初期臨床研修の研修先は、研修医と医療機関の双方の希望を踏まえ、医師臨床研修マッチング協議会(東京都)が決める。
同協議会によると、島根の18年度の定員は17年度比で13人減。過去2年の充足率が5割以下だった島根大医学部付属病院(出雲市)は14人減の33人に見直した。
全県の内定者数は2年連続で増え、過去最多だった06年度と同数になった。同付属病院が3人増の22人になるなど、5病院が増加。定員充足率は13・1ポイント上昇し、過去最高だった06年度の66%を上回った。
医師不足が深刻な県西部も堅調で、浜田医療センターは17年度比1人増の6人を確保し、2年連続で充足率100%を達成した。
大田市立病院は07年度に研修医2人が着任。10年に常勤の外科医、整形外科医が不在になり、受け入れができなくなったが、常勤外科医を確保して15年度に募集を再開し、ようやく18年度の2人が内定した。
島根県は研修医確保に向けて13年、しまね地域医療支援センター(出雲市)を開設。医学生を対象に各病院の研修内容説明会を県内外で開いたり、指導医の研修を重ねたりしてきた。県と連携してきた大田市立病院臨床研修推進室の本田聡室長は「取り組みが実を結びつつある。継続的な受け入れに努める」と話した。
一方、鳥取の内定者は、鳥取大医学部付属病院(米子市)が9人減の18人。同学部を卒業する山陰両県出身者は研修医として同病院への着任が期待されるが、18年春卒業予定の両県出身者は17年春より15人以上少ない点が影響したという。
鳥取県立中央病院(鳥取市)は4人減の6人。全県では3年ぶりに減少した。