どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

だらじむことカニ・・島根

2025年02月05日 | 昔話(中国・四国)

      島根のむかし話/島根県小中学校国語教育研究会編/日本標準/1976年

 

 あるところに、だらじ(ばか)の若者がいて、婿入りすることになった。わかもんのかかさんは、「よめさんのところでカニがごちそうにでるかも知れん。そしたら、ふんどし(カニの殻)はずいて、ぜんの先へやっちょいてくわしゃいよ」と、教えてやったげな。

 婿入りして、ほんに、大きなカニがぜんの上にでちゃげで、かかさんからいわれたように、ゴソゴソ、自分のふんどしをはずいて、ぜんのうえにすえおいて たべたげな。

 よめごさんが、「おまえ、なにするか」ときいたら、かかさんがおしえてくれたことを話した。

 おどろいたよめさんが、「お前のふんどしではない、カニのふんどしのことだがね」というと、ふんどしをごそごそ自分でして、なにもなかったように、カニのふんどしをはずいて、クワったと。

 

 ”ばか”というと、どうにも抵抗があるが、”だらじ”といわれると、すんなりはいってくる話。


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