糖尿病腎症抑制、プロポリスに可能性
山田養蜂場など、ブラジル産で確認
化学工業日報2016年6月22日 (水)配信 一般内科疾患内分泌・代謝疾患腎・泌尿器疾患
山田養蜂場と京都府立医科大学大学院の丸中良典教授らの研究グループは、ブラジル産プロポリスに2型糖尿病の重篤な合併症である「腎症」を遅らせる可能性があることを確認した。腎症は2型糖尿病の3大合併症の一つといわれるが特効薬がないのが現実。同社では食品で腎症の進行予防を確認できたのは初めてとしており、さらなる研究を進めていく。
研究グループは35~80歳の2型糖尿病患者80人を2グループに分け、食事療法と運動療法と併せて試験食を8週間飲用してもらいその結果を評価した。試験食はブラジル産プロポリス226・8ミリグラム(カプセル3粒)またはプラセボ。
臨床試験の結果、プロポリスを飲用していたグループは、プラセボを飲用したグループと比べて(1)腎臓の老廃物ろ過能力の減少が抑えられる、(2)腎臓の機能低下により起こる尿酸値の上昇が抑制される-ことが分かった。腎臓の老廃物のろ過能力の変化量はプラセボでは1・73平方メートル当たり毎分2・7ミリリットルに対してプロポリス飲用群は同毎分1ミリリットルと、ろ過能力の減少を37%抑制できた。また、尿酸値はプラセボ群が1デシリットル当たり0・21ミリグラムの上昇に対して、プロポリス飲用群は1デシリットル当たり0・03ミリグラムの低下と尿酸値上昇を13%抑制した。
丸中教授らはブラジル産プロポリスに2型糖尿病の初期段階で血糖値を下げるインスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)ことを防ぐ機能があることを基礎研究で明らかにしている。今回山田養蜂場では丸中教授らの臨床研究に助成し、インスリン抵抗性や合併症悪化を遅らせることができるのか確認した。
糖尿病は自覚症状がないことが多く、気づかないうちにさまざまな合併症を起こす。多いのが腎症、神経症、網膜症。このうち腎症は進行すると腎不全になり、慢性腎不全になると人工透析が必要で週3回以上、一生涯にわたって透析を受けることになる。腎症から人工透析にいたる患者は毎年1万3000人超。糖尿病性腎症には特効薬がなく、食事療法と運動療法による血糖値、血圧の管理が基本となるが、それだけでは悪化は防ぎきれないのが現状。
山田養蜂場では、天然食品のプロポリスを飲用することで糖尿病性腎症の進行予防が行えることは患者のQOL(生活の質)向上に貢献できるとみており、研究を加速させていく。
山田養蜂場など、ブラジル産で確認
化学工業日報2016年6月22日 (水)配信 一般内科疾患内分泌・代謝疾患腎・泌尿器疾患
山田養蜂場と京都府立医科大学大学院の丸中良典教授らの研究グループは、ブラジル産プロポリスに2型糖尿病の重篤な合併症である「腎症」を遅らせる可能性があることを確認した。腎症は2型糖尿病の3大合併症の一つといわれるが特効薬がないのが現実。同社では食品で腎症の進行予防を確認できたのは初めてとしており、さらなる研究を進めていく。
研究グループは35~80歳の2型糖尿病患者80人を2グループに分け、食事療法と運動療法と併せて試験食を8週間飲用してもらいその結果を評価した。試験食はブラジル産プロポリス226・8ミリグラム(カプセル3粒)またはプラセボ。
臨床試験の結果、プロポリスを飲用していたグループは、プラセボを飲用したグループと比べて(1)腎臓の老廃物ろ過能力の減少が抑えられる、(2)腎臓の機能低下により起こる尿酸値の上昇が抑制される-ことが分かった。腎臓の老廃物のろ過能力の変化量はプラセボでは1・73平方メートル当たり毎分2・7ミリリットルに対してプロポリス飲用群は同毎分1ミリリットルと、ろ過能力の減少を37%抑制できた。また、尿酸値はプラセボ群が1デシリットル当たり0・21ミリグラムの上昇に対して、プロポリス飲用群は1デシリットル当たり0・03ミリグラムの低下と尿酸値上昇を13%抑制した。
丸中教授らはブラジル産プロポリスに2型糖尿病の初期段階で血糖値を下げるインスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)ことを防ぐ機能があることを基礎研究で明らかにしている。今回山田養蜂場では丸中教授らの臨床研究に助成し、インスリン抵抗性や合併症悪化を遅らせることができるのか確認した。
糖尿病は自覚症状がないことが多く、気づかないうちにさまざまな合併症を起こす。多いのが腎症、神経症、網膜症。このうち腎症は進行すると腎不全になり、慢性腎不全になると人工透析が必要で週3回以上、一生涯にわたって透析を受けることになる。腎症から人工透析にいたる患者は毎年1万3000人超。糖尿病性腎症には特効薬がなく、食事療法と運動療法による血糖値、血圧の管理が基本となるが、それだけでは悪化は防ぎきれないのが現状。
山田養蜂場では、天然食品のプロポリスを飲用することで糖尿病性腎症の進行予防が行えることは患者のQOL(生活の質)向上に貢献できるとみており、研究を加速させていく。