市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

安中市環境基本計画2016(案)に関するパブリックコメントに対して意見を提出

2016-02-13 23:52:00 | 安中市の行政問題

■安中市では、高崎市と富岡市との境界近くの岩野谷地区で、多数のごみ最終処分場や中間処理施設が集中しています。この他にも、市内の山間部に産廃を受け入れる施設がたくさん見受けられます。また、市内の至る所で道路脇などにゴミが不法投棄されています。

 当会では、岩野谷地区で平成3年から同19年にかけて計画されてきたサイボウ環境による一般廃棄物最終処分場の設置申請手続の過程で、有印文書偽造・提出等の違法行為が行われたにもかかわらず、群馬県や安中市の行政が業者に加担して、裁判の場でも、住民らの主張に真っ向から対抗し、処分場が作られてしまいました。

 また、鉱山法改正のどさくさに便乗して、東邦亜鉛安中製錬所の構内に産業廃棄物処分場が作られ、住民説明会が事後に形式的に行われるという一連の茶番劇が、行政と東邦亜鉛との間で示し合わせて行われたこともありました。

 このように、住民不在の安中市環境行政ですが、このほど「安中市環境基本計画2016(案)」についてのパブリックコメントが、1月14日から2月12日にかけて実施されました。

**********
http://www.city.annaka.gunma.jp/public_comment/27-2.html
「安中市環境基本計画2016(案)」についてのパブリックコメントを実施します
<件名>
「安中市環境基本計画2016」策定に係る意見募集
<意見募集の趣旨>
 市では、安中市環境基本条例に基づき平成17年度から平成27年度を計画期間とした「安中市環境基本計画(第1次計画)」を策定し、環境の保全等に関する取り組みを進めてきました。この間、私たちの暮らしにも密接に関わる地球温暖化や生物多様性などの地球環境問題をはじめ、東日本大震災及びエネルギー問題、人口減少など社会情勢が大きく変化してきています。こうした情勢に対応しつつ、環境面から持続可能なまちづくりを図っていくためには、市民・事業者・市が協働して、環境の保全に関する取り組みを総合的・計画的に進めていく必要があります。そのため、第1次計画が終了するのに併せて、計画を見直し、新たな計画として、この「安中市環境基本計画2016(案)」を作成しました。
 この「安中市環境基本計画2016(案)」について広く市民の皆様のご意見を賜るべく意見を募集します。
<公表する資料>
 •安中市環境基本計画2016(案)
sv2016f1.pdf
sv2016f2.pdf
sv2016f3.pdf
sv2016f4.pdf
sv2016f5.pdf
sv2016f6.pdf
sv2016f7.pdf
■関連情報
 •現在の安中市環境基本計画はこちらをご覧ください。
http://www.city.annaka.gunma.jp/seikatsu_kankyou/kankyoukihonkeikaku.html
<公表する場所>
 •環境推進課(碓氷川クリーンセンター)
 •地域振興課(松井田庁舎)
 •市ホームページ
<意見の募集期間>
 •平成28年1月14日(木)~平成28年2月12日(金)
<意見等を提出できる人>
 •本市の区域内に住所又は勤務先を有する者(法人を含む)
 •本市の区域内に存する学校に在学する者
 •パブリックコメント手続に係る事案に利害関係等を有するもの(団体を含む)
<意見等の提出方法>
 •持参
  o 環境推進課(碓氷川クリーンセンター)
  o 地域振興課総務係(松井田庁舎)
 •郵便
  o 〒379-0133 安中市原市65番地 安中市環境推進課 あて
 •ファクシミリ
  o 027-381-2783 安中市環境推進課 あて
 •電子メール
  o kannkyou@city.annaka.gunma.jp  安中市環境推進課 あて
**********

■当会では過去にも何回か環境基本計画ではコメントとして意見を表明してきておりますが、今回も2月12日までに意見を提出しました。

-----元のメッセージ-----
差出人: ogawakenpg ogawakenpg@aol.com
宛先: kannkyou kannkyou@city.annaka.gunma.jp
送信日時: 2016/2/10, 水, 23:58
件名: 「安中市環境基本計画2016(案)」に対する意見について

