かりませんが、大きい袋、もらったときちょっと重かったのはなんとなく覚えてます。
朝日新聞:そうすると、受け取ったときには現金が入ってるってことは認識はなかったという。
甘利:分かんなかったですね。たぶん、中に入ってて、それで置いて、で、秘書にお菓子もらったよって言って渡して、秘書がかなり立派だったらしい、大きいのし袋みたいな、祝儀袋みたいのが入ってたと。とにかく、大臣祝いとか、大臣祝いっつったって1年ぐらいたってんですけども、初めて大臣室に来られるんでなんか、秘書かなんか言ってたような気がします。それで、じゃあ、会社からの政治献金ということでちゃんと処理してねっていうことで言った記憶があります。
朝日新聞:もう1つ、2月の2日辺り、1日のほうなんですけども、こちらのほうは現金を受け取ったという認識はあったんですか。
甘利:来られる前に、私、秘書に来客が入ってるときに、知らない人でなんでもかんでも会わせるなと言ってるもんですから、清島、A秘書にもかなり、いきなり連れてきて、あとで私がなんのために、なんの要件でこの人来たのか分かんないことがあるので、ちゃんと確認しろって言ったときに、確か、ちょうど大臣室のあと、舌がん騒ぎになります。11月14日ですから、中旬から下旬でうちの公設秘書にだけ最初に言って、かなり深刻な状態で、もんもんとしていたまま、あの前、フロマンとやった12月1日の前に、もうがんって分かるわけなんです。だから、あのときのあの交渉は私は、これが政治家最後の交渉と思ってやりましたですね。
朝日新聞:その秘書は300万円を、要は費消しちゃったということになりますと、横領ということになると思うんですけども、これの辺の処理についてはどう、(聞き取れず)。
甘利:もうそれは、まずどうやった形で返せるのかですね。政治資金規正法上は入ってない金をお返しすることになるので、返しますけど、全部返しますけども、それは選管と相談するように指示してます。とにかく地元で何が起きているかがまったく分からない。で、そういう付き合いで、何回もフィリピンパブとか報道されてますけども、まったく不覚ですけども知りませんでした。とにかく、地元を放りっぱなしにしちゃったという、つけが回ってきたということでしょうか。
朝日新聞:調査の結果次第、じゃあ結果を(聞き取れず)刑事的な告訴を考えると。
甘利:東京地検の人に、これ私、誰だか知らんですよ、接触できませんから、知りませんから、特捜の人、経験者に全部調べてもらってます。それの報告です、今日は。してますから、それをずっとやってもらうと。これ結構時間かかると思いますけど。
朝日新聞:すいません、あと1点だけ、政治記者として聞くんですけども、大臣が辞任を考えられたのはいつごろで、それで総理にお話ししたのは、先ほどお話がありましたけども、いつごろなのかっていうことをもうちょっと詳細に教えてもらえますか。
甘利:最初は、地元のところに記者さんが来てると、週刊誌の記者。誰、来てんのって言ったら、週刊ブンゲイって来たんですよ。だから、訳分かんない週刊誌かなと思って、そのまま、なんか変なスキャンダルなんだろうと思って無視していっちゃったんですよ。それ以降、時系列ある? もうとにかくほとんど国政、頭いっぱいっていうのでやってましたから、もう完全に放りっぱなしだったですから。今の話っていつの話だったっけ。
朝日新聞:1月16日。
甘利:1月16日に、私の地元の自宅に、話し掛けられましたから、聞いたことがない、そしたら秘書が聞き違いで、『週刊文春』だったっていう。週刊ブンゲイとか言われたので訳の分かんないやつに会うつもりねえっていうんで。それが最初で。それから、17日、翌日の夜にA秘書から取材の依頼が来ているということを電話で報告受けました。とにかく事実関係、確認しろと。
それから、19日の午後に私から官房長官、総理に取材を受けてることについて報告をしたと。それから記事になって。それで今日、辞任するっていうのは、もう総理にはここに入るそれこそ直前です。慰留はされましたけれども、私の性格をご存じですからしょうがないと。
司会:(聞き取れず)オカダさん、お願いします。
