岸田氏「医療難民ゼロ」 コロナ支援は数十兆円 総裁選公約、危機管理庁も
2021年9月2日 (木)配信共同通信社
自民党の岸田文雄前政調会長は2日、国会内で記者会見し、総裁選公約となる新型コロナウイルス対策を発表した。コロナ患者の病床を確保し「医療難民ゼロ」を目指すと表明。事業者支援として数十兆円規模の経済対策を実施するとした。公衆衛生上の危機発生時に強い指揮権限を有する「健康危機管理庁」の創設も提唱した。一方、菅義偉首相(自民党総裁)は2日、公明党の山口那津男代表と官邸で会談し、コロナ対応に最優先で臨む方針を確認した。山口氏はコロナ対策で首相を支える意向を伝えた。
岸田氏は、コロナ対策に関し「たぶん良くなるだろうではなく、常に最悪の事態を想定して危機管理を行う」と強調。年明けには通常の社会経済活動を取り戻すことが目標だとした。自宅で死亡するケースが相次ぐなど政府への批判が強まっている現状を踏まえ、危機管理に全力を挙げる姿勢を打ち出した。
国や地方自治体に与えられた権限を活用し、医療人材の確保や大規模宿泊施設の借り上げを進めると主張。地域の開業医の協力を得て、自宅療養者への積極診療を促すと訴えた。ワクチン接種の加速と、年内の経口薬普及も掲げた。
経済対策に関し持続化給付金や家賃支援給付金を再支給するほか、非正規雇用労働者らにも給付金を出すと説明。ワクチン接種歴を証明する電子的な「ワクチンパスポート」の普及や、無料のPCR検査の拡充も図る。
健康危機管理庁創設を巡っては、責任の所在を明らかにするため担当閣僚を置く。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターに分散している機能を統合し「健康危機管理機構」も新設するとした。
今回の発表はコロナ対策に限定した。他の分野の政策については、発表の機会を別途設ける。
総裁選は17日告示、29日投開票の日程で実施される。