安中市環境推進課環境衛生係 御中

表記に関する意見書を添付のとおり提出します。
よろしくご査収ください。

安中市野殿980番地
小川 賢

<添付>
安中市環境推進課環境衛生係 宛

「安中市環境基本計画2016(案)」に対する意見について

氏名(法人等の場合は、その名称及び代表者の氏名)     ※必ず記入してください
  小川 賢
住所(法人等の場合は、その所在地)    ※必ず記入してください
  安中市野殿980番地
電話番号 090-5302-8312
性別   ■男性   □女性 年齢  63 歳
意見提出者の区分   ■本市の区域内に住所又は勤務先を有する者(法人を含む)
           □本市の区域内に存する学校に在学する者
  □事案に利害関係等を有するもの(団体を含む)

意見等記載欄(枠に入りきらない場合には、別紙を作成してください)
頁 項目 意見等

◆提出期限  平成28年2月12日(金) ※郵送の場合は募集期間内の消印有効
◆意見の提出方法  次のいずれかの方法でお願いします。
①手渡しにより提出:環境推進課(碓氷川クリーンセンター内)または支所地域振興課
②郵送:〒379-0192 安中市安中1-23-13 安中市役所環境推進課環境衛生係 宛
③FAX:027-381―2783
④電子メール:kannkyou@city.annaka.gunma.jp
◆意見募集結果の公表の際には、ご意見以外の内容(住所、氏名等)は公表しません。
◆意見に対する個別の回答はいたしかねますので、あらかじめご了承ください。

頁:P2
項目:1-1 計画の目的
意見等:8Lで「これらの環境問題は、これまでの公害問題と異なり、加害者と被害者が明確でなく、 私たちの日常生活や事業活動そのものに起因しており・・・」と、マクロ的に捉えているが、すべてがこのパターンに入るわけではない。東邦亜鉛安中製錬所のように、従来の公害問題も安中市には未解決のまま放置されていることを忘れてはならない事案も厳然と存在しており、次のように記載すべきである。
「これらの環境問題は、これまでの公害問題と同様の側面を持つものもあるが、温暖化問題のように、加害者と被害者が明確でなく、 私たちの日常生活や事業活動そのものに起因するものも近年台頭してきており・・・」


頁:P4
項目:1-4 計画が対象とする環境の範囲
意見等:「持続可能な社会」と題する相関図の中に「環境パートナーシップ」として、「環境教育・環境学習、環境保全活動、環境情報など」との記載がある。これはパートナーシップによる環境保全活動および環境教育の促進を目的に、さまざまな活動やイベントを通じて、情報や問題意識の共有化を図るとする趣旨だと思われる。この観点から最も大事な、官民産の連携である、地元住民と企業そしてそれを仲介する市との間の「公害防止協定」「災害防止協定」「保安協定」のような市民生活の安全・安心を担保できる官民産の「地域生活安全協定締結」も推進すべきである。

頁:P5
項目:1-5 計画の推進に向けて
意見等:冒頭に、「本計画を着実に推進していくためには、『安中市環境基本条例』に定めるように、市民・事業者・市の三者が、それぞれの役割と責務に応じて、主体的に環境配慮行動を実践していくことが重要となります」とあり、非常に共感を覚える。しかし、総論はそうであっても、各論については、東邦亜鉛安中製錬所の地元住民を無視した「個別対応はしない」発言や、東京ガスの高圧導管に関する地元住民からの災害防止協定締結の申し入れに対して「問答無用」発言や、メガソーラー事業者に地元貢献として造成工事で発生する健全な残土の地元土地改良事業への提供申し入れに対して「工程に影響を与えるからダメ」発言など、上から目線の対応が目立つ。また、役所も地元住民よりも企業側に立ってモノを言う傾向にある。従って、パートナーシップをただ喧伝するだけでなく、実効性の上がる仕組みづくりが重要である。

