ジェネリック医薬品市場が急拡大!さらなる普及に向けた課題
臨床 2015年8月21日(金)配信薬キャリPlus
後発品(ジェネリック医薬品)市場が急拡大している。
8月上旬までにリリースされたジェネリック医薬品メーカー大手3社(沢井製薬、東和薬品、日医工)の2015年4~6月期連結決算を並べてみたところ、そのいずれもが、同期比過去最高の純利益を更新していることが分かった。
沢井製薬 売上高293億円(対前年同月比17%増) 純利益50億円(同48.1%増)
東和薬品 売上高194億円(同17.9%増) 純利益22億円(同74.6%増)
日医工 売上高350億円(同15.3%増) 純利益22億円(同20.0%増)
政府が医療費削減政策の一環としてジェネリック医薬品の利用促進を積極的に推し進めていることも背景にあり、現状で50%強の普及率も、程なくして政府目標値に達するものと考えられる。
4月に富士経済が発表した市場調査結果によると、2014年のジェネリック医薬品市場規模は6,766億円(見込み)。2017年のジェネリック医薬品市場規模は9,240億円(2013年比151.9%)にまで拡大する見込みで、医療用医薬品全体の市場規模が2013年比105.4%と予測されていることをふまえると、ジェネリック医薬品市場の急成長ぶりは明らかだ(詳細は富士経済「国内のジェネリック医薬品市場を薬効領域別に調査」に記載)。
しかし、ジェネリック医薬品の普及には課題も多い。
患者側には価格面でのメリットがある一方で、先行薬との添加物や剤形の違いから、厳密には効果にぶれが発生するリスクがあることは、すべての薬局できちんと説明されているとは言い難い。
また、薬価差益を享受しようと、薬局側が意図的に先行薬を優先して販売する場合もあるなど、ジェネリック医薬品の更なる普及に向けては、今後一層、サービス面、制度面の整備が必要不可欠であると考えられる。
※本記事は、エムスリーグループが運営する薬剤師向け情報サイト『薬キャリPlus』で、2015年8月21日に掲載したものです。