9月20日の月、満月の前夜
雲晴れて輝く。
仮設病棟は平屋で、同大付属病院西側の駐車場の一部に設置する予定。完成は本年度末を目標とし、具体的な広さや構造、運営体制、事業費は精査中。
集中矢巾町の岩手医大(小川彰理事長)は本年度、同町の同大付属病院敷地内に新型コロナウイルス感染症の重症患者向けの仮設病棟(6床)を新たに整備する。重症患者が入院する集中治療室のほかに受け入れ態勢を整えることで、特定機能病院としての高度医療との両立を図る。治療室はがんなど一般患者も利用する。コロナの重症患者が増加すれば、受け入れに制限が生じることも懸念される。新たに仮設病床を設けることで集中治療室の機能を維持し、動線の区別によって病院内の感染防止にもつなげる。
県内の病床は350床でそのうち重症向けは45床。17日時点の重症患者は1人となっている。
県内は感染力が強いデルタ株が主流で、感染拡大や重症化のリスクが増している。デルタ株の可能性がある変異株の直近の検査(民間含む)では、8月20日~9月13日公表の患者の陽性率が100%(検査99件)だった。
小川理事長は「コロナの重症患者対応と高度医療を両立し、特定機能病院の役割を果たしたい」とする。
県は整備に対する補助金2億9900万円を2021年度一般会計補正予算案に計上した。達増知事は17日の定例記者会見で「重症患者が何人もいる場合、一般の医療体制に影響が及ばないような形を確保したい」と述べた。
新型コロナウイルスの感染拡大による病床逼迫(ひっぱく)を受け、横浜市の山中竹春市長は17日の定例会見で、「コロナ専門病院」を11月中に市内に開院する考えを示した。
医療提供体制を強化することで自宅療養者の重症化を防ぎ、感染拡大が予想される今冬の「第6波」に備えるとしている。
山中市長は、専門病院の規模を「最大100床弱」と明かした上で、「仮設の(いわゆる)『野戦病院』ではない」と説明。「開院する場所や規模、機能は検討を進めている」とした。
岐阜県の古田肇知事は20日記者会見し、新型コロナウイルス患者向けの「野戦病院"のような臨時医療施設を今月末に開設すると明らかにした。規模は20床。
臨時医療施設は、病床が逼迫(ひっぱく)して入院ができない患者向けの施設。体育館などにベッドを並べるような方式が想定されている。岐阜県の施設は酸素投与や抗体カクテル療法ができる。開設する場所は示していない。
8月21日から始まった自宅療養は、今月19日時点でゼロになったと説明した。ピーク時の8月28日には932人まで増加したが、その後は減少傾向が続いていた。古田知事は「なんとしても自宅療養者ゼロを堅持して、宿泊療養施設や病床確保をしたい」と述べた。
また、今月30日までを期間に県内に発令されている緊急事態宣言に関し、23日に専門家会議を開いて今後の対応を協議する方針を明らかにした。「まだまだ高い水準にある。気を緩める状況でない」と話した。
岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は、新型コロナウイルスの治療薬として期待される抗寄生虫薬「イベルメクチン」の臨床試験(治験)を進めている。10月末までに陽性者5人に実施し、治療効果を確認。治験の依頼をした北里大病院(相模原市)に結果を送る。
2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授が開発に携わった経口薬。疥癬(かいせん)などの治療薬として使われている。海外の研究でコロナの増殖を抑える効果が報告されているが、そのメカニズムなど不明な点がある。
治験の対象者は、コロナのPCR検査で陽性となった体重40キロ以上の成人。無症状または軽症の感染者で自宅か宿泊施設で療養していることなども条件となる。
協力者は、同大病院に少なくとも7日間入院。初日にイベルメクチンか偽薬を服用し、2日に1回のPCR検査や医師の診察を受け、隔離解除の基準(発症から10日間など)を満たせば退院する。その後、通院して服薬から15日目の症状を確認する。