頁:P6
項目:2 計画の推進・進行管理に向けて
(1) 計画の推進体制
●安中市環境審議会
●安中市環境委員会
●「あんなか市民の環」懇談会(仮称)
意見等:これらの組織はいずれも、個別具体的な環境問題の課題について審議するためのものではない。重要なのは、実際に環境問題が起きた場合に、迅速に対応できる実務機関である。この点、市の既存の実施機関は、前述のとおり企業側に加担をするあまり、地元住民の安全・安心な生命や財産や暮らしがおろそかにされたままとなり、問題点や課題点が先送りされてしまう(東邦亜鉛安中製錬所がその好例)。したがって「あんなか市民の環」懇談会(仮称)の役割を、計画策定のみならず、実際に発生している環境問題の原因や背景についても協議できるようにし、PDCA(計画・実施・チェック・見直し)を包含した組織にすべきである。また、この懇談会の下部組織として分科会を作り、地区別、あるいは環境分野別にきめ細かく対応できるようにする。

頁:P7
項目:計画の進行管理
意見等:上述のとおり、PDCAサイクルは、各組織において、現在直面する具体的な環境問題を取り上げて、それをいかに解決・改善するかを通じて、環境基本計画を構築していくべきである。さもないと、机上の空論に終わってしまい、現在、市内で住民が直面する個別具体的な環境問題や課題がないがしろにされたまま、絵に描いた餅の様な実効性を伴わない計画案が策定されてしまうであろう。

頁:P10
項目:2-1 計画策定の背景【地球環境問題の動向】
【地球環境問題と私たちとの関わり】
意見等:この項目の記述では、専ら温暖化・気候変動に関する話題しか取り上げていないが、人口増や資源の有限性、政治的な要素についても触れ、地球環境問題解決に向けたThink globally, act locallyの視点が最も重要である。この観点から、里山の放射能汚染や廃棄物の不法投棄、外国資本による水源涵養地の保護対策など、に関する課題を浮き彫りにする方向を念頭に、記述を修正すべきだ。

頁:P11
項目:【安中市の環境基本計画について】
意見等:安中市の環境基本計画は国や県の環境基本計画にフォローする必要はないと考える。少子高齢化と人口減少は、指摘通り、耕作放棄地の問題に直結していると思うが、根本的に里山や耕作地の維持は人の手を掛けなければならないことから、物理的に昔と同じようなレベルで管理することはもはや不可能である。したがって、耕作放棄地や荒廃山林という定義ではなく、自然に回帰していくという観点から、こうした状況を率直に受け入れる姿勢が必要である。

頁:P12~P13
項目:2-2 今までの市の取り組み
意見等:農地荒廃化対策としては、重機による樹木の伐採や抜根作業を行政や企業に委託できる仕組み作りが必要である。個人での原状復帰には限界がある。また、少子高齢化により、地元住民の道普請などのマンパワーの弱体化をカバーする意味でも、地元企業によるボランティア協力が不可欠である。現在、住民と企業によるコラボ作業は全く行われていない。企業はもっと地元住民への協力に理解を持つべきである。山間部の市道沿いでの不法投棄問題は全市に亘って深刻であり、清掃作業も山林の所有者の善意に任すしかない。これらは、行政と企業の協力が無い限り、住民だけでは解決不能である。公共下水道事業はこれ以上実施しないこと。また、事業排水の水質チェックは排出先河川で行うのではなく、事業所の排水そのもので実施しなければ意味がない。またそうした計測記録・データは、きちんと行政のHPに都度公表する形にすべきである。

頁:P14
項目:安中市の環境で優れている内容(事業者)
意見等:事業者の環境意識調査結果で、「事業活動に際して優れている自然環境は、『里山などの豊かな緑や森林』と『眺望や里地里山の自然景観』が特に高く、本市の自然環境を代表しています。また、生活環境では、『空気のきれいさ』が7割以上と高く、次に『河川・地下水の水質の良さ』と『騒音・振動がない』となっています」とあるが、回答者の住む岩野谷地区の北野殿では、到底それには当てはまらない。東邦亜鉛安中製錬所を交えてアンケート結果であるならば、きちんとその旨確証を求めたい。また環境問題への関心(事業者)としては、「地球環境問題では、『地球温暖化』への関心が最も多く、次に『異常気象や自然災害』となっていて、生活環境については、『省資源・省エネ対策』、『事業系ごみの発生抑制』が多く、次に事業系ごみの分別『リサイクル』と、廃棄物への関心が高く見られます」とあるが、ここには重金属による降下ばいじんの蓄積及び、不法投棄の実態に関して、もっとテーマとして取り上げられるべきものである。

