■「姫」こと小渕優子・元経産相が平成27年10月20日に渋川市内に自身の後援会主催の集会を開いた際、群馬県警が少なくとも4名の警察官を会場に派遣し、いわゆる「サービス警護」を行いました。その件に関して、当会は群馬県警に対して情報公開請求を行っていたところ、県警からは開示延長通知が届き、開示が先送りされていましたが、ようやく平成28年2月2日に開示された文書を受け取ることができました。
その文書に目を通せば通すほど、警察の出鱈目ぶりに呆れてしまいます。詳細は、追って報告するとして、速報として概略を次の通りお知らせします。群馬県警に情報公開請求をした当会の副代表のブログも参照してください。
http://ookawara.doorblog.jp/archives/46737978.html
■開示資料「通話用紙:小渕優子代議士の来県に伴う警備要請について ~渋川市内~」
この通話用紙というのは、「群馬県警察 様式第10条(第15条関係)」で定められており、警察内部において、電話や口頭で話した内容を、公文書として残す「メモ用紙」です。群馬県警察では「通話用紙」と定めていますが、「電話記録」とかと呼んでいる警察本部もあったと思います。
平成27年10月20日に群馬県内においでになった、群馬県選出の国会議員「小渕優子」代議士に対して、ちょうどそのとき、会場に居合わせた当会は、会場に少なくとも4名の警察官がたむろしているのを発見しました。
当会の副代表は、その状況を見てすぐに「「群馬県警が警察庁に内緒で、サービス警護をしているのではないか?」という疑問を抱きました。なぜなら、副代表は、かつて群馬県警で、警護係長を4年ほど経験したことがあるからです。
その疑問を確かめるべく、当会は副代表の名前で、群馬県警の小田部耕始・本部長に対して、関連する公文書の開示請求を行いました。その結果、この程、同本部長から公開された「公文書」がこの「通話用紙」の内容です。様式は□の枠組みの文書ですが、記載内容は概ね次のとおりです。
「小渕優子代議士の高崎事務所長から 渋川警察署の警備課に対して電話で「報道陣がたくさん集まるから警備要請」
上述のとおり当会の副代表は、群馬県警で警護係長を4年経験したことがあります。だからこそ、経済産業大臣を辞任して、今現在は「一介の代議士」でしかない「姫」こと小渕優子を、群馬県警が「警察庁に内緒で、サービス警護をしたのではないか?」という疑問を持ち続けているのです。
そこで、この警護の業務を担当する群馬県警察本部・警備第二課・実施担当補佐・警部・千木良高史(ちぎら たかし)「警察手帳番号 群馬県警察 第02762号」に、この文書開示の際、前記の質問をしたものです。
千木良警部の説明の要旨は「警護要則に基づく警護ではなく、あくまでも、報道取材陣で混乱するので、会場の警備を要請された」とし、警護要則ではないことを強調していました。
まあ、県警側の手前味噌的な説明は何でもいいのですが、「被告人になるかもしれなかった群馬5区選出の代議士」が釈明のために立ち寄った群馬県内の集会施設の会場を、 「天下の警察が警備した」という証拠書類です。ごゆっくりとご覧ください。
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小渕優子代議士の来県に伴う警備要請について ~渋川市内~
通話用紙
群馬県警察 様式第10条(第15条関係)
通話日時 平成27年10月16日 午前9時30分
発信者 小渕優子高崎事務所井 =発信取扱者 小渕事務所( 所長)=
あて名 渋川警察署長 殿 =受信取扱者 渋川警察署( )=
件名 「小渕優子代議士の来県に伴う警備要請について ~渋川市内~」
本文 「小渕優子代議士の高崎事務所で所長の です。今日の新聞に掲載されているように、小渕代議士は、一連の事件が完結したことから、10月20日(火)渋川市内のホワイトパークにおいて、地元後援会幹部を集め、説明会を開催します。
(12文字分黒塗り)は承知していますが、報道陣の警戒をお願いしたい。
記
1 説明会日時
平成27年10月20日(火)午後3時から午後4時30分までの間
2 説明会場所
渋川市石原1600番地1 「ホワイトパーク」
3 参加後援会幹部数
地元県議会議員をはじめとする後援会幹部約30人
4 記者会見場所
同ホワイトパークの別室を借上げ実施予定
5 警備要請の内容
(1)事件は終息しているが、今だ都内の小渕優子の私邸に報道陣が取材のため大勢集まって来ている状況がある。
(2)今回、代議士は地元後援会幹部に説明したいとの要望で実施する。
(3)渋川ホワイトパークでも報道陣が多数集まる可能性があるので、警戒をお願いしたい。
※ 要請に基づき、当署員 名を (19文字黒塗り)するとともに、 (20文字黒塗り)としたい。
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上記の文書の最後の段落にある※部分は、小渕事務所から会場の警備要請を受けた渋川警察署の、“警備体制についての意見を述べられる地位にある”警備課員が書いた「署長に対する意見」であり、その証拠に「久住(くすみ)」という渋川警察署の署長が「決済印」押しています。
ところが、この文書に群馬県警の小田部耕始・本部長の決裁を受けた文書が存在しないのです。
前橋警察署に、一切の文書がない、ということも驚きですが、「渋川警察署長から群馬県警察本部長に報告した文書もない」という事実もまた、呆れてしまいます。以上が、公文書の開示結果でした。この意味するところは、「警察の本質とは文書を隠したいこと」ということです。これそのもの が結論なのです。
今回、公開された文書はもう少しありますが、驚くべきことに、群馬県警察・渋川警察署・警備課長・梅村幸弘(うめむら ゆきひろ)警部の「時間外勤務命令簿」という警察内部の文書も『真っ黒けのけ~』で、開示(?)されました。 次の写真をご覧ください。
↑群馬県警が公開した真っ黒け文書。↑
■もっと凄いこともわかりました。
地元の上毛新聞(平成27年10月20日の当日)に、「前橋で記者会見する」と報じられたそうですが、これを見た群馬県警で「警護」を担当する「群馬県警本部 警備第二課長」が、前橋警察署の「警備課」に対して、「警備課員を警備配置せよ」と要請して、「里見」と称する「群馬県警本部の警備第二課長」が自らその会場に配置して、警備に当たったとともに、地元前橋警察署の警備課員も警備にあたった」そうです。
ところが、なんともはや、その証拠書類(簡単な「通話用紙」)すら存在しない、という、怪奇的現象が明らかになりました。
そのような事実について、当会の副代表から県警側の開示担当者に対して、「警察庁に確認してもいいのか?」と確認したところ、同人は「大丈夫です」と胸を張っていました。
■以上の奇妙な現象が物語っているのは、要するに、警察庁の人事で「群馬県警察本部長」として配置されている“中央官僚”にとっては、「代議士を大切にすることが、自身の出世に大きな影響力となって繋がってくる」という意味でしょう。
現に、群馬県警察本部長から「総理大臣秘書官」に栄転した人もいたことも事実なのですから・・・。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】