現代アジア児童文学選5/アジアの笑いばなし/ユネスコ・アジア文化センター・編 松岡享子・監訳/東京書籍/1987年
国家試験を目前にひかえた三人の受験生が、結果をうらなってもらうため、ある占い師のt子へ行きました。
すると、占い師は、なにもいわず、ただだまって指を一本立てて見せました。
結果が発表されてみると、三人のうちひとりだけが合格しており、おかげで、この占い師の評判はぐんとあがりました。
占い師の弟子が、どうしてそれがわかったか たずねると、占い師は、「成功の秘訣は、ものをいわぬことじゃ」と、いいました。そしてこうつけくわえました。
指を一本立てると
三人のうち一人だけが合格するという意味にとれる。
ふたりが合格しているなら、ひとりがおちると意味にとれる
三人そろってとおったとすると、三人そろっていちどに合格したという意味にもとれる
なるほど、沈黙は金か。