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このところ秋田県がテレビのニュースで取り上げられることが増えていますが、その要因が熊出没。元々熊が多いといわれる秋田県ですが、今年は「タケノコ採り」に出掛けた方が4名もクマに襲われるということになり、全国ニュースでも取り上げられる程。
そもそもこのタケノコ採りは、都会の方がイメージしているものとは異なるため、なんで?と思われる方も多いかと思います。北東北では山菜の一つに数えられるタケノコとは、孟宗竹の太いタケノコとは異なる、「笹竹」とか「根曲がりダケ」とか呼ばれる親指の太さほどのもの。山形県では「月山竹」とも言い、標高1,500m以上のものが美味しいとされていますが、秋田県北から青森にかけては、もっと低い山岳部で5月中旬から6月下旬にとることが出来ます。
実際は背丈以上の笹薮に入って中腰で収穫するために道に迷う人も毎年多く出ます。このタケノコは美味しいから採りに行くというのが、都会の人の考え方ですが、こちらでは少し違います。
雪国では、4月からようやく畑作業が始められ、この5月~6月というのは、まだ何も収穫が出来る状態ではなく、現金収入が一番厳しい時期です。そんな時期にタケノコは街のスーパーやホテルをはじめ、専門業者が買い取ってくれるため、貴重な現金収入になります。本気でやれば、軽トラを購入するほど稼げると近所の方も言っていました。
そのため、熊や迷子の危険を冒してでも入山してしまう人が後を絶たないようです。かつては「マタギ」と呼ばれる人が狩りを行い、自然のバランスが取れていたようですが、そのマタギの方も高齢化などで減少してしまったことも、こういったことの理由の一つなのでしょうか。
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