フジテレビ:大臣、フジテレビのオカダです。常々大臣は、周りのスタッフの人たちを非常に信頼していらしてたと思うんですが、愕然となさったということで、(聞き取れず)お気持ちだったと思います。ただ、そういった中で、今後どのように自分の地元を立て直していくという(聞き取れず)お考えなのかなと。
甘利:これは目を光らせるし、秘書をもう考えています。そこが目を光らせると。この事務所長って真面目が取りえなんです、人が良くて。だけど、すごく線が細くて、もう完全に取り込まれちゃうっていうことなんですね。だから、真面目な人が取り込まれちゃうと、もう全部信じちゃうということで。ですから、いろんな会に連れてくるようになっちゃったんですね。もうどんどん潜り込んで来られましたから。それで気が付いたら熱烈な支持者ではなかったと。
フジテレビ:もう1点なんですが、FNS、フジテレビが入手した写真で、去年の夏ごろと思われる、大臣室で告発記事を出した人たちとのお写真っていうのがあったんですが、これはどういった。
甘利:あれ、地元に聞いてみたんですが、ほかの用事じゃなくて、セミナーやるんです、勉強家いでいろんな講師が来て、会費1,000円ぐらいでやって、勉強して、将来の市会議員を目指そうとかいうのをやって、そこからも議員も出てるんですけども、そこに潜り込んでこられて、そこの一行が、30人ぐらいかバスで来たときに、もう時間がないですから、順番に順番にどんどんベルトコンベヤーみたいに流して、私が座ってて、ぱっと後ろへ入ってまた抜けてという、そういう写真撮りの中の1シーンだそうです。
フジテレビ:ということは、特に個別で(聞き取れず)ではなく。
甘利:ないです、全然ないです。流れ作業で。
フジテレビ:たくさんいらした中の。
甘利:ええ。30人か何十人か来た中で、はい、5人ずつ並んで、5人ずつって入れ替わって、ぐるぐる、後ろ通って、はい、こっち、はい、こっちって、もうやる撮影会です。国会見学とかだと、それじゃないと全然間に合わないんで。
フジテレビ:じゃあ、国会見学の際は割とよく(聞き取れず)。
甘利:ええ。
司会:マイク回して。
読売新聞:読売新聞のコンドウといいます。秘書が勝手に費消したという300万円、これは300万円、かなり多額ですけれども、何に費消したんでしょうか。それから、かなりの回数、接待を受けたということですけど、それはいくら分で、どんな接待を受けたんでしょうか。
甘利:これはもう私がいろいろ、最初はびっくりして、おまえ何やったんだ、こうやったんだって言ってますけど、私が言ったって本当のこと言わないですよ、私によく思われたいと思うから。そこで私と無関係な第三者の弁護士さんを、うちの事務所とも関係ない人を頼んで、どういう人なのか私は知りませんけども、その人が1人1人聴取してる中で出てきたんで、なんか県連のパーティー券で(聞き取れず)処理しきれないものをそれでやったりとかなんとか、そういう話だったみたいですけども。ここは私が聴取してませんから、正確な話はこれから東京地検の弁護士さんが報告書を全部作ると思います。
読売新聞:つまり私用で使ったわけではないっていうことですか、300万は。
甘利:私用もあるんでしょうね。私用もあるし、県連パーティー、みんな割り振って秘書が売るんですけども、残っちゃう分があるんですね。それをなんとか引き受けてたとかいう話も聞いた、側聞してますけども。
読売新聞:あともう1つ、50万円を大臣室にのし袋で、受け取った件ですけども、社長とその担当者がいなくなってから確認したら50万円だったってことですか。
甘利:いや、そのまま大臣室に来られて、みんな帰ると、私、袋のまま大臣室で食べてってよく渡すんですよ。別な秘書にですね。で、秘書に渡して、秘書が持って帰ってどのくらいしたか忘れましたけども、のし袋入ってますよって言うから、ああ、そうっつって、そういえばお祝いに来るとかなんとかに来るっていう話が事前にあったんで、じゃあその正式に処理しといてという話をしました。
読売新聞:要は、何も言わずに置いてったってことだと思うんですけども。
甘利:いやいや、大臣どうぞ。
読売新聞:こういうことはあり得るんですかね。
甘利:いや、大臣どうぞこれ、みたいな。お土産です、みたいな感じで。大臣どうぞという感じで。これ、お祝い金ですって、お金ですっていうのは言わなかったと思うんですね。
