NHK稲葉新会長 “確かな情報や質の高い番組の発信で貢献”
NHKの稲葉延雄・新会長が就任会見を行い、公平・公正で確かな情報や、世界に通用する質の高い番組の発信、それにデジタル技術を活用した豊富なコンテンツの提供を通じて、視聴者・国民に貢献していきたいと抱負を述べました。
稲葉新会長は72歳。
これまでに日銀の理事やリコーの取締役会議長などを務め、25日、NHK会長に就任しました。
記者会見で、稲葉会長は「NHKらしい真摯(しんし)な姿勢で、報道面では、公正・公平で確かな情報を間断なくお届けし、多様な情報がある中で、皆様の日々の判断のよりどころになりたい。エンターテインメントの制作面では、新しい試みに挑戦しながら、世界に通ずる質の高い番組の提供を心がけ、日常がより豊かで文化的なものとなるよう精いっぱい努力したい」と述べました。
その上で「これまでの改革は、業務の効率化を大胆に進めることで、受信料値下げに伴う収入の減少を収支均衡に持っていく道筋について、おおむねめどをつけたものと理解している。この先、しっかり見極めながら、秋の受信料値下げを実現していきたい」と述べました。
そして、みずからの役割は、これまでの改革の検証と発展だとして、特に人材活用の観点から、一人一人が能力を最大限発揮してもらうため、温かみのある人事制度を構築する方針を示しました。
さらに、経営改革の「第2弾」として、最新のデジタル技術を活用し、質・量ともに豊富なコンテンツを効率的なコストで生み出していく考えを示しました。
一方、政治との距離に対する認識を問われたのに対し「報道機関として、自主的な編集判断に基づき、不偏不党の立場から行動していく。自主・自律、公平・公正な立場を堅持し、何人からも干渉されない対応をしていくべきだ」と述べました。