岡山大病院で治験を担当するのは総合内科・総合診療科。萩谷英大准教授(感染症専門医)は「コロナの治療薬として、外来で処方できる内服薬はまだない。厳重な管理下で治験に協力したい」と話している。
イベルメクチンの治験は、北里大病院などが昨年9月から実施。岡山大病院には6月に協力依頼があった。
この夏休みは、日本に帰国していました。
2年ぶりの実家で家族や友人とのんびりと過ごせたことで、心身共に癒され、お互いの無事がこれまでにないほど、 ありがたく思えた時間でした。
フランス出国前に、既に2回目ワクチン接種後2週間以上経過していましたので、有効なワクチン・パスポートも入手、出発48時間前にPCR検査陰性証明も入手し、日本入国のために必要な健康管理&位置確認アプリもダウンロード、日本での空港へのお迎えも手配し、準備万端にシャルル・ド・ゴール空港を後にしました。
日本入国に際しては、実に厳重にかつ機能的に水際対策が行われており、私も「危険国からの入国者」を意味する赤紙を持たされ、赤紙の人用ルートで唾液(抗原)検査へ。旅の疲れか、唾液が思うように出ず、それではこちらへ、とPCR検査へ誘導されました。無事に陰性結果を手にし、ダウンロードされたアプリが全て確実にオンになっているか確認され、誓約書など書類にサインをして晴れて入国が許されました。
到着後からその間、所要時間にして約2時間。人が密にならないように配慮された導線で、実にしっかりとオーガナイズされているな、と思いました。「鎖国」反対派の私でも、島国の地の利を生かして水際対策を強化すれば、国内の感染抑制ができると考えるのはそれなりに正しいことであると認めざるを得ませんでした (鎖国の弊害は、公衆衛生とは別のフィールドになりますので、また別の機会に論じたいと思います)。
その後の14日間、自宅隔離中、毎日1日3回のアプリでの位置確認と、電話での健康確認。家の中でも携帯から離れた場所にいて聞こえず応答できなかったことが3回ほどあり焦りましたが、国外追放にもならず(笑)、無事に隔離解除の日を迎えることができました。
解除されたとは言え、私の帰国の目的は家族と過ごすこと。お世話になった方々への最小限の接触でのご挨拶だけ済ませ、結局丸々1カ月、自宅隔離生活のようなものでした。幸い、家族も全員2回目接種後2週間以上経ており、多少の外出も楽しめました。
街で感じた空気としては、日本の方がコロナを怖がっている人が多いな、ということ。
これだから日本は対人口感染者数も死亡者数も、先進国の中で断トツに低く抑え好成績なのだ、と納得しました。「ファクターX 」とは、先天的っぽい要素大なのかと思っていましたが、むしろ真面目で従順な国民性や教育といった後天的な要素が大きいと、ほぼ確信するに至りました(個人差はありますが)。
ただ空気が重い、これも正直な感想です。連日の感染者数最多更新の報道で、朝から晩までどのチャンネルも「最多、最多」の連呼。人によっては本当に外出をせず、美容院・外食はこの一年行っていない、そもそも人と会うのを控えている、とおっしゃる方もいらっしゃいました。95%のワクチンの効果よりも5%のブレイク・スルー感染に注目するような人は確かにフランスでもいない訳ではありません。
繰り返し申し上げますが、海外から見ると、高齢化率・高人口密度の日本は先進国の中では非常に好成績です。にも かかわらず、政府や医療者を批判する論調が連日繰り返され、聞くに耐えない酷いものもありました。誰がやったとしても完璧なコロナ対策などどこの国もできていません。5点では満足できず、100点を目指すあまり、既存の素晴らしい石橋を叩いて、叩いて、叩き壊してしまわないかが心配になりました。
あっという間に1カ月は過ぎ、再びパリに戻る日となりました。タイミング悪く、なんでもEUが日本を「安全国リスト」から外したとかで、呑気な私も再入国できるのかしら?と、さすがに焦りましたが、羽田での搭乗手続き時に、EUワクチン・パスポートを提示し、シャルル・ド・ゴール空港では、完全にノー・コントロール。PCR検査・抗原検査も、自宅隔離の指示も何もなくすんなり入国。日本からの飛行機がガラガラだったお陰で、着陸30分後にはスーツ・ケースを持ってタクシーに乗っていました。