司会:じゃあ、(聞き取れず)ヨネカワさん、お願いします。
読売新聞:すいません、読売新聞ヨネカワです。けじめのつけ方のタイミングについて伺いたいんですけども、(聞き取れず)秘書の方の調査結果待ってるんですけども、繰り返しになるんですけども、今日のタイミングでけじめをつけられた理由っていうのはどこにあったんでしょうか。
甘利:事務所の責任者、監督すべき責任者が報道されてる一番大きい部分について関わってたと報告を受けたもんですから。それから、もう1人の秘書は、いろいろ報告があるのは、そのたび、その都度、一色氏と一緒に飲食で回ってたと、この2人がということで、それで2人から辞表が出ました、申し訳ないということで。それ以外の秘書ってまったく聴取してもらった限り関知してないんですね、関与してないんです。一方が責任者であるということと、それから、これから審議が始まると。しかし動かないと。それからTPPが始まると。もろもろ、これこれ政治資金は第三者に確認してもらって、ちゃんと処理されてましたといって、じゃあ、分かりましたと、はい、はいといくかということを考えて、私は安倍政権を支える役ですから、安倍政権を支える役が安倍政権の障害になることは忍びないと。
読売新聞:あとの秘書の方の調査結果はだいたいいつごろをめどに出したいとお思いですか。
甘利:これは、なんとかパブとか、もうあっちこっち行ってるんで。これ、全部調べるのはどのくらいかかるか、ちょっと今はなんとも言えません。だから今回の私の件も、皆さんはなんでそんな簡単なことをこんなに待たせるんだって思われたと思うんです。でも、これ報告されたら、それじゃあこのくらいかかるなっていうのをお分かりいただけたと思うんですよ。第三者入れて、弁護士さんに、われわれが知らない三者できちっと調べてくださる方。その人が、私の知らない人が1つ1つ聴取してったんですから、面接してですね。で、領収書も全部調べて、帳簿から調べてですね。だから、このくらいは、もう相当早いほうだと思いますけど。
読売新聞:確認なんですけども、閣僚は辞任されるということですけども、議員活動は続けていかれるということでよろしいですか。
甘利:一からやり直します。
司会:(聞き取れず)さん、お願いします。
フジテレビ:フジテレビのワダ(聞き取れず)。甘利さんが当選1期のときから取材をさせていただいてる者からしますと、今回、こういう閣僚辞任という結論を出されたのは、政治理念ですとか、政治信条を見てきた者からしますと、当然の結論を出されてたんだと思います。ただ、そのベテランの甘利さんであるからこそ、違う観点から1つ、お伺いをいたします。
政治家のところへ、事実関係が違っていたら教えてください。支援者という形である人間が近づいてきたと。支援も受けたと。そういう中で、その支援者と称する人間が徹底的にメモや録音をしていたと。あるとき、手のひらを返すように、徹底的に、それは敵というんでしょうか、敵対的な動きに移ったということは、これからもおそらく政治の場面で、私あまり今までこれだけ執拗(聞き取れず)なことというのは、いい悪いは別にして、取材で経験したことはないんですが、これからもありうると思うんです。
そのときに、例えば与野党関係なく政治家の選挙活動、あるいは日々の政治活動に、いい悪いでなく、なにがしかの影響は出るんだと思うんです。甘利議員ご自身は、現在、そうしたことについてご自身の辞任ということではなくて、そうしたことについてどのようなご感想、あるいは問題意識を持たれたのか、今後のためという観点からお伺いをしたいと思います。
甘利:私、これ、どの時点でどうすればこういう事案は避けられるのかってことをずっと考えてたんですけども、まず政治家の事務所って、いい人だけ付き合っているだけじゃあ選挙、落ちちゃうんですね、小選挙区だから。かなり間口を広げて、来る者は拒まずってしないと当選しないんです、残念ながら。その中でぎりぎりどう選別していくかと。だから問題ある人と写真がいっぱい出ますけども、そんなの誰も避けられません。パーティーで写真撮ってくれっていって、どなたですかって、あなたと撮りませんよなんか全体言えませんから。写真が出るのはけしからんとかいうのは防ぎようはないです。誰でも防ぎようはないです。よっぽど、もう社会に知られてる、反社会の代表みたいな人だったら、あの人危ないって分かるでしょうけども、避けられないですね。
