市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有毒スラグ問題を斬る!・・・上武道路に不法投棄された不純物について群馬県議会での報告書を入手④

2017-03-12 23:28:00 | スラグ不法投棄問題
群馬県に告ぐ!「廃棄物処理法に則った対策をしていただきたい。」
 2017年3月19日に全線開通することになると国交省が発表した上武道路は、さながら「有毒スラグ街道」の異名をほしいままにしています。この上武道路に2016年10月スラグが不法投棄された事件について、群馬県議会で調査結果の報告が行われたようです。この報告書を3回にわたり見てまいりましたが、立ち入り調査の結果、(株)佐藤建設工業の関係するほとんどの土地から有害スラグがゴロゴロしているのを確認されているのに、群馬県はほとんど責任追及していません。有害スラグの残骸があるということは、それらの土地で天然石に混合し、道路や公園、農道などに不法投棄してしまったのではないでしょうか?また、改めて群馬県は、不法投棄で告発し直しても良いのではないでしょうか?

群馬県廃・リ課が大同エコメット宛に2014年4月22日付で発出した廃棄物処理法に基づく指示書。

*****群馬県議会での報告書*****PDF ⇒ tcnhs.pdf
                   平成28年12月7日
                   環境森林部廃棄物・リサイクル課
                   産業廃棄物係

  国道17号上武道路工事現場から鉄鋼スラグに類似する
  不純物が発見された件に関する調査結果について

 平成28年10月20日付け国土交通省関東地方整備局高崎河川工事事務所は、国道17号上武道路の工事現場で鉄鋼スラグに類似する不純物約10個が発見されたことを発表しました。これを受けて、当該工事の建設材料の納入業者等に対し廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)に基づく調査を行ってきたところ、その結果は次のとおりです。

1.調査経過等
①立入検査(廃棄物処理法第19条第1項)
・平成28年10月21日(株)佐藤建設工業
②報告の聴取(廃棄物処理法第18条第1項)
・平成28年11月28日(株)佐藤建設工業
           大同特殊鋼(株)
2.調査結果
①(株)佐藤建設工業は、平成22年頃、同社の通称「村上採石場」(渋川市村上地内)において、場内作業道路のぬかるみ補修のために仮設道路材として鉄鋼スラグを使用した。採石場内での鉄鋼スラグの使用状況及び天然砕石等の採掘・積込場所の調査結果から、仮設道路材として使用された鉄鋼スラグが場内で掘削した天然砕石(山砕300-0)に混入し、出荷された可能性が高い。
 なお、天然砕石(山砕300-0)の出荷先については、平成26年2月から平成28年10月までの間、上武道路工事のみで、それ以外には出荷されていない。
②(株)佐藤建設工業が出荷品を一時保管していた通称「石合資材置場」(渋川市小野子地内)入口付近に鉄鋼スラグが散在していたことから、県職員立会いの下、同資材置場に保管中の砕石を撤去させ元の地盤まで掘削したが、鉄鋼スラグは確認できなかった。このため、同所で出荷品に鉄鋼スラグが混入した可能性は低い。
③ 同様に、(株)佐藤建設工業が出荷品を一時保管していた通称「中央橋資材置場」(東吾妻町大字箱島地内)を調査したところ、敷地外周の側溝外側等で少量の鉄鋼スラグが確認されたが、同所における出荷品の一時保管の状況から、同所で出荷品に鉄鋼スラグが混入した可能性は低い。
④(株)佐藤建設工業は、平成24年12月、本社駐車場(渋川市小野子地内)において敷き砂利として鉄鋼スラグを使用したが、同所における出荷品の積卸し作業はなく、同所において鉄鋼スラグが混入した可能性は低い。
⑤(株)佐藤建設工業又は同社の役員等が所有又は使用権原を有するその他の土地についても調査したが、他に鉄鋼スラグは確認できなかった。
3.事業者に対する指導
(1)(株)佐藤建設工業に対する指示
① 撤去した鉄鋼スラグを含む土砂・砕石(約304㎥)について適正に処分し、その結果を報告すること。
② 村上採石場の鉄鋼スラグ使用箇所付近からは、県が指示するまで採石等の出荷をしないこと。
③(株)佐藤建設工業が使用し、又は使用していた土地の総点検を行い、未確認の鉄鋼スラグの使用箇所又は未使用の鉄鋼スラグの保管等がないか確認し、その結果を報告すること。
(2)大同特殊鋼(株)に対する指示
①(株)佐藤建設工業が鉄鋼スラグを使用した箇所の環境調査を実施し、その結果を報告すること。
4.使用箇所の解明及び環境への影響について
① 鉄鋼スラグが発見された上武道路の工事箇所が前橋市内であったことから、廃棄物処理法及び土壌汚染対策法を所管する前橋市に対し、県から調査結果等の情報を提供した。
② 今後とも鉄鋼スラグの使用箇所の解明を進める、あらたに使用箇所が判明した場合は、これまでと同様の方法で環境調査を行い、その結果を速やかに公表する。
③ 判明した使用箇所はすべて県がリスト化し、今後も継続して、地下水等の常時監視のなかで、環境への影響について監視を行っていく。
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 前回のブログ報告についてはこちらです。↓↓
〇2017年2月5日:大同有毒スラグ問題を斬る!・・・上武道路に不法投棄された不純物について群馬県議会での報告書を入手①
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2231.html
〇2017年2月5日:大同有毒スラグ問題を斬る!・・・上武道路に不法投棄された不純物について群馬県議会での報告書を入手②
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2234.html
〇2017年3月5日:大同有毒スラグ問題を斬る!・・・上武道路に不法投棄された不純物について群馬県議会での報告書を入手③
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2252.html