頁:P20
項目:3 生活環境
意見等:「また、土壌・地下水汚染については、県による調査と監視が行われていますが、市内では深刻な汚染はありませんでした」とあるが、東邦亜鉛安中製錬所周辺の土壌の重金属汚染や、安中田圃の一部で重金属汚染の酷い個所がかなり存在することを記載していない。直ちに追記する必要が有る。

頁:P21
項目:4 廃棄物
意見等:産業廃棄物処分場設置計画により、これまでクリーンな環境だった里山地帯に、首都圏の産業廃棄物が集積されようとしている。この問題についても、とくに岩野谷地区ではサンパイ銀座と呼ばれるほど、計画中及び稼働中の処理施設が高密度で集中しており、地域の自然・営農・生活環境に対して脅威となっている。このことについて本文で言及していないため、直ちに追記する必要が有る。また、東邦亜鉛や信越化学など、大規模に操業している企業をめぐる廃棄物の適正処理についても、きちんと行われているのかどうか、行政や周辺住民による共同監視の重要性が必要である事を追記する必要が有る。
また、安中市内の県道、市道など生活道路や通学道路の下に埋設された東京ガスの高圧ガス導管については、早急に企業と地元との間に災害防止協定を締結するよ必要が有るので、安全・安心な市民生活の確保のためにもこのことについて言及する必要が有る。


頁:P25
項目:3-1 計画が目指す望ましい環境像
意見等:ここに掲げられたスローガンによれば、現在岩野谷地区で計画中の「㈱環境資源」の産廃処分場は大きな脅威になる。また、「安中ソーラー合同会社」によるメガソーラー施設は、中国を含む海外資本による水源地帯の占拠という重大な懸念があるため、直ちに計画を中止するよう、本計画に具体的なアクション項目として盛り込む必要が有る。

頁:P30~P31
項目:3-3 望ましい環境像の実現に向けた取り組みの展開方針
意見等:ここに示された方針では具体的な行動が何ら示されていない。これでは言葉の遊びに終わってしまう。例えば、「地元貢献に役立たないメガソーラー計画は断じて許さない」「不透明は背後関係がうかがえる廃棄物処理・処分施設計画は決して、安中市には作らせない」「市民の安心・安全の妨げになる事業を営む企業は、原則として地元と災害防止協定や安全協定を締結しなければならない」というふうに具体的な展開方針を示す必要が有る。

頁:P32
項目:3-4 みんなで創る安中の環境(協働による重点的取組)
「環境像づくりに向けた課題」
意見等:「里地里山の保全と活用」の欄に「里山の保全と木質制限の有効活用」、「資源・エネルギー利用に伴う環境負荷の低減」の欄に「バイオマス等の活用」とあるが、「木質バイオマス発電の様な放射能汚染木屑焼却による高濃度の放射能汚染物質の生成リスクを抱える事業は、対象から外すよう明記しておく必要が有る。

頁:P34
項目:協働の目標1 あんなか市民の環づくり
意見等:これは全市的な組織づくりを目指すのであろうが、各地区ごとに抱える問題についても対応できるように、各地区に分科会を設置し、その地域特有の環境問題について事業者を交えて話しあえる仕組みづくりが重要である。

頁:P36
項目:協働の目的2 里山環境交流のまちづくり
意見等:里山環境への大きな脅威となっている産廃処分場計画とメガソーラー計画についても、あんなか市民の環づくりにより、そうした開発申請の手続きの課程においても、地元住民と開発業者との協議の場として機能できるような体制作りが重要である。

頁:P37
項目:「事業者の取り組み」
意見等:「地域で行われる清掃活動をはじめ、里山・農地・水路等の保全・管理や活用などの環境保全活動に参加しましょう」とあるが、これをぜひ事業者に実行させるための仕組みづくりが最重要である。