ただ、やっぱりなんと言うか、企業であればその企業がどういう会社かっていうのを徹底的に調べておくことが大事なんですね。うちも実はそうさせてるんです、甘山会のメンバーに入るときにはどういう企業かっていうんで、選挙区内なら分かりますけど、選挙区外だったらそこの選挙区の代議士に問い合わせするとかやらせてんですけども、これが甘かったんですね。代議士事務所への問い合わせじゃなかったんですね。
だから、最初のスクリーニングが間違っているのと、それからものすごく執拗なうまいアプローチをします。最初は何もしないで、たびたび寄って、近くまで来ましたからっつっていって、それを何回も続けてお茶ぐらい飲みませんかっていって、飯食いましょうよっつって、もう完全に信用して、どんどん。だから桜を見る会にもこの人熱心だから連れていきましょうとか、やれ、勉強会でいろいろ将来の政治、勉強したいっていうから参加させてあげましょうとか、どんどんそうなってっちゃうんですね。
だから、これを完璧に防ぐっていうのは非常に難しいんですけども、ただ、やっぱり、そうですね、飲みに誘われたり、これだけ頻繁っていうのは、週刊誌報道が報じてるのが事実だとしたらですよ、それはちょっと異常ですから、そこの時点で警戒心を働かせなきゃあ、秘書の自覚としておかしいんですね。そういう相互的にいろいろチェックする事務所のシステムが必要なんじゃないかなと。だからメンバーに登録する際にはちゃんとスクリーニングをするということと、それから事務所、付き合ってる人間は、相互チェックするということからですね。
フジテレビ:そうすると(聞き取れず)、今おっしゃったように、反省の弁なんですが、事務所が完璧に管理をできていれば、今回のようなことは絶対に起こらないんでしょうか。
甘利:ないと思います。
フジテレビ:もう1回。
甘利:完璧にっていうのは、相手がいかに上手にっていうことと関わってくると思いますけど、100%完璧にっていうのはなかなか言い切れませんけども、基本的なことですね。業者と秘書が食事に誘われたときには必ず届け出るとか、事務所にですね。そういうチェックをして、この秘書はこの、と行ってるなといったらちょっと要注意とか、そういうの分かるようにしていくことしかないですね、やっぱり。
フジテレビ:分かりました。お調べになった部分と、報道と違う部分の扱いなんですが、例えば法的な措置を取られたり、記事訂正を求めたりということは今後されるお考えでしょうか、最後の質問。
甘利:S社の方がいろいろ電話でおっしゃってきてます。今日ご紹介したのはごくごく一部です。なぜこれだけ正確にてにをはまで言えるかっていうことはお察しをいただきたいと思いますが、それを分析してどうするかですね。
司会:そちらの。マイク回していただけますでしょうか。
デモクラTV:デモクラテレビのヤマダ(聞き取れず)と申します。ちょっと甘利さんの言われた言葉で分からないことがあるんで伺いたいと思うんですが、適切に処理してくれと伝えたと、これどういう意味ですか。
甘利:政治家が適切に処理をしてくれっていうのは、政治資金規正法にのっとって処理をしろっていうことです。
デモクラTV:ということですね。先ほど、一番最初聞いたときに、もらった菓子袋になんか重いものとのし袋が入ってたと。
甘利:それは秘書から言われた。
デモクラTV:でも、手渡され、置いてったわけですか。
甘利:ええ。手渡されて置いたと記憶してます。
デモクラTV:そのときにのし袋は確認してんですよね。
甘利:いやいや、してないですよ。
デモクラTV:してないんですか。
甘利:ええ。基本的に、もらったもの、こうやって見るってあんまりされないと思うんですよ。ね。
デモクラTV:そのときはのし袋があったことも確認しなかったわけですか。
甘利:もう記憶はないです。
デモクラTV:なんか向こうの人はこうやって入れたって言ってんのに、甘利さんは見もしなかった。
甘利:でも普通、初めてのお客さんですよ。持ってこられてお客さんの前で開けて、こうやってこうします?