 佐藤建設工業の村上採石場の様子はこちら。↓↓
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村上採石内のぬかるみ補修材として仮設道路材として使用したとしているが、当会には、採石場に石灰のような真っ白な建設資材が山積みにされていたのを目撃したという情報が多数寄せられています。

■さて、群馬県議会への報告書・最大の疑問は次の点です。

我々が納めた血税を使った今回の調査は「どのような法律に基づく調査結果なのでしょうか?」

 報告書には法律の名前が書いてあります。見ていきましょう。

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1.調査経過等
①立入検査(廃棄物処理法第19条第1項)
・平成28年10月21日(株)佐藤建設工業
②報告の聴取(廃棄物処理法第18条第1項)
・平成28年11月28日(株)佐藤建設工業
           大同特殊鋼(株)

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 これを見ると、廃棄物処理法第18条第1項及び第19条第1項に基づく調査であるようです。

■当会ブログ読者の皆様、今回の報告書特集の最大の山場がやってまいりました。

「廃棄物処理法第19条第1項に基づく調査であるならば、その対策も廃棄物処理法によるものでなければならない」

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廃棄物処理法に基づく調査結果

廃棄物処理法に基づいた対策

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 これは、我が日本国において当たり前の事ではないでしょうか?

 たとえば、「Say Yes」で有名な歌手の起こした騒動に当てはめてみれば、さしずめ次のような手順ということになるでしょう。

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麻薬取締法に基づく調査結果

土壌汚染対策法に基づく指導

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 これでは、尿検査にお茶を混ぜなくても、誰が見てもおかしいことに気が付くはずです、いわゆる「土俵が違う」のです。

■そこで群馬県廃棄物リサイクル課は、どのような対策を今回とるのでしょうか?

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①立入検査(廃棄物処理法第19条第1項)
・平成28年10月21日(株)佐藤建設工業

② 今後とも鉄鋼スラグの使用箇所の解明を進める、あらたに使用箇所が判明した場合は、これまでと同様の方法で環境調査を行い、その結果を速やかに公表する。
③ 判明した使用箇所はすべて県がリスト化し、今後も継続して、地下水等の常時監視のなかで、環境への影響について監視を行っていく

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 平成28年10月再び上武国道日輪寺改良工事の盛り土からスラグが発見されましたが、佐藤建設工業が群馬県県土整備部の土木工事に販売した天然石のなかに、スラグは含まれていないのでしょうか?

 そして、次が肝心の対策です。

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③ 判明した使用箇所はすべて県がリスト化し、今後も継続して、地下水等の常時監視のなかで、環境への影響について監視を行っていく。
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 この対策は一体どのような法律に基づく対策なのでしょうか?

