年600万円超のアルツハイマー薬、半額に値下げ エーザイなど開発
米バイオジェンは20日、日本の製薬大手エーザイと開発したアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」について、米国での価格を来年1月に半額に引き下げると発表した。米当局が承認済みだが、価格の高さや効果に疑問の声があることなどから使用は広がっていない。バイオジェンには値下げして普及につなげる狙いがある。
米国では製薬会社が自由に薬の価格を決められる。価格は体重が74キロの患者の場合、従来の年5万6千ドル(約630万円)から年2万8200ドル(約320万円)に値下げする。
アデュカヌマブは、アルツハイマー病の原因とされる脳内にたまるたんぱく質を減らす新しいタイプの薬で、米当局に6月に承認された。しかし、高額であることや保険適用が未定なことなどから、7~9月期の売上高は30万ドル(約3400万円)にとどまった。
欧州連合(EU)で医薬品の審査を担う欧州医薬品庁は今月、「投与のメリットがリスクを上回っていない」などとして販売を承認しなかった。日本では、厚生労働省が22日に専門家の部会を開き、審議する予定だ。(ニューヨーク=真海喬生)