デモクラTV:そうですか、分かりました。
甘利:しますか。
デモクラTV:2度目のときはどうでした。
甘利:2度目のときは、袋と一緒にこう出されたような気がするんです。ただ、開けてないですから中が何かは分かりませんけど、ただ、そういう封筒ですから、それで、来られるときに快気祝いと大臣室訪問祝いに来られますと言われてましたから。
デモクラTV:だけど、1回目で現金もらったわけですよね。だったら2回目来たときに現金入ってるって思わなかったんですか。
甘利:いや、思わないじゃなくて、確認を、中見て確認はしてないということです。だから、たぶんそうだろうと思ったからちゃんと処理しとけって指示したんです。
デモクラTV:ちゃんと処理しとけということは、現金があるという、そういう疑いがあるという認識があったということですね。
甘利:だってお祝いに来られますと。快気祝い、私、がんから克服して一月以内でしたから。で、お話も詳しく覚えてないんですけども、だんだん思い出してきたのは、がんから回復されて良かったですねとか、先生は日本に、大臣は日本にとってはこれからどんどん働いてもらわなきゃなんないから、これからもっともっと頑張ってくださいとか、そういう話されましたから。
デモクラTV:じゃあ、きっとお金があるって分かったわけだ。
甘利:いやいや、そう出されたからですね。
デモクラTV:割と、無防備にもらってるんですけども、甘利さん、そうやって事務所に来て袋置いてく人はしょっちゅう現金置いてくんですか。
甘利:そんなことはないですよ。そんなのはないけども、来られる趣旨は大臣室の訪問、それが訪問したあとすぐがんになっちゃったんですけども、訪問のお礼と、そしてがんと闘って生還されたから、その快気祝いということで来られますよと、事前に聞いてましたから。
デモクラTV:でも、最初現金持ってきて、次も来て、それであとで調べたらば3期連続赤字の変な企業だったと。そんな人から無防備にお金もらうことはよくあるんですか。
甘利:いや、そうじゃなく。
デモクラTV:今回だけが特別ですか。
甘利:そうじゃなくて、まあ特別です。最初、熱心な支援者で、千葉に会員になってくれる人みんなやりますからということを、どんどん増やしますからということをおっしゃっていたんですよ、来られたときに。これからどんどん応援していきますからと。そういうお話だったです。
デモクラTV:政治家は適切に処理しろというのが、政治資金報告書に基づいてやれということだからと。
甘利:そうです。
デモクラTV:今、おっしゃいましたけど、そうやって適切に処理しなさいという、物もらって適切に処理しなさいっていうことはよくあるんですか。
甘利:それは政治献金でと、基本的に企業献金をする、企業献金をしてくださる方は企業の後援会ですか、個人とか、甘山会っていうのは個人とか企業の献金を毎月会費として払っていただいたり、パーティー券を買っていただいたりする会ですから、普通の票を集めてなんとかするって会じゃなくて、経済的に応援するっていう人が集まる会ですから、それは。
デモクラTV:そういう人はよくお金くれるんですか。
甘利:それは会費をくださったり、それはもう会社の経営状態にもよるでしょうけども、そういう応援する人の会ですから。
デモクラTV:返しなさいという選択、なかったんですか。適切に処理しなさいもいいですよ。だけど、その前に、最初のときに50万入ってたわけでしょう。だったら次に持ってきて金がありますよったら、そんなの返しなさいっていうことは考えなかったんですか。
甘利:いや、それはだって会社に余裕がある方が持ってこられるんでしょうけども、そのときに、持ってこられるたんびに何期連続赤字だとかなんかは、いちいち調べないですよ。
デモクラTV:だけど、最初50万で、次だっていくらって報告あったんでしょう、お金が入ってました、いくらって言うわけでしょう。
甘利:いやいや、そこの金額の報告は私にはないです。
デモクラTV:じゃあ、金額も言わないでお金でした、じゃあ、適切に処理しなさいという言い方だったんですか。
