市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電補助金差止の住民訴訟の最後となる第4回口頭弁論の報告

2017-03-13 23:01:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■県都前橋市で、しかも群馬県の象徴でもある赤城山南麓に、東電グループの関電工が、東電福島原発事故由来の放射能汚染木材を県外外から年間8万トン集積して、それらをチップ化し、プレスで圧搾して水分を減らしたあと、ボイラーに投入して燃焼させて、蒸気をつくってタービンを回して発電機を駆動させて、東電にFITに基づく高値で売電するという、とんでもない計画が進められています。

3月10日朝の前橋地裁本館の建物正面。

 このため、6年前の3.11福島原発事故以降、放射能による高濃度のごみ焼却灰、浄水濾過砂、下水処理汚泥、雨樋や雨水桝等に溜まった土砂などの発生による生活環境への多大なる悪影響や、樹木の剪定枝の処理制限、湖沼の溜まったヘドロなどセシウムの蓄積や濃縮によって水産業や農林業への深刻な打撃を被ったわけです。ところが、東電やそのグループ企業は、それでも飽き足らず、前橋市や群馬県などの行政側をたきつけて、バイオマス発電と称して、大量の木材を一カ所に集めて燃焼させ、蒸気を作って発電し、売電する計画を立てています。

 このような所為は、原発事故由来の放射能による二次汚染で生活環境が再び脅威に去れされることを強く懸念する地元住民や群馬県民を愚弄するものですが、なぜか、前橋市や群馬県は、東電やそのグループ会社の亡国事業を後押しして、便宜を図っているのですから呆れてしまします。

 とりわけ、群馬県は、設置事業者に対してバイオマス発電施設を計画する際に、環境アセスメントの実施を義務付けた群馬県環境影響評価条例を歪めて、施設から排出される排ガス量を2割棒引きするという暴挙に出たりしたほか、バイオマス発電用の木質チップを製造する施設に、金額の根拠もないまま多額の補助金を支出しているのです。

■このため、当会は前橋バイオマス施設の建設や稼働に反対する地元住民団体の皆様を支援して補助金の交付を食い止めるために、2016年7月15日に「住民訴訟によるバイオマス補助金取消請求事件」を裁判所に提起することに踏み切りました。その後、2016年9月24日に第1回口頭弁論、同11月18日に第2回口頭弁論、2017年1月20日に第3回口頭弁論が開かれてきました。

 そして、第4回目の口頭弁論期日が2017年3月10日(金)午前10時から前橋地裁で開廷されました。

*****開廷表(行政訴訟のみ抜粋)*****
第21号法廷(本件2回)開廷表
平成29年3月10日(金)
●開始/終了/予定:10:00/10:10/弁論
〇事件番号/事件名:平成28年(行ウ)第12号/住民訴訟によるバイオマス補助金取消請求事件
〇当事者:小川賢 外/群馬県知事大澤正明
〇代理人: -   /石原栄一
〇担当:民事第2部合議係
    裁判長:原道子
    裁判官:佐藤薫
    裁判官:金澤康
    書記官:清宮貴幸

●開始/終了/予定:10:30/10:40/弁論
〇事件番号/事件名:平成28年(行ウ)第20号/補修義務等確認(公法上の当事者訴訟)等請求事件
〇当事者:三井不動産株式会社/嬬恋村
〇代理人:   宮田眞   /熊川次男
〇担当:民事第2部合議係
    裁判長:原道子
    裁判官:佐藤薫
    裁判官:金澤康
    書記官:清宮貴幸
●開始/終了/予定:13:10/13:20/第1回弁論
〇事件番号/事件名:平成29年(行ウ)第1号/不動産取得税賦課決定処分等取消等請求事件
〇当事者:有限会社プロット/群馬県
〇代理人:  倉崎淳一  /関夕三郎
〇担当:民事第2部合議係
    裁判長:原道子
    裁判官:佐藤薫
    裁判官:金澤康
    書記官:清宮貴幸
●開始/終了/予定:16:00/16:10/弁論
〇事件番号/事件名:平成28年(行ウ)第14号/懲罰処分取消等請求事件
〇当事者:本庄一志おとリャン・ジー・ボー/国
〇代理人:       滝悠樹     /山崎論司
〇担当:民事第2部合議係
    裁判長:原道子
    裁判官:佐藤薫
    裁判官:金澤康
    書記官:清宮貴幸
**********

■以下に、その模様を報告します。

*****3.10第4回口頭弁論****
 裁判長以下裁判官計3名が入廷するやいなや、書記官から「平成28年行ウ第12号」と事件番号が告げられました。当事者や傍聴者一同全員が起立してお辞儀をしました。

 当事者は原告の当会代表と地元住民団体の事務局長の2名、被告席には訴訟代理人弁護士らと県職員らが8名ほど連なりました。そして傍聴席には、地元の住民の皆さんが10名駆けつけてくれました。