頁:P41
項目:4-1 みんなで創る里山の環境文化の形成に向けて
意見等:現状では、ここにあるようなお題目をいくら唱えても、実際の里山をめぐる産廃処分場やメガソーラーなど開発事業計画の手続きの場においては、住民の意見はほとんど申請手続きの中で反映されず、里山が無残にも破壊されているのが現状である。したがって、この環境計画の精神が具現化されるように、条例や規則などに反映されるような制度づくりを併せて進めて行かない限り絵に描いた餅になってしまう。行政がかならず住民側の目線に立たない限り、安中市の里山は回復不能になるだろう。以下同様。

頁:P43
項目:項目別方針1-2-2 環境交流を推進します
意見等:これまでの市政の対応を見るにつけ、個々で歌っている取り組みの内容が実現されるとは到底思えない。ここに記載されていることが行政の本気度を本当に示しているのかどうか、住民に分かりやすい表現で示されない限り、荒唐無稽な環境基本計画となることは火を見るよりも明らかである。以下同様。

頁:P46
項目:項目別方針2-1-2 里地・里山を保全し、活用します
意見等:日刊ゴルフ場跡地のメガソーラー計画は中国など外資系ファンドが開発事業者であるため国家安全保障の観点からも計画は中止させるべきところ、安中市行政は全く聞く耳を持たず、開発手続をサポートしている。これではいくら里山の保護・保全・活用などと美辞麗句を並べても、信用ならない。以下同様。
**********

■安中市からは受領確認さえも連絡が来ませんが、当会のコメントは、おそらく期限内に受け取ってもらえたものと思います。

【ひらく会情報部】
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旅行業法違反をめぐる行政や司直の二重基準の是正に向けた当会の活動と記者会見

2016-02-13 00:11:00 | オンブズマン活動
■旅行業法の取扱をめぐっては、地元の有権者を募り毎年、大型バスを20数台仕立てて午前と午後の2回、東京の明治座への観劇ツアーを企画・実施していた小渕「姫」の場合、当会で旅行業違反容疑で告発していたところ、先日、東京地検特捜部から「嫌疑不十分で不起訴処分」の通知が到来しました。

2月12日午後1時すぎに告発状を提出するために訪れた前橋東署。

 一方、当会の会員が主催していた「はらぼじ観光」をめぐる被疑事件では、逆の結果が先日確定しました。

 「はらぼじ観光」の場合、客から直接対価をもらわずに、宿初施設の広報業務を代行していたわけですが、取引先に旅行業法の登録をしていない旨、きちんと伝えた上で営業をしており、顧客は満足こそすれ被害を被った者は皆無でした。にもかかわらず、「はらぼじ観光」を妬んだ群馬県旅行業協会は、全国旅行業協会に、「はらぼじ観光」の訴追を要請し、これに応える形で全国旅行業協会が顧問弁護士7名の連名で「はらぼじ観光」の代表者を相手取り告訴状を提出しました。

 小渕「姫」の場合では、あれほど毎年千人単位で大規模にツアーをしていたにもかかわらず、嫌疑不十分だったのですから、「はらぼじ観光」被疑事件でも、当然、嫌疑不十分ないし嫌疑なしで、不起訴になる筈でしたが、驚くべきことに、告訴状を受け取った前橋東署は、刑事17名を動員して、「はらぼじ観光」の松浦代表宅を強制捜査して、顧客情報の入ったパソコンを押収し、そのため「はらぼじ観光」は廃業に追い込まれてしまいました。

 さらに全国旅行業協会の顧問弁護士らによる告訴状に基づき、前橋東署は、松浦代表を前橋地検に送検し、地検もこれを起訴したのでした。そして、3年半の法廷闘争の結果、先日最高裁から上告棄却の通知が届き、東京地裁での有罪判決が確定し、松浦代表は罰金30万円を課せられることになったのでした。

 一方、群馬県観光業協会の賛助会員には、「総合案内所」とよばれる業者が存在し、「はらぼじ観光」と同じ業態で長年にわたり業務を続けています。「はらぼじ観光」だけを槍玉に揚げて、賛助会員となった総合案内所からは会費を徴収し、旅行業法に定めた登録違反行為には目をつぶるという二重基準が、「はらぼじ観光」の有罪確定により、浮き彫りになったのです。

