市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

「姫」の旅行業法違反容疑に係るオンブズマンの告発に対する不起訴処分の理由は「嫌疑不十分」

2016-02-06 23:52:00 | 政治とカネ
■「姫」こと小渕優子・元経産相が後援会の名のもとに毎年バス20数台を連ねて午前と午後、東京の明治座に地元の選挙民を対象に、千人単位で観劇ツアーを催していた件で、旅行業法に定めた登録をしていなかったことから当然旅行業法違反であることは明白であるので、市民オンブズマン群馬では公職選挙法違反・政治資金規正法違反とともに、旅行業法違反で平成27年6月23日に東京地検特捜部に告発状を提出していました。ところが、先日突然、不起訴処分通知が送られてきたので、どのような理由で不起訴処分になったのか、理由を求めていたところ、本日2月6日に東京地検から簡易書留で次の封筒が届きました。

東京地検から簡易書留で送られてきた不起訴処分理由告知書が同封された封筒。



 内容は次のとおりです。

**********20160206rmij.pdf

様式第119号(刑事法第261条、規程第76条)
       不 起 訴 処 分 理 由 告 知 書
                         東地特捜第2087号
                         平成28年2月4日
 小 川    賢  殿
          東京地方検察庁
            検察官検事 小 嶋 英 夫

 貴殿の請求により下記のとおり告知します。

             記

 貴殿から平成27年6月23日付けで告発のあった小渕優子に対する旅行業法違反被疑事件の不起訴処分の理由は,次のとおりです。

 (不起訴処分の理由)

  嫌疑不十分

               平成28年検第2002号
**********

■こうして当会では、「姫」が無登録のまま後援会に旅行を企画させ旅行代金を集めていたことから、こうした行為は「旅行業法違反である」という主旨で東京地検特捜部に告発をしていましたが、その回答は「嫌疑不十分」で不起訴ということで、本件が司直の判断で不起訴として決着したことになります。

 ということになりますと、誰でも千人単位でバスツアーを企画し、参加者を募り、参加費を集金しても嫌疑不十分なのですから不起訴処分という扱いを受けることになるわけです。そうなると、今回と同様なバスツアーの企画、募集、徴収をする限りにおいては、無登録でも問題ないということになります。これは特に政治家の皆さんには“福音”と言えるかもしれません。どうどうと後援会の形で、バスツアー開催により有権者と積極的に接点を持てるからです。

■我が国は司法国家ですから、法の執行に二重基準があってはなりません。代議士なら無登録で旅行業法に基づくバスツアーを行ってもよいが、一般市民が同じことをやったら旅行業法違反でしょっぴく、などということは許されないはずだからです。

 しかし、当会会員で、平成27年12月7日に最高裁判決で旅行業法違反の罰金刑を受けたかたがおられます。同会員の場合は、同様に無登録で営業したとして、群馬県旅行業協会を通じて全国旅行業協会により、同協会の顧問弁護士ら7名の連名で、旅行業法違反容疑で起訴され、3年半を費やした後、罰金刑が確定しました。

 このことに比べると、小渕優子代議士の無登録による観劇ツアーに対する場合は「嫌疑不十分で不起訴処分」で取り調べさえ、ありませんでしたから、あまりにも不平等です。「法の上の平等」という精神を、法律を守らせる側、法律を作る側の人たちが持とうとしないことはこれから見ても明らかです。「人権無視」「憲法無視」という事実は、先の戦争法の成立と共通しているかのようです。

■旅行業法については、まだ一般のかたがたには馴染みが薄いかもしれません。少し説明をしてみます。旅行業法では、「以下の行為をする者は許認可を受けなければならない」としています。

1 パッケージツアーを作って不特定多数の参加者から代金を受け取る

2 お客様からの依頼によって交通機関やホテルなどの予約を代行し顧客から直接対価を受け取る

3 予約に関係して対価を得るが、顧客から直接代金を受け取ることはない。(旅行業法では「関係」ではなく「媒介」という言葉を使っている)


 1のパッケージツアーを作る仕事が、一番、旅行業らしい旅行業で、許認可の際の供託金も多額になります。参加者から見れば、リスクもあるので許認可の必要もあるかもしれません。

