非肥満でも脂肪肝注意 熊本大の研究グループ、遺伝子変異でリスク増を確認
大学 2015年7月31日(金)配信熊本日日新聞
熊本大大学院生命科学研究部(薬学系)の鬼木健太郎助教(31)、猿渡淳二准教授(39)=いずれも薬物治療学=らの研究グループは、「PNPLA3」という遺伝子に変異がある人は肥満でなくても脂肪肝になりやすいことを解明した。
同遺伝子が脂肪肝に関与することは知られていたが、肥満でない人にも影響があることを証明したのは初めて。研究成果は22日、米科学誌プロスワン(電子版)に掲載された。
日赤熊本健康管理センター(熊本市)などとの共同研究。臨床研究に同意した人間ドック受診者を対象に健診データや遺伝子タイプを調べた。
対象者のうち飲酒習慣がある人や肝炎ウイルスの感染者を除く591人を、「非肥満」(身長と体重から算出されるBMI指数が25未満)457人と「肥満」(同25以上)134人に分類。
非肥満のグループのうち、PNPLA3遺伝子に変異がある人は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の罹患[りかん]率が、変異がない人に比べて3・06倍高かった。肥満のグループでも同遺伝子に変異がある人はNAFLDの罹患率は3・01倍で、脂肪肝になるリスクが高かった。
同遺伝子の変異があれば、腎機能の数値が悪くなることも分かった。
研究班によると、脂肪肝は肝臓に中性脂肪がたまった状態で、進行すると肝硬変や糖尿病などを起こす。アルコールの取り過ぎのほか、NAFLDのように食生活の乱れや運動不足によっても発症する。欧米ではNAFLD患者の多くは肥満の人だが、日本人の患者では約4割を肥満でない人が占めるという。
鬼木助教は「肥満でない人が脂肪肝になると、糖尿病や高血圧などを合併しやすい。遺伝子変異で肝臓に脂肪が付きやすくなっている人は、積極的に運動をして予防することが重要」と説明。将来的に同遺伝子の解析結果を人間ドックなどで広く活用できるように、さらに研究を進めるという。
大学 2015年7月31日(金)配信熊本日日新聞
熊本大大学院生命科学研究部(薬学系)の鬼木健太郎助教(31)、猿渡淳二准教授(39)=いずれも薬物治療学=らの研究グループは、「PNPLA3」という遺伝子に変異がある人は肥満でなくても脂肪肝になりやすいことを解明した。
同遺伝子が脂肪肝に関与することは知られていたが、肥満でない人にも影響があることを証明したのは初めて。研究成果は22日、米科学誌プロスワン(電子版)に掲載された。
日赤熊本健康管理センター(熊本市)などとの共同研究。臨床研究に同意した人間ドック受診者を対象に健診データや遺伝子タイプを調べた。
対象者のうち飲酒習慣がある人や肝炎ウイルスの感染者を除く591人を、「非肥満」(身長と体重から算出されるBMI指数が25未満)457人と「肥満」(同25以上)134人に分類。
非肥満のグループのうち、PNPLA3遺伝子に変異がある人は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の罹患[りかん]率が、変異がない人に比べて3・06倍高かった。肥満のグループでも同遺伝子に変異がある人はNAFLDの罹患率は3・01倍で、脂肪肝になるリスクが高かった。
同遺伝子の変異があれば、腎機能の数値が悪くなることも分かった。
研究班によると、脂肪肝は肝臓に中性脂肪がたまった状態で、進行すると肝硬変や糖尿病などを起こす。アルコールの取り過ぎのほか、NAFLDのように食生活の乱れや運動不足によっても発症する。欧米ではNAFLD患者の多くは肥満の人だが、日本人の患者では約4割を肥満でない人が占めるという。
鬼木助教は「肥満でない人が脂肪肝になると、糖尿病や高血圧などを合併しやすい。遺伝子変異で肝臓に脂肪が付きやすくなっている人は、積極的に運動をして予防することが重要」と説明。将来的に同遺伝子の解析結果を人間ドックなどで広く活用できるように、さらに研究を進めるという。