■このため、市民オンブズマン群馬では、2月12日に、前橋東警察署を訪れ、次の内容の告発状を提出しました。前橋東署では、この告発状を受付して、しかるべき調査を行ったうえで、正式受理をするかどうか判断したいとしています。

**********iqnsj160212rev1.pdf
           告 発 状

  告発人
     住所  群馬県安中市野殿980番地
     職業  会社員(市民オンブズマン群馬 代表)
     氏名  小川 賢(昭和27年3月5日生)  印
     住所  群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
     職業  自営業(市民オンブズマン群馬 事務局長)
     氏名  鈴木 庸(昭和26年9月10日生)  印
  被告発人
     住所  群馬県前橋市大渡町1-10-7
     職業  群馬県旅行業協会事務局長
     氏名  群馬県旅行業協会 青木 譲
     電話番号 027-280-3366

平成28年2月12日
前橋東警察署長殿

第1 告発の趣旨
 被告発人の告発事実記載の所為は、刑法62条犯罪幇助罪に該当されると思料されるので「はらぼじ観光」の旅行業違反事件と同様に捜査したうえで、同人に対する厳重なる処罰を求めて告発をする。

第2 告発事実
 被告発人は、群馬県旅行業協会の事務局長として、総合案内所の業務内容が旅行業違反だということを知りながら、総合案内所を賛助会員として長年に渡り会費を徴収し、その営業を積極的に支援している。
 本件告発に先立ち、平成27年12月7日に最高裁判所で判決が言い渡された事件、すなわち「平成26年(あ)第1118号 被告人 松浦紀之」において、はらぼじ観光と社長松浦紀之の旅行業法違反の罰金30万円の刑が確定した。
 この事件の端緒は、群馬県旅行業協会の上部機関である全国旅行業協会がはらぼじ観光を刑事告発したことによるものであった。
 群馬県旅行業協会の賛助会員である総合案内所は、はらぼじ観光と同じ業態で長年にわたり業務を続けている。
 公的機関である旅行業協会が、同協会の賛助会員以外の者であるはらぼじ観光を刑事告発しその営業を力ずくで止めさせたのに対し、同じ業務をしている総合案内所からは、会費を徴収しその違法行為を積極的に認めているということは、いかなる理由があろうとも、許される行為ではない。
 このままの状態を続けていたら、公的機関である両旅行業協会、すなわち群馬県旅行業協会および全国旅行業協会の信用がなくなってしまい、本来の存在の目的である「旅行者の利便の増進」(旅行業法第1条)を達し得ないどころか、両旅行業協会の存在自体も否定されかねない。
 司直におかれては、どのような力学関係が働くにせよ、憲法の法のもとでの平等の精神が遵守され、この告発がないがしろにされないよう強くお願いしたい。

第3 立証方法
(1) 証人 松浦紀之 (元はらぼじ観光社長、群馬県前橋市下細井町635-15)
総合案内所の業態についてと、総合案内所と旅行業協会との関係について証言する。
(2) 証人 小川 賢 (市民オンブズマン群馬代表)
旅行業協会と総合案内所はらぼじ観光の事件で旅行業協会と面談した内容について証言する。
(3) 証人 生方 隆 (前橋東警察署生活安全課職員)
はらぼじ観光の事件の直接の担当者ではらぼじ被告訴人である青木譲の証言をとっている。捜査の当事者なので旅行業協会の犯罪幇助罪を証言できるはず。

第5 添付書類
(1)群馬県旅行業協会のホームページytipje.pdf
総合案内所が掲載されている
(2)はらぼじ観光の最高裁の判決文ytiqj.pdf
(3)はらぼじ観光の東京高裁の判決文ytirj.pdf
**********

■そして、告発状を提出後、当日午後2時から県庁5階の刀水クラブで記者会見を行いました。次に示すのはその時のマスコミ向け声明文です。

**********
                            2016年2月12日
マスコミ各位
                        市民オンブズマン群馬
                        代表 小川 賢