 3の行為について、旅行業法の片隅には記載はされていますが、旅行業の許認可を受けずに予約という行為を商売にしている業者は観光関連ではたくさん存在しています。これまでの業界内の常識では、予約を仕事としていても、直接、顧客から対価を得なければ旅行業とは見なさなかったのです。総合案内所はその顕著な例です。そういう事まで規制をしたら、観光産業に関係する多くの人が「摘発」されることになり、観光産業全体が活力を失ってしまうからだという理由もあると思われます。当会の会員の場合は、3の行為で摘発されました。

 「姫」の後援会の旅行は、不特定多数ということを除けば(実際には、群馬5区の選挙民を対象だったので、限りなく不特定多数だと思われますが)、1の行為により、明らかに旅行業法違反です。当会会員が3でしていたことよりも、圧倒的に旅行業らしい旅行業と言えます。

■一般市民、それも公権力の悪事を指摘していたオンブズマン会員に対しては、力ずくで吊し上げておいて、権力の側にいる代議士が法を犯してもお咎めはない・・・今回の、「姫」の旅行業法違反被疑事件が不起訴処分で無罪放免になる反面、一般市民が旅行業活性化のために知恵を絞って実績を上げ顧客に喜んでもらっていても旅行業法違反被疑事件で有罪判決を受け、罰金刑に処せられるという事実があるのです。

 一体、我が国は本当に法治国家なのでしょうか?権力者優遇の不法国家などと海外から来日した外国のかたがたに誤解を受けないように、この問題はきちんとけじめをつけておきたいと考えております。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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大同有害スラグ問題を斬る!・・・これでいいのか渋川市「大同様ご機嫌お伺い主義ここに極まれり」その1

2016-02-06 12:01:00 | スラグ不法投棄問題
■大同特殊鋼の第91期(平成26年4月1日~平成27年3月31日)の有価証券報告書を見ると、渋川工場(従業員460名)の帳簿価格は145億円とあり、1位の愛知県東海市の知多工場・知多型鍛造工場・知多帯鋼工場(従業員1151名)の帳簿価格693.12億円に次いで第2位となっています。因みに3位は星崎工場(従業員数467名)で帳簿価格は141.05億円です。

大同のために補正予算を組んだ渋川市に関する記事を報じた2月5日付上毛新聞。

 渋川工場はかつては関東製鋼㈱でしたが1964年(昭和39年)に大同特殊鋼と合併して以来、既に半世紀が経過しています。その間も延々とスラグを排出してきたことでしょう。もし大同特殊鋼に合併吸収されていなければ、どうなっていたのかわかりませんが、少なくとも、渋川市政の対応を見る限り、「大同様至上主義」となっており、完全に企業統治下にあり、大同の威光に逆らえない風潮が渋川市役所内に蔓延しているのかもしれません。
日本鉄鋼協会1957年6月1日号会誌「関東製鋼 KK 渋川工場(第 52 回講演大会工場見学記)」
19570601u52uhwlkkah.pdf

 参考までに大同特殊鋼のコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する上記の有価証券報告書における記載内容は次のとおりです。

当社では、変化の激しい経営環境に対応すべく、コーポレート・ガバナンスを経営の最重要課題のひとつと認識し、経営の効率化、意思決定の適正化・迅速化および経営の透明性の確保に向けた取組みを行っております。
 また、社会に貢献する企業としての責任を明確にするために、「リスクマネジメント委員会」を設置するとともに、『大同特殊鋼企業倫理憲章』を制定し、社会に開かれた企業としての基盤の整備に努めております。なお、財務報告の信頼性を確保するために、「内部統制委員会」を設置しております。これらの詳細は③「リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりです。


 大同に牛耳られている感のある渋川市で、群馬県の地方紙にまたしても危険スラグにまつわる報道がありましたのでご報告いたします。

**********2016年2月5日上毛新聞asxol.pdf
スラグ処理へ補正 年度内にも工事 渋川市
 大同特殊鋼(名古屋市)の渋川工場から出た鉄鋼スラグ問題で、渋川市は9日の市議会臨時会に、市内9カ所で行うスラグ処理費を盛り込んだ本年度補正予算案を提出し、年度内にも対策工事に着手する。
 市と同社は昨年12月に基本協定を結び、調査、撤去、処分、復旧工事などの費用負担について個別案件ごとに協議していく方針を示していた。対策工事が行われるのは小中学校の駐車場、市道などで費用は計約2500万円。市はこのほかの場所についても、状況に応じて順次対策を進めるとしている。
 市内では同社から排出されたスラグが計約72カ所で確認され、一部から基準値を超える有害物質が検出されている。
**********

