モモの木をたすけた女の子/ムギと王さま/エリナー・ファージョン 石井桃子・訳/岩波少年文庫/2001年初版
ヤング・ケートはドウさんの家の女中でした。仕事がすむと屋根裏部屋の窓から見える牧場にいっていいかドウさんさんにたずねると「<みどりの女>に会うといけないから」と、牧場にいく許可はでませんでした。
窓をみがいていると、谷を流れる川が見え、おくさまに川にいってもいいかたずねると、「<川の王さま>に会うといけないからと許可は出ません。
森にいってもいいかたずねると、「<おどる若衆>にあうといけない」と言われてしまいます。
ドウさんが死ぬと、ケートは新しい奉公先を見つけ、そこまで歩いていきました。草原のところまで来ると、そこには<みどりの女>が花を植えていました。みどりの女が、人が花を植えないと、この牧場を通してやらないというので、ケートはヒナギクを植えました。すると<みどりの女>は、好きな花を五十だけつむようにいいます。
川の流れる谷にでると、そこには<川の王さま女>が歌を歌っていました。<川の王さま>が、歌をうたわないと川のそばを通してやらないというので、ケートはうたいました。すると<川の王さま>は、五十の歌をきかせます。
それから森に出ると<おどる若衆>がいて、森を通るためには おどるよういいます。ケートがおどると、<おどる若衆>は、五十おどってみせます。
ケートの新しい奉公先の主人も、牧場や森や川へいくことはけっして認めませんでした。
ときがたち、ケートが結婚し、自分の子どもができると、「おまえたち、そこで運よく、みどりの女か、川の王さまか、おどる若衆に会うともかぎらないからね」と、子どもたちを牧場や森、川へおくりだします。すると子どもたちは、まもなく手にいっぱいの花をもち、うたったり、おどったりしながら、帰ってくるのでした。
きれいなもの、楽しいこととは縁がなかったつらい時代を、一回だけあった出会いを大事にしながら生き抜いたケートでした。