群馬県旅行業協会事務局長に対する旅行業違反業者からの会費徴収に関する犯罪幇助罪の適用を司直に問うことについて

 旅行業法などというと、多くの人にとってはなじみの薄いことだと思います。旅行業法では、以下の行為をする者は許認可を受けなければならない、としています。

1 パッケージツアーを作って不特定多数の参加者から代金を受け取る
2 お客様からの依頼によって交通機関やホテルなどの予約を代行しお客様から直接対価を受け取る
3 予約に関係して対価を得るが、お客様から直接代金を受け取ることはない。(旅行業法では「関係」ではなく「媒介」という言葉を使っている)

 上記1のパッケージツアーを作る仕事が、一番旅行業らしい旅行業です。許認可の際の供託金も多額になります。ツアー参加者から見れば、リスクもあるので許認可の必要もあると、当会も考えてはいます。
 上記3の行為は、旅行業法の片隅には記載はされていますが、旅行業の許認可を受けずに、予約という行為を商売にしている業者は、観光関連ではたくさん存在しています。今までの業界内の常識では、予約を仕事としていても、直接旅行サービス利用者から対価を得なければ旅行業とは見なさなかったのです。総合案内所はその顕著な例です。
そういう業態まで規制をかけたら、観光産業に関係する多くの人が「摘発」されることになり、観光産業全体が活力を失い、衰退していってしまうという理由もあると思われます。当会会員の松浦氏は上記3の行為で摘発されました。
 小渕後援会の旅行は、“不特定多数”という定義における微妙な点を除けば、上記1の行為に当たり、旅行業法違反でありことは明白です。当会会員がしていた“違法行為”よりも10倍も旅行業らしい旅行業です。
 実は、当会会員が主催していた旅行会社である「はらぼじ観光」と同様に、旅行業法に定める登録を行わないまま、事業を行っている業者は、群馬県内外に、他にも多数あります。
 特に指摘されなければならないのは、はらぼじ観光を旅行業法違反だとして、告発するよう、全国旅行業協会に通報し、告発するように促したのは群馬県旅行業協会の青木譲・事務局長でした。その群馬県旅行業協会の賛助会員に、はらぼじ観光と同じく旅行業法に定めた登録をしていない「総合案内所」があります。
 青木譲・事務局長は、旅行業法の順守を業界に説く立場にありながら、総合案内所の業務内容が旅行業違反だということを知りつつ、総合案内所を賛助会員とし、長年に亘り総合案内所から会費を徴収し、その営業を積極的に支援しています。
 公的機関である旅行業協会が、同協会の賛助会員以外の者であるはらぼじ観光を刑事告発しその営業を力ずくで止めさせたのに対し、同じ業務をしている総合案内所からは、会費を徴収しその違法行為を積極的に認めているということは、いかなる理由があろうとも、許される行為ではありません。
 このままの状態を放置し続ければ、公的機関である両旅行業協会、すなわち群馬県旅行業協会および全国旅行業協会の信用が棄損されてしまい、本来の存在の目的である「旅行者の利便の増進」(旅行業法第1条)を達し得ないどころか、両旅行業協会の存在自体も否定されかねない事態が懸念されます。
 このような判断から、当会では、この度、群馬県旅行業協会と青木譲・事務局長の行為が刑法第62条に定める犯罪幇助罪に該当されると思料されることから、捜査機関に対して、「はらぼじ観光」の旅行業違反被疑事件と同様な手順と手法により捜査するよう求めるために、別紙のとおり、告発状を本日2月12日午前、前橋東警察署に提出しました。
 旅行業法に定めた登録をしないまま観劇ツアーを行っていた小渕優子代議士が、旅行業法に問われないのも不可思議なことですが、旅行業法の番人であるはずの群馬県旅行業協会の事務局長が、無登録営業をしていた特定の業者は告発するが、そのほかの無登録営業の業者は賛助会員だからといって告発しないというのでは、二重基準そのものであり、法のもとの平等にも反します。
 この2つの事件については、どのような政治的、あるいは行政権限的な力関係が働いているのかどうか、一般市民団体である当会には分かりません。よって、憲法の法のもとでの平等の精神が遵守されるように、今回の当会の告発により、行政や司法に対して、整合性のとれた対応を促す一助になることが強く期待されます。
                              以上
**********

