温泉が動脈硬化を予防?…千人超の健診結果を分析
2016年6月23日 (木)配信読売新聞
日常的に温泉に入浴する人は、動脈硬化につながる脂質異常症(高脂血症)になりにくい可能性があるという調査結果が、早坂信哉・東京都市大学人間科学部教授の研究で得られた。
早坂教授が5月に開催された日本温泉気候物理医学会の学術集会で発表した。
早坂教授は、温泉入浴の健康維持効果を検証するため、熱海温泉誌作成実行委員会(内田実代表)の提案と静岡県熱海市の協力を受け、2014年度の同市の特定健診を受けた市民のうち、1092人に調査を行った。
調査は、〈1〉週に1回以上温泉に入浴する習慣の有無〈2〉性別〈3〉65歳以上と同未満などに分け、健診結果のデータを統計学的に分析した。
その結果、温泉入浴の習慣のある人はない人に比べ、65歳未満の男性でLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の平均値が低く、65歳以上の女性でHDLコレステロール(善玉コレステロール)の平均値が高かった。
脂質異常症は、血液中のコレステロールなどの脂質が正常値の範囲内にない状態。放置すると動脈硬化、さらには心筋梗塞や脳梗塞などの恐れもある。
LDLはコレステロールを全身の組織に運び、それが血管内に放置されると動脈硬化につながるため「悪玉」と呼ばれる。これに対し、HDLは余分なコレステロールを血液中から回収し、動脈硬化を進みにくくする働きがある。
医学博士で温泉療法専門医の内田代表によると、市民の温泉入浴の健康への影響を健診データを基に調査しているのは、熱海市独自の取り組みだという。内田代表は「日常的に温泉に入っていると、コレステロールがたまりにくいかもしれないことがわかった。温泉が健康に好影響を与える可能性を示している」と語る。
早坂教授は昨年、温泉入浴の習慣があると高血圧になりにくい可能性があるとの調査結果を、同市の12年度の特定健診のデータに基づいて発表していた。
「熱海温泉誌」は同市の市制80周年を記念し、来年4月の発行予定。熱海温泉の歴史などに加え、今回の研究成果も掲載するという。
2016年6月23日 (木)配信読売新聞
日常的に温泉に入浴する人は、動脈硬化につながる脂質異常症(高脂血症)になりにくい可能性があるという調査結果が、早坂信哉・東京都市大学人間科学部教授の研究で得られた。
早坂教授が5月に開催された日本温泉気候物理医学会の学術集会で発表した。
早坂教授は、温泉入浴の健康維持効果を検証するため、熱海温泉誌作成実行委員会(内田実代表)の提案と静岡県熱海市の協力を受け、2014年度の同市の特定健診を受けた市民のうち、1092人に調査を行った。
調査は、〈1〉週に1回以上温泉に入浴する習慣の有無〈2〉性別〈3〉65歳以上と同未満などに分け、健診結果のデータを統計学的に分析した。
その結果、温泉入浴の習慣のある人はない人に比べ、65歳未満の男性でLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の平均値が低く、65歳以上の女性でHDLコレステロール(善玉コレステロール)の平均値が高かった。
脂質異常症は、血液中のコレステロールなどの脂質が正常値の範囲内にない状態。放置すると動脈硬化、さらには心筋梗塞や脳梗塞などの恐れもある。
LDLはコレステロールを全身の組織に運び、それが血管内に放置されると動脈硬化につながるため「悪玉」と呼ばれる。これに対し、HDLは余分なコレステロールを血液中から回収し、動脈硬化を進みにくくする働きがある。
医学博士で温泉療法専門医の内田代表によると、市民の温泉入浴の健康への影響を健診データを基に調査しているのは、熱海市独自の取り組みだという。内田代表は「日常的に温泉に入っていると、コレステロールがたまりにくいかもしれないことがわかった。温泉が健康に好影響を与える可能性を示している」と語る。
早坂教授は昨年、温泉入浴の習慣があると高血圧になりにくい可能性があるとの調査結果を、同市の12年度の特定健診のデータに基づいて発表していた。
「熱海温泉誌」は同市の市制80周年を記念し、来年4月の発行予定。熱海温泉の歴史などに加え、今回の研究成果も掲載するという。