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「おくすり手帳」には、決定的な不備がある【原記者の「医療・福祉のツボ」】

2017年10月21日 23時42分44秒 | 行政
「おくすり手帳」には、決定的な不備がある【原記者の「医療・福祉のツボ」】
その他 2017年10月17日 (火)配信読売新聞

 医療には、不思議に思うことがいくつもあります。その一つが「医薬分業」のあり方。具体的には、医師が発行する処方せんや、患者が持つ「おくすり手帳」の内容です。
 外来の患者は、医療機関で処方せんを受け取り、それを調剤薬局に持っいって薬を受け取る。そういう院外処方が一般的になりました。おくすり手帳に、過去に受け取った薬の記録を貼り付けておけば、今回の薬を使って不都合がないか、薬剤師がチェックしてくれるわけです。
 しかし、ここに大きな問題があります。処方せんにも、おくすり手帳にも、病名や病状が書かれていないことです。それでは、その薬を本当に使ってよいか、十分にチェックできないのです。
進められてきた医薬分業
 かつては病院や診療所を受診すると、そこで薬も受け取るのが一般的でした。法律上は、明治政府による1874年(明治7年)の「医制」以来、医師が処方せんを発行して薬剤師が薬を出すという医薬分業が建前だったのですが、医師が調剤していた漢方医学の習慣、薬局の不足などにより、骨抜きになっていました。
 やがて問題になったのは「薬価差益」です。薬の種類ごとに医療保険で決まっている薬価(公定価格)に比べ、医療機関が卸会社と交渉して仕入れる薬の値段のほうが、かなり安かったのです。そうすると、医療機関は薬で利ざやを稼げるので、もうけるために薬をたくさん出す傾向が生じているという批判が強まりました。
 その問題の解消を大義名分に1990年代から医薬分業が本格的に進められました。処方せんを発行するのは医療機関。薬を売るのは調剤薬局。それぞれの経営を分離すれば、金もうけのために薬をたくさん使うことはなくなるだろう、というわけです。
 政府は分業を進めるため、院外処方にすればそれなりの診療費が医療機関に入るように診療報酬の付け方を変えました。その結果、今では院外処方が主流になり、調剤薬局が大幅に増えました。厚生労働省は、薬の卸値の実勢を調べ、薬価と卸値の差額の大きい薬は薬価を下げてきたので、医療機関が院内で処方しても薬価差益が小さくなったという事情もあります。
薬剤師によるチェックも狙う
 医薬分業のもう一つの大義名分は、薬の処方内容を薬剤師がチェックするという点です。医師が薬の処方を間違えることはあります。薬剤に関する知識不足で間違えたり、似たような名前の薬と間違えたり、用量を間違えたり……。診療所の場合は薬剤師がいることがまれですが、院外処方なら、調剤薬局の薬剤師のチェックが入るわけです。
 「おくすり手帳」はとくに、複数の医療機関にかかっているときに役立ちます。薬の中には、別の薬と一緒に使うと、効き目が妨げられたり、作用が強くなりすぎたり、有害な現象が生じたりするものがあります。そういう「相互作用」や「併用禁忌」を薬剤師が電子データベースを使いながらチェックします。処方内容自体に矛盾点がないかも点検します。
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「お薬手帳カバー」で情報共有 - 「緑内障」と「腎機能」で 山口県・岩国薬剤師会

2017年10月21日 23時26分54秒 | 医療情報
「お薬手帳カバー」で情報共有 - 「緑内障」と「腎機能」で 山口県・岩国薬剤師会
2017年10月20日 (金)配信薬事日報

