自宅訪れ早期診断へ 18年度に全国で展開 「暮らしコンパス」認知症初期集中支援チーム
行政・政治 2015年8月11日(火)配信共同通信社
認知症の人の早期診断、治療を目指す「認知症初期集中支援チーム」が注目を集めている。医療や介護の専門職が自宅を訪れて本人や家族の相談に乗り、介護サービスの紹介などで家族の負担を減らす。すでに一部自治体で活動が始まり、2018年度には全市区町村で実施。認知症の進行を遅らせるには早期治療が重要なため、診断をためらう人にどう支援の手を差し伸べるかが課題だ。
「食事はきちんと取っていますか」「今日も自分で料理をしたの」―。7月中旬の日中。神戸市の認知症初期集中支援チームの一員である社会福祉士が市内の80代の女性宅を訪れ、声を掛けた。
女性は同居の家族がいるが、日中は一人で過ごす。同じ話が続き、認知症を心配した家族が相談。半月前からチームによる支援が始まった。
認知症が進むと自分で食事の準備をしたり、食事を取ったりすることがおろそかになりがちだ。社会福祉士は台所の様子に目を配り、日中の食事がきちんとできているかを点検。話の繰り返しが目立つのかなど気になる点を意識しながら暮らしぶりを尋ねた。
支援チームはこのほか、保健師や看護師、介護福祉士らで構成。「認知症では」と不安に思った本人や家族、知人からの連絡を受けて自宅を訪れ、必要なら医師の診断や介護サービスの利用などにつなげる。今年3月末までに26都道府県の41市区町で活動を始めた。
この社会福祉士は訪問の結果を翌日の支援チームの会議で報告。女性が認知症と診断された場合に備え、専門医は「家族が受け止められるよう、相談に乗ってあげて」と助言した。
認知症の人は25年に約700万人と推計される。政府は認知症の国家戦略をまとめ、18年度には全国の自治体にチームを置く。13年9月から始めた神戸市は1年半で137人の自宅を訪問。半数が認知症の診断を受け、約7割が介護サービスを使うようになった。
市内で1人暮らしをしている別の80代女性は、認知症の症状が出始めていたが医師の受診を拒否。生活の面倒をみる知人からの相談で支援チームが昨年5月ごろから訪問を重ね、同じ食品が大量にあるなど認知症の症状に気付く一方、自宅での生活を望んでいることも分かった。
女性は支援チームの助言で診断を受け、およそ半年後には訪問治療を開始。介護サービスも使って知人の負担を減らし、多くの人に見守られながら希望通りの在宅生活を続けている。
本人や家族が悩みを打ち明けないケースでは、近所の人や民生委員らの情報提供や相談が欠かせない。神戸市ではチーム支援の半分近くは、本人や家族以外の人からの連絡がきっかけだった。
認知症の不安を抱く人を、どう早期治療に結びつけるか。支援チームの看護師は「初期の認知症の人が立ち寄ることができる所が少ない」とし、認知症カフェのように悩みを抱える人が気軽に足を運べる場所を広げ、話ができる環境を築くことが大事だと訴える。
さてわたしはどうなることでしょうか?
行政・政治 2015年8月11日(火)配信共同通信社
認知症の人の早期診断、治療を目指す「認知症初期集中支援チーム」が注目を集めている。医療や介護の専門職が自宅を訪れて本人や家族の相談に乗り、介護サービスの紹介などで家族の負担を減らす。すでに一部自治体で活動が始まり、2018年度には全市区町村で実施。認知症の進行を遅らせるには早期治療が重要なため、診断をためらう人にどう支援の手を差し伸べるかが課題だ。
「食事はきちんと取っていますか」「今日も自分で料理をしたの」―。7月中旬の日中。神戸市の認知症初期集中支援チームの一員である社会福祉士が市内の80代の女性宅を訪れ、声を掛けた。
女性は同居の家族がいるが、日中は一人で過ごす。同じ話が続き、認知症を心配した家族が相談。半月前からチームによる支援が始まった。
認知症が進むと自分で食事の準備をしたり、食事を取ったりすることがおろそかになりがちだ。社会福祉士は台所の様子に目を配り、日中の食事がきちんとできているかを点検。話の繰り返しが目立つのかなど気になる点を意識しながら暮らしぶりを尋ねた。
支援チームはこのほか、保健師や看護師、介護福祉士らで構成。「認知症では」と不安に思った本人や家族、知人からの連絡を受けて自宅を訪れ、必要なら医師の診断や介護サービスの利用などにつなげる。今年3月末までに26都道府県の41市区町で活動を始めた。
この社会福祉士は訪問の結果を翌日の支援チームの会議で報告。女性が認知症と診断された場合に備え、専門医は「家族が受け止められるよう、相談に乗ってあげて」と助言した。
認知症の人は25年に約700万人と推計される。政府は認知症の国家戦略をまとめ、18年度には全国の自治体にチームを置く。13年9月から始めた神戸市は1年半で137人の自宅を訪問。半数が認知症の診断を受け、約7割が介護サービスを使うようになった。
市内で1人暮らしをしている別の80代女性は、認知症の症状が出始めていたが医師の受診を拒否。生活の面倒をみる知人からの相談で支援チームが昨年5月ごろから訪問を重ね、同じ食品が大量にあるなど認知症の症状に気付く一方、自宅での生活を望んでいることも分かった。
女性は支援チームの助言で診断を受け、およそ半年後には訪問治療を開始。介護サービスも使って知人の負担を減らし、多くの人に見守られながら希望通りの在宅生活を続けている。
本人や家族が悩みを打ち明けないケースでは、近所の人や民生委員らの情報提供や相談が欠かせない。神戸市ではチーム支援の半分近くは、本人や家族以外の人からの連絡がきっかけだった。
認知症の不安を抱く人を、どう早期治療に結びつけるか。支援チームの看護師は「初期の認知症の人が立ち寄ることができる所が少ない」とし、認知症カフェのように悩みを抱える人が気軽に足を運べる場所を広げ、話ができる環境を築くことが大事だと訴える。
さてわたしはどうなることでしょうか?