 冒頭に裁判長から「裁判所の構成においてメンバーが変わったので、弁論の更新をお願いする。従前続行するということでよいか?」と発言がありました。

 原告は意味がよくわかりませんでしたが、被告群馬県の訴訟代理人弁護士は裁判長の言っている意味をすぐ理解したらしく、「はい」と即答しました。
調査嘱託回答届いた弁論に提出

そして、乙19号証の準備 先ほどの調査sh区宅の回答書を出しいていt台t。
調査嘱託原本提出、

夫々関係では以上があらかじめ提出されたものの手続

そこで原告だが、貯砂嘱託の結果によるときかもんだい

 裁判長は続いて「(原告らの出訴期限徒過の確認のため、被告から出された)調査嘱託申立の回答が届いているので、これを弁論に提出する。以上については裁判所のほうでする。次に、乙19号証の準備について、これは調査嘱託回答書の提出ということでよいか。ということで、調査嘱託の原本は裁判所にあるから原本提出と言うことでよいか?」と述べました。原告側は裁判長が何を言っているのかよくわからず黙っていましたが、被告群馬県の訴訟代理人の弁護士は、調査嘱託を申し立てたことから、意味がよく分かっている様子で、しきりにうなずいていました。

 裁判長は「以上が、それぞれの関係で、新たに提出された訴訟資料についてだが・・・そこで原告に聞きたい。調査嘱託の結果によると、期間制限については問題がないということになるが、別件(の出直し裁判の推移について)はどうなっているか?」と突然原告側に質問してきました。

 原告は「3月15日にやることになっています」と答えると、裁判長は「第1回弁論か?」と聞いてきたので、「そのとおりですが、なにか、被告側から『ダブルで(訴状を)出したら民訴法違反だ』、とする内容の答弁書が先日送られて来ました」と被告の方に向かって指摘しました。

 裁判長は、原告の被告への指摘には目もくれずに、「もともとこの事件については、入口論である監査請求の関係で、本案前の問題が指摘されていて、それが3つほどある。その1つ目(出訴期間の制限)が、先ほどクリアしたということになる。そのほかにも、監査請求の前置の関係とか、訴えの利益はどうなるのか、というのがあるわけだ。前から、監査請求を前置するという点については、『もう一度やり直しらたらどうか』ということで、別件(の出直し裁判)が起きたわけだから、この事件で、『却下なのかどうか』というのを審理するよりも。その点、監査請求前置の訴訟要件については問題のないように、3月15日に第1回口頭弁論期日が行われる事件の方でやるというのが、いいのではないかと思う」と述べました。

 それを聞いた原告は「私は、裁判長が以前おっしゃった『併合するのがいいのかな』ということについて、今回、『そうなるのかな』と思って今日ここに来ました。ただし、新しい方に移行した場合、また本案前のことについて(被告の群馬県から)いろいろ難癖がつく可能があることが想定されます。要するに、ダブルで(訴状を)出しているというふうに、ですね」と感想を述べました。

 それに対して裁判長は「(裁判を)継続する限りダブルになることは確かだ」と、被告の群馬県側の主張に理解を示しました。原告は「2つの事件を並べることになるわけでしょう?まとめたら、そちらに移行するということで、初めての経験ですが、訴訟指揮に従うつもりでいました」と述べました。

 裁判長は「(2つの事件を)併合すれば、2つあるという問題は、解消するということになる」と言うので、原告は「いずれにしても本案前のドウタラコウタラという段階に時間を取られることなく、我々としては早くこの件決着したいし、本来であれば前置主義に則って明らかに支出の可能性があるということで住民監査請求、訴訟もしています。そういうところで随分長い時間、今日で4回目の口頭弁論ということで、時間をくってしまいました。いずれにしても、(2つの事件を)一緒にしてもらうのが合理的でよいと思います」と感想を述べました。

 すると裁判長は、原告のこの言葉を待っていたかのように「原告の理解では、2つ(の事件)を1つにすれば、問題はクリアにされて、中身に入ることができる部分がある状態になると(原告としては)考えているということですね」と原告の意向を確認するような言い方で持ち掛けてきました。

 原告は思わず「そうです」と答えてしまいました。

 裁判長は、原告から本件の裁判を取り下げるという言質を得たことから、今度は被告に向かって「被告はどう考えるか?(原告が)本件を取りさげた場合、(被告は)別件の重複だという却下の主張は、撤回するのか?」と質問しました。

 すると被告の訴訟代理人弁護士は「まあ、あのう、法律に従って対応したいと思います」などと、禅問答のような返事をしました。

 これを聞いた裁判長は、「(原告は)撤回しますと、言ったんですけど」として、被告に確認を求めました。

 裁判長は「2つ(同じような提訴が)あると、よろしくない、ということでしょう?」と被告に言いかけたので、原告としては「そりゃそうですよ。大体原告の出訴期間に疑問を呈して)2つ(原告に訴状を)出させたうえに、今度は、同じ訴状を2つ出したのは重複訴訟だとして批判するような被告だからね」とコメントをしました。