■実は、この日の午前中、小渕「姫」の旅行業法違反容疑にかかる「不起訴処分」に対する審査申立を行うべく、当会は東京地裁に赴き、審査申立書を提出する予定にしていました。しかし、残念ながら、申立書の内容に不備を指摘された為、あらためて2月15日に東京地裁の3階にある東京検察審査会を訪れる予定です。

 こちらの件についても、マスコミ向けに次の声明を出しました。

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                             2016年2月12日
マスコミ各位
                        市民オンブズマン群馬
                        代表 小川 賢

小渕優子代議士の旅行業法違反容疑が不起訴処分「嫌疑不十分」になったことについて

 いわゆる「観劇ツアー」と称して、毎年、バス20数台を仕立てて、千人単位の地元有権者を対象に、東京の明治座に日帰り旅行を企画し、代金を徴収して、実施していた小渕代議士とその取巻きの秘書らについて、当会は、2015年6月23日付で、代表者である小渕代議士を被疑者として、政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に告発していました。この度、平成28年1月26日付で、東京地検から「処分通知書」が届き、当会の告発は「不起訴」という判断がなされました。
 その後、2016年1月29日に当会は、「不起訴裁定主文及びその理由についての確認請求」を東京地検に行いました。すると、2016年2月4日付で、東京地検から「不起訴処分理由告知書」が届き、そこには、不起訴処分の理由として「嫌疑不十分」とありました。
 一方、当会には、2015年12月7日に最高裁判決で旅行業法違反の罰金刑を受けた会員がおります。その会員は長年に亘り旅行業を営んでいましたが、新たに、旅行業法に抵触しないかたちでのビジネスモデルを構築し、旅行業法に定める登録をしていないことを旅行サービス利用者や観光業者や観光情報に周知したうえで、ビジネスを展開し、県内外で10万件に上るサービス利用実績件数を誇るまでになり、群馬県内の観光業に多大な貢献をしてきました。この間、旅行サービス利用者や観光業者の誰ひとりとして、損害を被ったものはおらず、利用者や業者からのクレームも皆無でした。
 ところが、これを妬んだ群馬県旅行業協会が、元締めの全国旅行業協会に相談して、当会会員である松浦氏を、旅行業法違反(無登録)を理由に告発しようと企みました。その結果、当会会員である松浦氏は2012年4月19日(木)午前10時頃、前橋東警察署の強制捜査を受けました。この端緒は全国旅行業協会による起訴によるものでした。以降、前橋地裁、東京高裁、最高裁と、3年半の歳月を費やし、この度罰金刑が確定しました。
 この2つの被疑事件は、両方とも旅行業法に定めた登録をしていない、という点で共通性があります。しかしながら、代議士の場合は、嫌疑不十分で不起訴処分とされ、一般市民の場合には、起訴されて有罪扱いとされました。
 このことは憲法に定める法の平等の原則に叶っていません。あまりにも不平等です。「法のもとでの平等」という精神を、法律を守らせる側、法律を作る側の人たちが持とうとしない表れではないかと思料する次第です。憲法無視という観点から言えば、憲法9条を無視して現政権が強硬採決して成立させた“戦争法”と共通しているように思われます。
 そこで当会は、小渕優子代議士による旅行業違反被疑事件に関して、この度の東京地検の「嫌疑不十分」による不起訴処分について、不服を申し立てるべく、本日(2月12日)午前、東京検察審査会に審査申立てを行いました。松浦氏は、最高裁が下した最終裁定に服する覚悟を決めています。それは、我が国が法治国家であり、国民として法律を順守するという精神が大切だということを十分認識しているからです。
 それだけに、なぜ小渕優子代議士や秘書らその取り巻きが、同様に無登録のまま、長年に亘り東京・明治座への「観劇ツアー」や後楽園球場での巨人戦「観戦ツアー」を行ってきたのに、旅行業法違反が問われないのか、不思議でなりません。
 この2つの事案の間に、どのような不平等があるのか、ないのか、あるいは、代議士の場合に適用されて、一般住民には適用されない理由が何かあるのかどうか、東京検察審査会によって、はっきりと示されることが強く期待されます。
                              以上
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■前者の群馬旅行業法協会に対する告発の件は、警察のほうで動きがあれば都度報告する予定です。また、後者の小渕「姫」に関する審査申立書の提出については、追ってまた報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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