■先ほども述べた通り、今回の調査・報告は廃棄物処理法第19条に基づいた調査だそうです。その求められる対策について、廃棄物処理法を何度も読み返しても、上記③のような対策は出てきません。

 よく聞かれる不法投棄事件の話として、「コンクリートを不法投棄したら、逮捕され、コンクリートを撤去させられた」という結末がニュースなどで報じられます。コンクリートには、毒など入っていませんが、撤去させられるのです。

 これは、廃棄物処理法第19条の5に基づく支障の除去の措置命令に基づくものです。この他、同19条の3で、運搬・処分方法の改善命令があります。

 「地下水の常時監視のなかで、環境への影響についての監視を行う」は廃棄物処理法に基づく対策ではありません。まさか、土壌汚染対策法に基づいた対策ではないでしょうか? もっとも、土壌汚染対策だとしても、お粗末な対策です。

 群馬県廃棄物リサイクル課は、大同特殊鋼由来の有害スラグを「鉱さい」という廃棄物に認定していながら、なぜ廃棄物処理法に則って対策しようとしないのでしょうか?

 大同特殊鋼には、廃棄物処理法を適用するが、佐藤建設工業には廃棄物処理法を適用しないとする群馬県優遇処置なのでしょうか? 群馬県職員OBの天下りなどを受け入れると、漏れなく優遇処置がついてくる?のかもしれません。

 こうして疑惑は果てしなく広がりますが、今回の報告は廃棄物処理法に基づく調査から、土壌汚染対策法もどきの対策が取られるようです、こんなことでよいのでしょうか?

■その他の対策も見ていきましょう。

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3.事業者に対する指導
(1)(株)佐藤建設工業に対する指示
① 撤去した鉄鋼スラグを含む土砂・砕石(約304㎥)について適正に処分し、その結果を報告すること。
② 村上採石場の鉄鋼スラグ使用箇所付近からは、県が指示するまで採石等の出荷をしないこと。
③(株)佐藤建設工業が使用し、又は使用していた土地の総点検を行い、未確認の鉄鋼スラグの使用箇所又は未使用の鉄鋼スラグの保管等がないか確認し、その結果を報告すること。
(2)大同特殊鋼(株)に対する指示
①(株)佐藤建設工業が鉄鋼スラグを使用した箇所の環境調査を実施し、その結果を報告すること。

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 廃棄物リサイクル課は佐藤建設工業及び有害スラグ排出者の大同特殊鋼に対し指示を出したようです。

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② 村上採石場の鉄鋼スラグ使用箇所付近からは、県が指示するまで採石等の出荷をしないこと。
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 一体どうしたことでしょうか?村上採石場全体の砕石等の出荷停止の指示ではありません。鉄鋼スラグの使用箇所付近のみの砕石等の出荷停止の指示です。大変危険なのではないでしょうか?村上採石場の鉄鋼スラグ使用箇所付近の場所の特定は、佐藤建設工業任せになっているのではないでしょうか?

 なぜなら、場内作業道路のぬかるみ補修のために仮設道路材として鉄鋼スラグを使用したと佐藤建設工業の自己申告にもとづいて今回の調査・報告が成り立っていると思われるからです。

 村上採石場の鉄鋼スラグ使用箇所付近か否かは、佐藤建設工業が自分に都合が良いように決められるのであれば、「採石場内すべてが安全」と勝手に見なされてしまうでしょう。大量の盛り土材を有害スラグに被せれば、簡単に隠ぺいすることができます。廃棄物リサイクル課の立入り調査は事前に情報が漏れている(?)疑惑もありますので、あながち間違いではないかも知れません。

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③(株)佐藤建設工業が使用し、又は使用していた土地の総点検を行い、未確認の鉄鋼スラグの使用箇所又は未使用の鉄鋼スラグの保管等がないか確認し、その結果を報告すること。
(2)大同特殊鋼(株)に対する指示
①(株)佐藤建設工業が鉄鋼スラグを使用した箇所の環境調査を実施し、その結果を報告すること。

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 これらの指示も佐藤建設工業および大同特殊鋼の自己申告による報告と考えられます。彼らの自己申告に頼った結果、平成28年10月にまたしても、上武道路に有害スラグを不法投棄されてしまったのではないでしょうか?

■群馬県のお役人様におかれましては、せめて上武道路以外にも、佐藤建設工業が天然石を販売していないか、国土交通省・群馬県県土整備部・各市町村に確認を要請すること、せめて、このぐらいの対策は最低限行ってほしいものです。

 また、当会には、村上採石場に石灰のような真っ白の建設資材が山積みになっているのを、麓から目撃したという情報が複数入っています、このいかがわしい採石場の営業停止処置、及び、今回は別事件として、大同特殊鋼共々、不法投棄で改めて刑事告発を行って欲しいものです。

 さもないと、群馬県行政の存在意義そのものが根幹から問われかねないでしょう。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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