短期入院でカクテル療法 熊本県、自宅・宿泊療養者に
熊本県は3日、宿泊施設や自宅で療養中の新型コロナウイルス患者に、重症化防止に効果がある「抗体カクテル療法」を始めたと発表した。患者は医療機関に2~3日間入院して治療を受け、宿泊療養施設に移る。
同療法は、ウイルスの感染を防ぐ2種類の中和抗体を組み合わせた点滴薬を使用する治療法。今年7月に特例承認された。県によると、8月末までに県内20医療機関で入院患者約300人が治療を受けた。
宿泊療養施設と医療機関が連携し、入院患者以外の治療に当たる。入院待機者や宿泊・自宅療養者のうち、保健所が「発症7日以内」「50歳以上」など重症化リスクが高く、同療法に適応する患者をリストアップ。患者は短期入院して治療を受け、退院後は用意された宿泊施設で療養する。
福岡県などでは宿泊療養施設で同療法を実施しているが、木村敬副知事は「医療機関で治療を受ける方が安全。治療後も、(看護師が常駐する)宿泊療養施設で受け入れることで安心につながる」と話した。
県はまた、宿泊療養施設に県北と天草地域の計3施設211室を追加、計7施設1000室とした。今月下旬から10月上旬にかけて順次開設する。入院病床も3日付で1施設4床を新たに確保し、計49医療機関736床(緊急時)になるとした。(内海正樹)