小さな仕立て屋さん/ムギと王さま/ファージョン・作 石井桃子・訳/岩波少年文庫/2001年初版
大きな仕立て屋さんの年季奉公人のロタという19歳のお針子。
彼女はデザイナーとしてもすぐれていましたが、自分ではまだそれに気づいていませんでした。
若き王さまが花嫁を選ぶ仮装舞踏会が開催されることになり、ロタは花嫁候補のドレスをつくることになります。
花嫁候補はヨーグルト侯爵令嬢、キャラメル伯爵令嬢、プリン嬢の三人。
ロタがつくることになったのは、日の光と、月の光と、ニジをイメージした3つの夜会服。
火曜日、光のように輝くドレスを作り、花嫁候補にようすをみせるために、ロタはできあがった夜会服を試着してご殿にでかけます。
ご殿につくと、入り口で従僕からダンスを踊ってくれるようたのまれたロタは、踊り始めますが、舞踏会はじまる時間になって、大広間から喝采の音がおこるのを聞いてお店に帰ります。
水曜日、真夜中に照る月のようなドレスをつくってご殿にでかけたロタは、前の若い従僕と同じように踊ります。
木曜日、重なる黒い雲の間に出かかった小さいニジのようなドレスを試着したロタは、またしても若い従僕と踊りますが、プリン嬢がその服を着て、大広間にでかけ、驚嘆のため息がするのを聞きながらお店にかえります。
やがて王さまの結婚式の花嫁衣装をたのまれ、つくったのは雪のように清いドレス。
だれが花嫁にきまったのかわからないまま、ドレスを試着してでかけたロタでしたが、ここでまっていたのは、またもや若い従僕でした。
仮面舞踏会ですから、王さまが若い従僕に変装しているかと思いきや・・・・?。
三回の繰り返しは昔話のパターン。どこかのおはなし会で、話されていましたが、大分長く40分はかかりそうです。
舞踏会、夜会服と華やかな世界ですが、どんな想像をしながら聞くでしょうか。想像するにもベースになる部分がありますから人によってさまざまでしょう。
しかし映像や絵本であったら、くどくどいわなくても一瞬のうちに、華やかな世界を見させてくれます。
情報量の違いをどんなふうにとらえたらよいか迷います。
侯爵令嬢等の名前は作者が楽しんでつけたものでしょうか。
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