どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

おとら岩・・愛媛

2024年09月08日 | 昔話(中国・四国)

     愛媛のむかし話/愛媛県教育研究協議会国語委員会編/日本標準/1975年

 

 貝やヒジキ、ワカメをとって暮らしていたおとらばあさん。

 きょうも海へ行くと、おおきな岩の上に、今まで見たこともない大きな大きなタコが寝ていた。おとらさんよろこんで、タコをかごにいれようと思ったが、とてもはいりきらん。それで足一本だけでもと、鎌で切って町へ売りにいくと、いつもの二倍のお金をもうけた。

 つぎの日も、タコのおった岩にいくと、やっぱりタコはねとった。おとらさん、そろっと二本目の足を切って、また町へ売りにいった。

 つぎの日も、つぎの日もタコの足を切り取って、とうとう八日目に、八本目の足になったとき、タコはぐいとおきて、「この足はおまえにやれん」と、八本目の足でおとらさんをぐるぐる巻きにして、海へ引きずり込んでしまった。それでタコが寝ていた岩を「おとら岩」というようになったんじゃと。

 

 過ぎたるは猶及ばざるが如しか?


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