過労死ライン超に指導を 大阪労働局に保健師ら要請 コロナ対応「変異株懸念」
大阪府内の保健所で働く保健師や職員が3日、新型コロナウイルス対応で「過労死ライン」を超えた働き方を何カ月も強いられている人がいるとして、大阪労働局に府や各保健所を行政指導するよう要請した。保健師らは「ぎりぎりの状態」「変異株のオミクロン株への懸念も強く、『第6波』がいつ来るか分からない恐怖感がある」と訴えた。
要請後の記者会見で、保健師や職員は「時間外労働、過密労働が続いている。『対応が遅い、殺す気か』と患者に罵倒されることもあり、孤独感ややりきれなさを抱えている」「自分の命や家族を犠牲にして、いつまでやればいいのか」と涙ながらに話した。
要請に対し労働局からは「人を増やすべきだ」という見解を得たものの、具体的な回答はなかったという。
大阪府関係職員労働組合は11月に行った今夏の「第5波」に関する働き方アンケートを公表した。府内で働く保健所職員ら約250人が回答。7~9月で最も多い月の時間外勤務が、「過労死ライン」とされる月80時間以上と答えた人が29・8%で、うち15・7%は100時間を超えていた。
府職労はこの他、保健所で働く人々の限界を示す「声」も多数紹介。小松康則(こまつ・やすのり)執行委員長は「住民一人一人をしっかりとサポートするためにも、保健師や職員の働き方について改めて議論するべきだ」と指摘した。府や国に対する要請も続けていくという。