後期高齢者の窓口負担増「断固として中止を」、受診控え危惧
全国保険医団体連合会(保団連)は4月21日、参議院会館前で2022年10月から予定されている一部の後期高齢者の医療費窓口負担を2割へ増額することに反対する集会を開催した。全国保険医団体連合会会長の住江憲勇氏は集会で窓口負担の増加は「断固として中止を求めなければならない」と強調。「これは高齢者だけの問題では決してない。国民生活、これからの医療・社会保障制度の在り方が問われている」とし、広く世論を喚起していく必要性を訴えた
住江氏は集会で、後期高齢者の年間収入分布の中央値は130万円であると強調した上で、10月以降に窓口負担増を求める線引きが「引き下げられていくことは目に見えている」と警戒感を示し、「ここの時点で止めることが第一」であるとしている。
その上で、住江氏は次のように続けた。
「高齢者は病気になれば重症化もする。病気も複数の科にわたる。現役世代に比べ、収入に対する医療費の負担率は2~5倍であると言われている。もしも、窓口負担が2倍になれば、負担率は4~10倍になる」
「高齢者へのアンケート調査では72%は今まで通り受診すると答えたが、28%は受診を抑制すると答えた。窓口負担が増えれば、これはボディーブローのように効き、やがてはより多くの人の受診控えにつながる。医療の原点は早期診断・早期治療だ。受診控えは重症化へつながる」