甘利:政治家はお金が来たら自分で出してこんなことやったりとか、そういうことやりません。基本的に受けるのも秘書が受けておいてくれるとか、そうやってわれわれは極力触りたくないんですよ。
デモクラTV:ですから、秘書が50万円ありましたって言ったら返しなさいという選択がなかったんですか。
甘利:それ返しなさいって、どういう基準で返すんですか。
デモクラTV:違う、それはあなたが決めることですよ。だから、あなたの中に返すという基準はなかったのかということを聞いてるんです。
甘利:それはおかしな会社と分かっていれば返しなさいと言いますよ。
デモクラTV:でも、おかしな会社じゃないと思ったんですか。だって、さっき3期連続赤字の会社で、これはとてもじゃない。
甘利:いや、それはあとで調べて分かったんです。
デモクラTV:そのときには全然知らなかったわけ?
甘利:そうです。この事件が起きて、それで初めて分かったわけです。
デモクラTV:それはちょっと不用心じゃありませんか。
甘利:いや、じゃあ、聞いてください、各後援会の人に。
デモクラTV:分かりました。
甘利:何期連続赤字か、ずっと事業報告みたいなことをやられるのか、どうぞ聞いてください、いろんな人に。
デモクラTV:でも、秘書の人が無防備だったって盛んにさっきおっしゃって、こんな秘書じゃなきゃあ、もっと。
甘利:いや、無防備だっていうのは、しょっちゅういろんなとこへ連れていかれて、ずるずる入っていくというのが無防備っていうことです。
デモクラTV:甘利さん自身、無防備だったと思いませんか。
甘利:それは私の不徳です。地元の事務所に対して、だから自分の不徳と言ってるんです。この3年間、私は国政、国務に命懸けでやりました。それはお認めいただけると思います。その間、地元の事務所のミーティングに3年間一度もできることができませんでした。大臣職に邁進をしておりまして、任せっきりというか、事務所は事務所のスタッフに任せて放りっきりと言ったほうがいいかもしれません。そこはもっとしっかり目を光らせてくれる秘書をばんっと据えておかなければいけないということだったと思います。
デモクラTV:私も。
司会:あとの日程もございますんで、短くお願いします。
デモクラTV:TPP。
男性:長いよ。本当に長いよ。
デモクラTV:最後に一言。
司会:ほかに手上がってますので。
デモクラTV:TPPの交渉を見て、甘利さんの活躍はよく存じ上げてます。
甘利:ありがとうございます。
デモクラTV:アメリカとの信頼関係を築いていろいろ交渉してると思うんですが、その政治家がこういうことでつまずいて、こうやって辞任する。そういうことっていうのはご自身、どういうふうに、単に不徳の問題じゃなくて、日本全体とか、政治家としてどういうふうにお考えになりますか。最後に一言よろしくお願いします。
甘利:忸怩たる思いです。
日本経済新聞:日本経済新聞のシムラ(聞き取れず)です。今、TPPの話が出ましたが、あらためましてTPPの署名式までもう少しというタイミングでの辞任になりましたが、これまでのTPP交渉等を振り返って、どういったお気持ちでこの記者会見に臨まれたんでしょうか。お聞かせください。
甘利:正直言えば、署名式は出たかったですね。
司会:あとの日程もございますので、この辺で終了したいと思います。それでは会見、終了させていただきます。どうもありがとうございました。
**********
■甘利大臣による1時間12分あまりの大熱演の記者会見発表に内容について、マスコミ各社がいろいろな観点から分析を加えています。ここでは、この記者発表内容について、1月31日に告発者からの取材を取り付けた朝日新聞の2月1日付の記事を見てみましょう。
**********朝日新聞デジタル2016年2月1日05時13分
甘利氏会見と食い違い、「告発者」が証言 現金授受問題
甘利明・前経済再生相の現金授受問題で、現金などを渡した建設会社の総務担当者が31日、朝日新聞の取材に応じた。甘利氏が会見で説明した計600万円の授受以外に、900万円超を秘書に渡していたことを証言した。甘利氏自身の現金授受をめぐっても、「道路建設の補償交渉のお礼」と述べるなど、趣旨や状況に食い違いをみせている。
