女性の10人に1人が性交痛
英国女性8869人の全国調査
国際医学短信2017年2月10日 (金)配信 産婦人科疾患腎・泌尿器疾患その他
研究グループによると、Natsal-3の参加女性8869人のうち、過去1年に性交渉歴があったのは6669人で、このうち性交時の疼痛があったと答えた割合は7.5%。1.9%は6カ月以上痛みが持続したり、苦痛を感じる程度の痛みがたびたび起こるといった病的な痛みがあったと回答していた。性交時の疼痛があったと回答した割合が最も高かった年齢層は55-64歳(10.4%)と16-24歳(9.5%)。また、最近の性交渉歴がないと回答した1708人の2.05%は性交時の痛みや痛みへの不安のために行為を避けていると答えた。性交時疼痛があると答えた女性は、そうでない女性に比べ性生活に不満を持つ割合が約3倍多かった(30.9% vs. 10.1%)。
「性交時疼痛は多く見られるにもかかわらず、見落とされていることも少なくない」と研究グループ。医師による詳細な臨床症状の評価や問診が重要である一方、性行動に関する診療を苦手とする医師をサポートする仕組みも必要と提言している、RCOG副理事長のEdward Morris氏は「今回の調査では、生殖可能期間の初期・後期、つまり若い女性や閉経期を迎える女性において性交時の疼痛が強まることへの理解を深める必要があることが浮き彫りになった」と指摘。性交時の疼痛が続く場合には医師やその他の医療従事者に相談することが重要と話している。