日々

穏やかな日々を

「走る病院」患者負担軽く 自宅前で医師が遠隔診察

2023年01月04日 22時43分50秒 | 地域

「走る病院」患者負担軽く 自宅前で医師が遠隔診察

 2023年1月4日 (水)配信共同通信社
 

 看護師が医療機器を載せた車で患者宅に出向き、病院にいる医師が遠隔で診察する―。岩手県北上市は車内でオンライン診療を受けられる「モバイルクリニック」の実証実験を始めた。医療資源が限られる中、遠方から市内の病院に通う患者の負担軽減を目指す。

 11月24日午後、市街地を走り抜けたワゴン車が、一軒の家の前に止まった。住民の70代男性が車に乗り込むと、市非常勤職員の城島美栄子(じょうじま・みえこ)看護師が体温や血圧を測定する。「体調はお変わりないですか」。デスクトップ画面から主治医が語りかけ、診察が始まった。

 男性は7年前から3カ月に1回、市中心部の北上済生会病院に、自身で車を運転して通う。しかし身体機能の衰えを感じ、雪道での運転にヒヤッとすることもあり、通院が負担となっていた。車内での診察に「画面越しでも違和感はない。待ち時間も減るのはありがたい。看護師がいるのも安心」と歓迎する。

 モバイルクリニックは、患者の自宅前や近くに到着した車の中で、テレビ会議システムを介し病院内の主治医の診察を受ける仕組み。簡易な医療機器も搭載し、遠く離れた医師がリアルタイムで患者を聴診することもできる。車内の機器は同乗する看護師が操作する。

 オンライン診療は、対面診療に比べると制限が多い。しかし城島看護師は「家庭での様子など、訪問することで見えてくるものもある」と強調する。

 北上市では診療所の閉鎖が相次ぎ、16地区のうち中心部から遠い8地区には診療所がない。医師不足やコスト面で、設置を求める住民の声に応えられずにいた。転機は2021年12月。モバイルクリニックを導入していた長野県伊那市を視察し、「医療サービスを届ける有効な手段になる」と試験的な導入を決めた。

 実証実験の対象は、診療所のない中山間地域在住で、慢性疾患で北上済生会病院に通院中の患者。症状が安定し、3回に1回は同病院で受診することが条件だ。電波が不安定な場所での診療や、雪道での運行などの課題を洗い出した上で、23年度の本格運用を目指す。

 病院の担当者は、通院負担を減らせば、遠隔地でも定期的な受診や適切な服薬管理ができると指摘。「うまく活用し、市民の健康づくりに寄与したい」と意気込む。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三重大男性医師を労災認定 審査会が労基署覆す裁決

2023年01月04日 22時32分04秒 | 地域

三重大男性医師を労災認定 審査会が労基署覆す裁決

 2023年1月4日 (水)配信共同通信社
 

 三重大大学院で研究者として勤務していた産婦人科の男性医師=当時(44)=が2018年に心臓疾患で死亡したのは長時間労働と心理的負荷を伴う宿直などが原因だとして国の労働保険審査会が津労働基準監督署の判断を覆し、労災と認める裁決をしたことが28日、分かった。遺族の代理人弁護士が明らかにした。

 審査会は死亡前5カ月間の時間外労働時間が月平均77時間半を上回っていたと推認。研究業務に加え、大学病院の産婦人科で日直や宿直勤務に従事しており「拘束時間が長く、十分な休憩、睡眠が確保されていたとは言い難い」と認定した。

 勤務が命に関わるような難しいお産を扱い、心理的負荷も大きかったという遺族側の主張も認めた。

 男性は18年2月、研究室で心肺停止状態で倒れているのが見つかり、翌日に亡くなった。遺族は18年7月に津労基署に労災請求したが、労基署は本人が申告した勤務実態調査票を基に死亡前5カ月間の時間外労働時間を月平均64時間と認定。厚生労働省の「過労死ライン」に該当しないため、労災と認めなかった。

 遺族が審査会に再審査を求めていた。

 三重大は遺族に対し、兼業も含めた労働時間を適正に把握する体制を構築すると説明。遺族は「今も胸が張り裂ける思いだ。職員や家族の人生や幸せを軽んじない職場に生まれ変わることを願う」とコメントした。

 三重大は「労働時間の適正な管理に努め、職員の健康と安全の管理に取り組む」とした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

投票ボタン

blogram投票ボタン