 当会では、この報道で示されている、あまりにも少なすぎる計約2500万円の根拠を示す「渋川市・危険スラグ処理補正予算案」を入手しました、合わせてご覧ください。




**********ash27nqxo1.pdf
議案第3号 参考資料 「平成27年度2月補正予算 一般会計 繰越明許費事業一覧」
◎鉄鋼スラグ対策工事(市道分)3,262千円
 ○市道1-5590号線土壌汚染調査業務委託
       概要:・土壌汚染調査9カ所 ・L=86.2m
       繰越しとなる理由:・大同特殊鋼㈱と協議が整ったので直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年7月31日
 ○市道4-2041号線舗装被覆工事
       概要:・As舗装工 A=53.6㎡
       繰越しとなる理由:・大同特殊鋼㈱と協議が整ったので直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年6月30日
◎鉄鋼スラグ対策事業(公園分)7,383千円
 ○渋川スカイランドパーク第4駐車場土壌汚染調査業務委託 
       概要:・土壌汚染調査 ・A=7,008.0㎡
       繰越しとなる理由:・大同特殊鋼㈱と協議が整ったので直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年7月31日
 ○渋川スカイランドパーク第5駐車場土壌汚染調査業務委託
       概要:・土壌汚染調査 ・A=5,260.0㎡
       繰越しとなる理由:・大同特殊鋼㈱と協議が整ったので直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年7月31日
◎鉄鋼スラグ対策事業(小学校分)5,735千円
 ○渋川市立古巻小学校駐車場舗装被覆工事
       概要:・As舗装工 A=758.0㎡
       繰越しとなる理由:・鉄鋼スラグを含んだ砕石が露出しているため直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年6月30日
 ○渋川市立橘北小学校駐車場舗装被覆工事
       概要:・As舗装工 A=512.1㎡
       繰越しとなる理由:・鉄鋼スラグを含んだ砕石が露出しているため直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年5月31日
◎鉄鋼スラグ対策事業(中学校分)4,439千円
 ○渋川市立渋川中学校駐車場舗装被覆工事
       概要:・As舗装工 A=130.0㎡
       繰越しとなる理由:・鉄鋼スラグを含んだ砕石が露出しているため直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年4月30日
 ○渋川市立赤城北中学校駐車場舗装被覆工事
       概要:・As舗装工 A=920.2㎡
       繰越しとなる理由:・鉄鋼スラグを含んだ砕石が露出しているため直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年6月30日

◎鉄鋼スラグ対策事業(体育施設分)4,698千円
 ○渋川市民体育館駐車場舗装被覆工事
       概要:・As舗装工 A=726.4㎡
       繰越しとなる理由:・大同特殊鋼㈱と協議が整ったので直ちに事業着手するが、年度内では準備工期が確保できないため
       完了年月日:平成28年6月30日
**********

■群馬県が、不法投棄された産業廃棄物と認定した危険スラグの対策について、発覚から2年余り経過した現場なのに渋川市がとった対応策は、なんと撤去ゼロ!

 まったく驚くべき内容としか言いようがありません。

 渋川スカイランドパーク第4、第5駐車場の危険スラグは、猛毒六価クロムやフッ素が基準値を超えて含まれていることが調査済みです。なのに撤去せず、その下の土壌を先に調査するのだそうです。

 ボーリング調査でもするのでしょうか?危険スラグを撤去してからでも土壌の汚染具合は調査できますので、一体何の意味があるのでしょうか?思惑や結末を想像すると、自ずと悪魔の顔が浮かんできて、恐ろしくなってきます。

 臭い物にフタの「舗装被覆対策」ではなく「撤去対策」を主張する考えに対し、渋川市を明るくしてくれるはずの某党派所属市議が「『舗装工自体には違法性はない』から今回の対策でいいのだ」などと、訳の分からない主張を唱えているという情報がリットン調査団に入ってきました。

 確かに舗装工事自体に違法性はありません。違法性があれば世の中のアスファルト舗装した道は、全て違法な道になってしまします。「舗装で被覆して危険スラグを放置するのことに、違法性があるのではないか?」と話しているのです。市民に選ばれた筈なのに、余りのおバカ加減に、開いた口がふさがりません。

