「大洪水」のものがたり/ウサギどん キツネどん/J.C.ハリス作 八波 直則/岩波少年文庫/1953年初版
動物会議の席で、ゾウに踏まれたザリガニ。
「ここにおるぞう。」というまもあらせん。
またゾウがザリガニを踏んづけ、ドロガメも踏んづけられるところじゃったのさ。
やがてのこと、ザリガニはドロガメ、イモリとしめしあわせて、地面に小さなあなをあけて、かくれてしもうた。
ザリガニたちが、地面の底の泉のところまでもぐっていったので、さあたいへん。泉が高く高くふきでて、丘も山もかくれてしまうほどの大水。
「はこぶねは、どこににあったの? リーマスじいや。」と男の子がたずねる。
「箱舟が出たか出なんだか、じいやはそんなこと、きいたこたないのでね。箱舟が出なんだというのに、わざわざ、じいやが箱舟こさえて浮かべるわけにゃいかんでなあ。さあ、もう寝る時間じゃ、ぼっちゃん。」
19世紀にアメリカ南部黒人方言で書かれていて、訳には相当苦労されたようだが、そのぶん、あじがあるように思う。
世界中に知られた「リーマスじいや」が、日本ではあまり有名ではないという訳者ですが、わたしもこの名前は はじめてでした。
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