 すると裁判長は再び被告の弁護士をカバーするかのように「批判というよりは、法律上、そうなるということを、被告は言っているだけだと思う。そういうことだ」と原告に説明をしました。

 さらに裁判長は「一つを取り上げれば、別件の方は少なくとも、監査請求の訴訟要件については問題にはならないし、重複訴訟だという問題も解消するということになる」と述べたので、原告は「ええ、いいですよ。合理的な結果になるのは問題ないですから」と答えました。

 裁判長は「その場合に、仮に原告が(この訴訟を)取り下げたという場合、被告は同意するのでしょうね?ここでできるか?」と被告に聞きました。すると被告の訴訟代理人は「はい」と答えました。

 裁判長は「そうすると(3月の)15日に間に合うか?この取り上げて、同意して消滅したから二重訴訟の関係は解消したということを裁判所に連絡できるか?」と被告に指揮しました。すると被告は「はい」と言いました。

 裁判長は「ということで、今日(原告が)取り下げて、今日(被告が)同意するということを言ってもらったから、被告の方から二重訴訟という理由で却下を求めるというものを、(3月)15日の事件の方に出しているけれども、この問題は解消したという書面を出してもらう」と言ったので、原告は「ということを陳述したことになるのですか?それともまた(原告の方で)書面で出すのですか?取り下げも?」と裁判長に確認を求めました。

 すると裁判長は「取り上げますと言えば、それでよい」と言いました。そして、書記官に向かって「今の件、ちょっと調書に取っておいていいですね。同意するということで取っておいてね」と指示しました。

 続けて裁判長は「最終的には、原告は本件訴訟をすべて取り上げる。被告はそれに同意する。ただし、その前提として、本件について原告が取り下げをし、取り被告が同意し、二重起訴、まあ、重複訴訟に当たるという主張を、別件・・・別件って(事件番号が)何号になるのか?」と被告に尋ねました。すると被告は「わかんない」と答えたので、裁判長は「分からないって、3月15日にある事件ね」と確認を求めたところ、被告は「そうですね」と言うばかりでした。

 裁判長は「それについて、二重訴訟、重複訴訟を理由として却下するということについては撤回するということでよいね」と被告に改めて確認しました。

 その時、書類を調べていた書記官から「(別件の)事件番号が分かりました。平成28年(行ウ)の第27号です」と報告がありました。

 裁判長は「ということだそうなので、それでよいか?」と被告に向かって言うと、被告は「ええ」と答えたので、裁判長は「平成28年(行ウ)第27号事件に提出している重複訴訟に当たるからで却下を求める、という答弁は撤回する旨の書面を頭書裁判所に出すということで、よろしいか?」と宣言しました。

 それを聞いていた原告は「ええ、構いません。構いませんが、ちょっと一言裁判長にお話ししてきたいと思います。裁判長が以前、併合すると言ったので、てっきり(地裁民事)第2部の同じ裁判長のもとでやると思いましたが、(地裁民事)第1部のほうに行ってしまいました。ということは、裁判長は4月以降いなくなってしまうのではないのでしょうか?そういう背景がありますか?」と訊ねました。

 裁判長は苦笑しつつも、「そういうは背景というよりは、(民事第)1部が『この事件を併合しましょう』ということでご相談がないかぎり併合にはならない。被告側にも聞いてほしい」と答えました。

 原告は、第1部に本件の訴訟が移行した形になったことから「長い間お世話になったので、新しく民事第1部になったことについて心配をしています。寂しい限りです」と感想を述べました。この懸念は、このあと5日後に的中したのでした。

 裁判長はほっとした表情で「それでは(本事件について)原告が取り下げる、被告が(そのことについて)同意するということで、終わりにする」と宣言すると、陪席の裁判官2名を引き連れて法廷を退出していきました。

 原告はその背中に向かって「どうもお世話になりました」と声をかけたのでした。。
**********

■以上のとおり、今回の第4回口頭弁論が、前橋バイオマス発電を巡る第1回目の住民訴訟の最後の期日をなりました。

 よく考えてみますと、被告のペースで進められた感があります。二重訴訟だという言いがかりを被告が出直しの第2回目の住民訴訟の答弁書で陳述してきたのですが、その原因をつくったのは、原告の告訴が出訴期限徒過だとして調査嘱託までして、時間を稼いだ被告kにあるわけで、しかも、初回の住民訴訟の提訴の時点では、被告群馬県は、事業者の前橋バイオマス燃料に対して補助金はまだ交付していないから、訴えの利益がない、などと主張しているのですから、本来であれば、取り下げなくてもよかったのかもしれません。

 結局、原告の取り下げて利益を得たのは群馬県の訴訟代理人である石原・関・猿谷法律事務所であり、労せずして着手金が2回分、30万円×2回=60万円が転がり込んだわけです。

 当会としては5日後に開かれる3月15日の出直し裁判に向けて体制を整えたいと考えています。




あと3週間もすれば桜も開花か。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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