臨床用iPS、初の提供 京大、大日本住友製薬に
大学 2015年8月7日(金)配信共同通信社
京都大iPS細胞研究所は6日、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を備蓄しておくストック計画の一環として、大日本住友製薬に臨床用iPS細胞を有償提供したと発表した。
患者自身の細胞から作ったiPS細胞をさまざまな細胞や組織に変化させて移植すれば拒絶反応は起きないとされるが、時間や費用がかかる。
京大は拒絶が起こりにくいiPS細胞を備蓄し、広く迅速に提供する体制を整備してきた。実験用は提供していたが、安全性の高い臨床用は今回が初めてで、患者への利用が進みそうだ。
同社によると、脊髄を損傷した人に神経のもとになる細胞を移植する岡野栄之(おかの・ひでゆき)慶応大教授の研究で活用する方針。また、網膜組織の一部が傷んで視力が低下する「加齢黄斑変性」の患者に移植するための網膜色素上皮細胞を、医療ベンチャー企業「ヘリオス」(東京)と共同で作製する。
特殊な細胞の型(HLA型)を持った人から作製したiPS細胞は拒絶反応を起こしにくく、今回提供したiPS細胞は日本人の約17%に用いることができるという。
同研究所の高須直子(たかす・なおこ)医療応用推進室長は「提供が始まりうれしい。今後も高品質のiPS細胞を作っていきたい」とした。
大学 2015年8月7日(金)配信共同通信社
京都大iPS細胞研究所は6日、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を備蓄しておくストック計画の一環として、大日本住友製薬に臨床用iPS細胞を有償提供したと発表した。
患者自身の細胞から作ったiPS細胞をさまざまな細胞や組織に変化させて移植すれば拒絶反応は起きないとされるが、時間や費用がかかる。
京大は拒絶が起こりにくいiPS細胞を備蓄し、広く迅速に提供する体制を整備してきた。実験用は提供していたが、安全性の高い臨床用は今回が初めてで、患者への利用が進みそうだ。
同社によると、脊髄を損傷した人に神経のもとになる細胞を移植する岡野栄之(おかの・ひでゆき)慶応大教授の研究で活用する方針。また、網膜組織の一部が傷んで視力が低下する「加齢黄斑変性」の患者に移植するための網膜色素上皮細胞を、医療ベンチャー企業「ヘリオス」(東京)と共同で作製する。
特殊な細胞の型(HLA型)を持った人から作製したiPS細胞は拒絶反応を起こしにくく、今回提供したiPS細胞は日本人の約17%に用いることができるという。
同研究所の高須直子(たかす・なおこ)医療応用推進室長は「提供が始まりうれしい。今後も高品質のiPS細胞を作っていきたい」とした。