行き場なき「アベノマスク」含む布マスク 保管倉庫に記者が入った
2021年12月1日 (水)配信朝日新聞
新型コロナウイルス対策として政府が調達した「アベノマスク」を含む布マスクが大量保管されている問題で、厚生労働省が1日、朝日新聞に保管状況を公開した。8千万枚を超える布マスクが10万箱に及ぶ段ボール箱に詰め込まれ、巨大倉庫の中に眠っていた。
在庫マスクは東京近郊にある大型倉庫に保管されていた。エレベーターの扉が開くと、目の前に段ボール箱の壁が迫ってくるかのような光景が広がっていた。フロアを見渡す限り「箱の壁」が続いている。
同行した厚労省の担当者に「これ、全部布マスクが入っているんですか」と尋ねると、「そうですよ」と淡々とした返事。担当者の説明では、倉庫内の布マスクは200~2千枚程度に分けて段ボール箱に収められ、その数はおよそ10万箱。10トントラックで300台分以上になるという。
「箱の壁」の高さは、高いところで4メートルを超えていた。積み上げた重みで箱が潰れないように、鉄製のラックで3段に分けて積まれている。約1万平方メートルのフロアの半分以上を占めているという。
箱を開けると、1枚ずつ透明な袋で包装された布マスクがぎっしりと詰め込まれていた。倉庫に窓はなく、湿度が管理され、害虫が入りにくい構造になっているという。