■大臣室での50万円「甘利氏、ポケットに」
総務担当者は一色武氏(62)。千葉県白井市の建設会社と独立行政法人都市再生機構(UR)との道路建設の補償交渉を担った。一色氏は、甘利氏側から受け取った領収書や秘書らと面会した際に記したメモなどを示しながら、授受の状況を説明した。
甘利氏は28日の記者会見で、50万円ずつ計100万円の受領は認めている。一方で、授受の状況や認識は一色氏の主張と異なる。
一色氏は2013年11月に甘利氏が大臣室で受け取った現金50万円について、「甘利氏が(現金入りの封筒を)スーツの内ポケットに入れたのは事実だ」と強調。「URの件でのお礼の意味で」面会を求め、秘書から事前に「50万円は必要です、と言われた」と語った。甘利氏は会見で「政治家以前に人間としての品格を疑われる行為だ」として、ポケットに入れたことは否定している。
14年2月に神奈川県大和市の地元事務所で甘利氏に渡した50万円について、一色氏は建設会社とURとの交渉を進めてもらう趣旨だとした上で、「甘利氏は『これはパーティー券にしようね』と私の前で言った」と主張。甘利氏は「(13年11月の)大臣室訪問のお礼と政治活動への応援の趣旨だと思って受け取った」としている。
記者は、甘利氏との授受の際のやり取りの録音について確認を求めた。一色氏は「(甘利氏が授受を)認めなければ出す準備はしていたが、認めている以上、出さない方がいいと思う」と述べた。
■14~15年、ほかに900万円超提供か
2014年11月20日に秘書が100万円を受け取ったと指摘される授受について、甘利氏の会見で説明はなかった。
一色氏は、秘書から「(翌月投開票の衆院選の)選挙資金が足りない」と3日前に求められ、建設会社から50万円、一色氏から50万円を現金で神奈川県平塚市の居酒屋で渡したと証言した。秘書は一色氏からの50万円について10万円をダルマ代、20万円を祈禱(きとう)料などと使途を説明したという。
建設会社からの50万円は甘利氏の自民党支部の政治資金収支報告書に記載があるが、一色氏からの50万円は記載がない。甘利氏の選挙運動費用の収支報告書にもなかった。
また、それまで政治献金として処理された分は、甘利氏の政治団体名で領収書を受け取ったというが、この50万円で秘書が作った領収書は「甘利明事務所」名だったという。
一色氏は15年もURとの交渉に関して秘書と会うたびに、現金15万円を53回渡したと主張する。いずれも秘書は領収書を作らなかったという。15年6月と11月に開かれた甘利氏の政治資金パーティーの券も20万円ずつ計40万円分購入したという。
甘利氏は会見で、13~14年に建設会社から得た3回計600万円について説明。ほかに「秘書2人が飲食や金銭授受などの接待を多数回受けた事実は認めている」と述べたが、詳しい解明は弁護士による調査に委ねるとした。
一色氏の証言や証拠資料が事実とすれば、建設会社や一色氏は、甘利氏が説明した3回600万円以外に14~15年に少なくとも900万円超を甘利氏側に提供したことになる。
■交渉を記録「万一に備えて」
一色氏の「告発」は最初に1月21日発売の週刊文春に掲載された。一色氏は情報提供した理由について、「(お金を払ったのに)甘利氏の秘書がやるべきことをしていないことが分かったから」と語った。
建設会社の依頼を受けてURとの交渉を担った理由を「千葉県やURが建設会社や社長に、差別的な文書を作成したため」と説明。自身が右翼団体の元構成員だったと明かしつつ、「右翼活動は思想的なもの。行政にたかるつもりは一切なかった」と話す。
自民党幹部らは、一色氏が甘利氏側との接触を詳細に記録していたことから「わなを仕掛けられた感がある」と指摘した。
一色氏は行政などと交渉する時も音声を隠し録(ど)りするという。「聞いている、聞いていないと後で言われるのは嫌なので、万が一に備えている」と、告発を前提にした行為ではないと主張した。(中村信義、小寺陽一郎)
