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どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

「大洪水」のものがたり

2015年08月24日 | 昔話(北アメリカ)

   「大洪水」のものがたり/ウサギどん キツネどん/J.C.ハリス作 八波 直則/岩波少年文庫/1953年初版


 動物会議の席で、ゾウに踏まれたザリガニ。
 「ここにおるぞう。」というまもあらせん。
 またゾウがザリガニを踏んづけ、ドロガメも踏んづけられるところじゃったのさ。

 やがてのこと、ザリガニはドロガメ、イモリとしめしあわせて、地面に小さなあなをあけて、かくれてしもうた。

 ザリガニたちが、地面の底の泉のところまでもぐっていったので、さあたいへん。泉が高く高くふきでて、丘も山もかくれてしまうほどの大水。

 「はこぶねは、どこににあったの? リーマスじいや。」と男の子がたずねる。

 「箱舟が出たか出なんだか、じいやはそんなこと、きいたこたないのでね。箱舟が出なんだというのに、わざわざ、じいやが箱舟こさえて浮かべるわけにゃいかんでなあ。さあ、もう寝る時間じゃ、ぼっちゃん。」

 19世紀にアメリカ南部黒人方言で書かれていて、訳には相当苦労されたようだが、そのぶん、あじがあるように思う。

 世界中に知られた「リーマスじいや」が、日本ではあまり有名ではないという訳者ですが、わたしもこの名前は はじめてでした。


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