安全で有効な薬物療法に貢献
 山口県の岩国薬剤師会では、緑内障や腎機能が低下した患者のお薬手帳に、薬剤の投与制限がかかっているかどうかなどの情報を記載したカバーを取り付けて医師と薬剤師が情報共有できるようにし、適切な薬物療法につなげる取り組みを今年4月から始めた。慢性疾患患者では、お薬手帳の持参率が高く、情報共有の媒体として有効だという。既に導入から半年が経過したが、「入院時の持参薬チェックがスムーズになった」などの声が上がっている。導入に携わった国立病院機構岩国医療センター薬剤部の尾崎誠一氏は、「安全で有効な薬物療法の提供に有効なツールになる」としている。
 緑内障の治療では、眼圧を下げることが第一となるため、眼圧を上げる恐れのある抗コリン薬などは禁忌とされているほか、花粉症や感冒薬、咳止め、消化器系の薬にも禁忌とされているものが存在する。腎機能低下時にも、原則禁忌であったり、用法・用量の調整が必要な薬剤は多いのが現状だ。
 ただ、添付文書上、緑内障禁忌になっていても、開放隅角緑内障や術後の閉塞隅角緑内障であれば薬剤の制限は基本的になくなるとされており、禁忌について神経質になりすぎてしまうと、適切な薬物療法の妨げになってしまうこともある。
 岩国薬剤師会では、緑内障や腎機能低下時にも「使える薬剤は適切に使ってもらいたい」と考え、医師と薬剤師がしっかり情報共有できる仕組みを検討。市内の医師らの協力を得て、お薬手帳に薬物療法の最適化に必要な情報を記載したカバーを取り付けることを思いついた。
 地域によっては、「緑内障カード」を作成し、医師と薬剤師が情報共有する取り組みを行っているところもあり、当初は、「カードの作成も考えた」という。しかし、患者が医師や薬剤師に提示し忘れるなどして、情報が伝わらないケースも散見されるため、慢性疾患患者の多くが持参するお薬手帳を情報共有の媒体として用いることとした。
 まず、目に入るのが、処方医と薬剤師に向けた「目の病状」「腎機能」に対する注意喚起だ。手帳を開くと、緑内障患者の場合、▽かかりつけの眼科名▽緑内障の病状▽薬物療法の制限の有無▽注意が必要な薬剤一覧――などの情報が記載してあり、クレアチニン・クリアランスないし推算糸球体濾過量が60を下回るなど、腎機能が低下している患者には、注意が必要な薬剤がアイウエオ順で例示されている。
 現在、お薬手帳カバー導入の効果を検証するため、医師、薬剤師、患者を対象としたアンケート調査を実施しているところだが、尾崎氏は、入院時に患者の持参薬を鑑別する際、薬物療法に制限がかかっているかどうかの報告を迅速に医師に伝えることができ、「スムーズな入院・治療につながっている」ことを実感している。
 薬局からも、「カバーが付いていると、調剤時に確認できるので役立っている」との声も上がっているようだ。
 今後、岩国薬剤師会としては、会員の薬局に積極的な活用を促していきたいとしている。
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「患者に大きな意味」 宇和島徳洲会病院の万波氏

2017年10月21日 23時13分12秒 | 地域

「患者に大きな意味」 宇和島徳洲会病院の万波氏

 2017年10月20日 (金)配信共同通信社
 
 厚生労働省の審査部会が条件付きで先進医療として承認した「病気腎移植」の臨床研究をしている宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠(まんなみ・まこと)医師は19日、病院内で取材に応じ、「今回の結果が、腎臓を提供してくれるがん患者の増加につながれば、移植を待つ患者にとって大きな意味がある」と喜んだ。

 万波氏はこれまで多くの事例を手掛けてきた。がん治療で取り出した腎臓を別の腎臓病患者に移植することから「捨てるはずの腎臓なら、移植を受ける患者は精神的にも経済的にも負担が少ない。画期的だ」と話した。

 一方で、「もう日本では無理だと諦めていた」と述べ、先進医療承認への方向性が出たことは予想外だったとした。安全面や倫理面での問題が長年指摘され、「なぜ分かってもらえないのか。情けない気持ちでいっぱいだった」と振り返った。

 今後については、「腎臓を提供してくれるがん患者が増えるようシステムづくりをしていくことが重要。一人でも多くの腎臓病患者が透析から解放され、元気になってくれたらうれしい」と期待を込めた。

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子どもの睡眠10時間確保を 健康考えるつどい

2017年10月21日 23時07分28秒 | 

子どもの睡眠10時間確保を 健康考えるつどい

地域 2017年10月20日 (金)配信岐阜新聞
 
 「第28回県こどもの健康を考えるつどい」が19日、岐阜市薮田南のOKBふれあい会館で開かれた。参加者が講演を聞き、子どもの睡眠の大切さなどについて学んだ。

 日本小児科学会東海地方会、県小児保健協会、県小児科医会、岐阜大大学院医学系研究科小児病態学分野、岐阜新聞社、岐阜放送主催。毎年10月の「こどもの健康週間」(今年は8~15日)に合わせて開いている。今回は県内外の保育士や看護師、医師、保護者ら約200人が参加した。

 熊本大名誉教授の三池輝久さんが「子どもたちの健康と幸せを守る眠育」と題して講演。「研究により、睡眠障害は発達障害や不登校と関連性があることが分かってきた。2歳までに、毎晩10時間前後の睡眠時間を確保し、朝は7時までに起きる生活リズムを身に付けさせて」とアドバイス。「親が子どもを早く寝かせられるよう、働き方の改革も必要」と指摘した。

 講演に先立ち、小児科医らによる子どもの健康相談なども行われた。

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