↑甘利氏の政治団体の収支報告書に記載がない50万円の現金授受で、甘利氏の秘書が手渡したとされる領収書。発行者が政治団体ではなく「甘利明事務所」となっていた=朝日新聞デジタルより。↑
↑甘利明氏側に現金を渡した建設会社がURとトラブルになっていた土地=1月28日、千葉県白井市、朝日新聞デジタルより。↑
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■特捜部、UR職員ら聴取へ
甘利明・前経済再生相をめぐる現金授受問題に関連して、東京地検特捜部は今後、独立行政法人都市再生機構(UR)の職員らから事情を聴く見通しだ。政治家や秘書が口利きの見返りに対価を受け取ると、あっせん利得処罰法違反になる。特捜部はまず事実関係を解明し、立件の可否を慎重に見極めるとみられる。
千葉県白井市の建設会社は、市内の道路予定地の補償金をめぐってURとトラブルになっていた。甘利氏の秘書は2013年6月~今年1月、URの職員と12回にわたり面談。13年11月と14年2月に甘利氏がこの建設会社から計100万円を受領していたほか、13年8月には秘書が500万円を受け取っていた。
同法違反に問うには、甘利氏や秘書が、国会議員や閣僚としての権限に基づく影響力を行使していたかが焦点となる。特捜部は、URとの面会の際、秘書が影響力を示唆する具体的な発言をしていたかなどについて、調べるとみられる。
(中村信義、小寺陽一郎)
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上記の記事によれば、金銭授受疑惑を時系列的に見ると、次のステージごとに、告発者の説明に対して、甘利大臣の説明に食い違いが見られると指摘されています。
●2013年11月14日、大臣室でS社側→甘利氏側に現金50万円
【告発者の説明要旨】
URとの交渉が進んだお礼の趣旨だった。金額は秘書から事前に指定されていた。甘利氏はスーツの内ポケットにしまった。やりとりは録音した。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
菓子折りの紙袋に熨斗袋があるのをあとに秘書から報告を受けた。内ポケットには入れていない。そんなことをすれば政治家以前に人間としての品額を疑われる行為で、するはずがない。
●2014年2月1日、地元事務所でS社側→甘利氏側に現金50万円
【告発者の説明要旨】
URとの交渉を進めてもらう趣旨で、資料も渡した。甘利氏は「パーティー券にしよう」と発言した。やりとりは録音した。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
菓子折りの紙袋と封筒を受け取った。大臣室訪問のお礼と政治活動への応援の趣旨だと思った。
●2014年11月20日、神奈川県平塚市でS社側→秘書に現金50万円ずつ計100万円
【告発者の説明要旨】
甘利氏の秘書から「選挙資金が足りない」と言われ建設会社と私個人から50万円ずつ渡した。私の分はダルマ代などに使うと説明された。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
言及なし。
【客観的事実】
・告発者個人からの50万円は政治資金収支報告書に不記載。
・S社からの50馬年は、政治資金収支報告書に寄付として記載。
●2015年、神奈川県内などでS社側→秘書に現金
【告発者の説明要旨】
2015年にURとの交渉を進めてもらう趣旨で、現金15万円前後を53回渡した。全てメモに残してある。
【甘利氏の記者会見での説明要旨】
秘書は、告発者らから飲食や金銭授受などの接待を多数回受けていたことを認めている。詳細は後日、弁護士の調査結果を報告する。
■おそらく次の木曜日、2月4日の週刊文春では、甘利大臣の記者会見での発言内容に対する反論という形で、さらに告発者側の言い分が記事として掲載されるものとみられます。
どちらに大義があるのか、注意深く推移を見守りたいと思います。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項終わり】