■当会では上記鉄鋼スラグ対策事業のうち、市道4-2041号線の緊急調査をリットン調査団に依頼しました。場所は旧子持村、渋川市吹屋という場所になります。


横断歩道の向こうにカラーコーンが見えます。


しかし周りは畑ですよ。また、この道を使わないと家に入れないお宅が何件かあります。お気の毒でこれ以上撮影できません。よくもま~あ渋川市は、スラグ問題発覚から2年余りも、カラーコーン一つで危機対策だとして済ませたものです。大同様にべったりのご機嫌伺いより、市民の健康を守ってもらいたいものです。


少し離れた場所所にあるカラーコーン。「この場所に使用されているスラグ砕石に、基準値を超える『フッ素』が含まれていることが分かりました。このため、当分の間、関係者以外の方は立ち入らないようご協力ください。今後、市民の健康および周辺への影響を十分に考慮しながら、適切な対応を実施していきます。 渋川市建設部土木維持課」だそうです。「関係者以外は立ち入らないでください」って言われても、ここを通らないと家に入れない人はどうするの?市民の健康を十分に考慮するというのは嘘で、「大同様のご機嫌をうかがいながら対応を実施していきます」の間違いではないのですか?


スラグ砕石を見ていきましょう。黒光りサビ浮石だ!


うわぁ~その先は危険スラグ生一本だ。そんなに広い道ではないので、アスファルトで舗装するくらいなら、撤去しても、工事の手数は変わらないのでは?そうか!撤去すると大同様が産業廃棄物処理費用を負担しなければならないから、大同様のご機嫌を損ねないように、舗装で被覆するのですね。地域住民の健康被害など勿論無視ですよね。

■小中学校の対策も撤去などせず、アスファルトで被覆するようです。一時、「せめて小中学校ぐらいは撤去するのではないのか」という噂がながれましたが、圧力がかかったのでしょうか?

 結局、大同様のご負担が少なくなるよう、とうとう舗装被覆工事になってしまいました。せめて子ども達が集う小中学校ぐらい、危険スラグを撤去していただきたい。古巻小学校の様子をもう一度見ていきましょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
○2016年8月16日:大同スラグ問題を斬る!…お盆休み返上調査(その5)渋川市の対応「ここが変だよ、その16」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1697.html#readmore


古巻小学校の職員駐車場です。この駐車場をアスファルト舗装で被覆すると思われます。舗装しても、何時かは壊れてしまうので、そのとき、小学生の口や鼻に入らないようするには、撤去するしかありません。いくら大同様のお膝元とはいえ、将来の渋川市を背負って立つ子ども達の通う小中学校だけは、せめて有害スラグを撤去してもらいたい。


アスファルト混じりのリサイクル砕石の中に、危険スラグが発見できます。


古巻小学校では、駐車場だけでなく裏門のリサイクル砕石に危険スラグが入っています。


古巻小学校の裏門内は対策から漏れているように思われます。子ども達の健康がかかっているのです。裏門内も撤去していただきたいのです。お役人様に良心というものはないのですか?

■このように渋川市の対策は、この期に及んでも、大同様への配慮、市民(子ども達も含め)への無配慮という倒錯した公僕意識が原因で、「スラグ全面撤去」というアイデアはかき消されてしまっています。「業高民低」のゆがんだ市政は、安全・安心な市民生活に対して脅威でしかありません。

 渋川市は、一刻も早く、スラグ対策を、舗装による被覆でなく、撤去によるリスク排除へと、有害スラグ対策方針を直ちに転換しなければなりません。

■ところで、今回追加調査した旧子持村吹屋地区の現場の状況ですが、現渋川市長が子持村村長だった頃に、子持村役場指定材料として敷き砂利されているようです。子持村村長時代より大同様のご機嫌を取り、市長となって更にご機嫌取りがエスカレートしていることが垣間見えてくるようです。

 子持村村長時代の恥ずかしい負の遺産を、渋川市長となった現在、隠蔽しているとも言えます。

 大同様へのご機嫌取りや、その思いが「隠蔽」という文字を頭に描かせているから、渋川市長としては「舗装被覆工事」しか結論を導けないのかも知れません。

 この狭い道に補足材を足して舗装するなら、撤去した方が良い工事が出来るでしょうし、手数はあまり変わらないと思われます。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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