どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

助友・・広島

2025年01月29日 | 昔話(中国・四国)

      広島のむかし話/広島県小学校図書館協議会編/日本標準/1974年

 

 力持ち 助友の ほのぼのとした話。

 ・ある年、大雨が降り続き、川下で家が流れそうになったとき、助友が、がんじょうな戸板をもってきて、川の水をせきとめると、水を川上におしあげ、家が流れることを防いだ。

 ・助友の住んでいる村に、寺の釣り鐘をはこんできた一行が、その日、宿をとることになり、いろんな道具が盗まれないようにかたずけたが、さすがに釣り鐘は、盗まれないだろうと、広場に残した。この一行を驚かしてやろうと、助友は、釣り鐘を 広場のそばにあったさがり松の枝へ、その釣り鐘を かけておいた。
 朝になって、広場においた釣り鐘が見つからず、大騒ぎになると、助友がゆっくりやってきて、釣り鐘を松から降ろすと、すたすた帰っていった。

 ・助友のことを伝え聞いた、九州の力持ちが、力比べにやってきたが、助友が、道の真ん中でドスンドシンとしこを踏むと、ひざまで土の中へめりこんだので、九州の力持ちは、とてもかなわないと、逃げかえっていった。

 ・子どもから、「草取りをして、おじさんにまけたら、家の手伝いをする。おじさんが負けたら薪をいっぱいつくっておくれ。」といわれた助友が、草取りの競争をはじめますが、草取りには力の出しようがなく、約束にしたがって、薪を作ることになった。助友は、うら山へ行き、大きな枯れ木を一本引き抜くと、たちまち、いっぱい薪を作ってかえってきました。よろこんだのは子どもたちでした。

 

 とんでもない力持ちではなく、ほどほどの力持ちというのが、うれしい話。


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