【熊本】新幹線内の放火未遂、女性の悲鳴で動いた医師…足で消火し男に話しかけ落ち着かせる
走行中の九州新幹線で11月に発生した放火未遂事件で、適切な消火活動などを行ったとして、八代広域行政事務組合は15日、小児科医の松倉誠さん(71)(熊本市西区)に感謝状を贈った。
事件は11月8日に発生。熊本―新八代駅間を走行中の九州新幹線「さくら401号」(8両)の車内で、無職三宅潔被告(69)(威力業務妨害罪で起訴)がライターオイルを床にまき、火をつけたレシートを投げたとされる。
松倉さんは、勤務する「くまもと芦北療育医療センター」(芦北町)に向かうため、同じ車両に乗り合わせていた。女性の悲鳴が聞こえ、煙が上がり周囲の乗客が避難する中、前方の座席に火元を確認し、足で踏みつけて消火。近くにいた三宅被告に落ち着くように話しかけ、次の新八代駅まで付き添ったという。
表彰式で八代消防署の上野三郎署長は「火災の拡大を阻止してくれた勇気をたたえたい」と述べ、感謝状を手渡した。松倉さんは「一生に一度あるかないかの経験で光栄」と話した。