帰宅後、まず、あの致死量のバターが入ったクロワッサンが食べたい、とご近所のカフェへ。
人々の表情は明るく、元気、街は活気であふれ、何より屋外では誰もマスクをしていないのです。ただし、カフェに入る時に、ワクチン・パスポートのチェックはされましたが、後は自由。
失われた1年半を取り戻そうとするかのようにどの飲食店も人でいっぱい。
「ブレイク・スルー感染への不安も、ケ・セラ・セラ、なるようにしかならないわよ、冬までにまた考えましょ、今を生きましょうよ♪」 昨日までいた日本とのあまりの違いに戸惑う私に、パリがそう言っている ようでした。
※追記:9月15日より、ワクチン未接種の医療従事者は、職務停止(契約停止・給与無し)となりました。次回は、このお話を詳しくレポートさせて頂きます。
パリ郊外の国際総合病院American Hospital of Paris に医療通訳として勤務(1993-2004年)の後、日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員として医療制度・政策ニュースの報告を担当。医療通訳、コンサルティング。活動の詳細は、HPにて。
国内各地で米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンから浮遊物が見つかった問題で、同社の日本法人は17日、神奈川県鎌倉市と相模原市、堺市から回収した白い浮遊物を調査した結果、いずれも製品由来のもので「安全性に問題がないことを確認した」と発表した。
ファイザー製ワクチンを巡っては13日以降、3市などで相次いで白い浮遊物が見つかっている。ロット番号はいずれも同じ「FF5357」だった。
同社によると、ワクチンは希釈する前の液に製品由来の白い浮遊物が見つかることがある。ただし希釈して溶かせば問題なく利用可能としている。まれに瓶を反転させても溶けずに残ることがあるが、接種しても安全性には問題ないという。
集団予防接種での注射器使い回しを放置した国の責任が問われている全国B型肝炎訴訟で、原告21人が17日、仙台地裁で和解した。東北訴訟の原告1579人のうち、和解したのは1282人となった。
弁護団によると、21人は被害者の30~70代男女のほか、死亡した青森県の70代男性と宮城県の30代女性の遺族。被害者の県別は青森4人、岩手1人、宮城11人、秋田1人、東京1人、沖縄1人。
和解金は肝がんや慢性肝炎など症状の進行に応じて被害者1人当たり50万~3600万円。
神奈川県は十六日、新型コロナウイルスに感染した自宅・宿泊療養者へのステロイド薬の処方を停止するよう、新型コロナ患者を診る県内二千二百の医療機関に通知した。炎症を抑えるステロイド薬は肺炎の重症化を防止する効果が見込めるが、患者が自己判断で服用するとかえって症状が悪化する懸念があるため。
県は七月以降の感染者急増で病床が逼迫(ひっぱく)し、肺炎が進行しても入院できない患者が出てきたとして、八月二十日に自宅療養者らにステロイド薬を事前に処方する方針を打ち出した。初診か往診、オンライン診療のタイミングで薬を処方しておき、血中酸素飽和度が低下するなど症状が悪化してきたら服用を患者に指示するよう、県内の医療機関などに通知していた。
一方、新規感染者は減少傾向にあり、十五日時点で病床使用率は五割程度まで下がった。まだ余裕はないものの、「ステロイドが必要な患者は本来、入院させるべきだ」(県医療危機対策本部室)として、今後は自宅療養者にステロイド薬は原則処方せず、症状が悪化したら速やかに入院させるようにするという。
新規感染者が増加し、入院待機者が増えてきたら、再び事前処方をするよう通知を出すという。(志村彰太)
大阪府の吉村洋文知事は17日、新型コロナウイルス対策として、自宅に医師が往診して「抗体カクテル療法」を行う試みを同日夕に実施すると発表した。
抗体カクテル療法は、重症化を防ぐ目的で、入院患者や外来診療で広く実施されているが、往診で行うのは全国で初という。
厚生労働省と連携した試行実施で、同省は今回の結果を踏まえ、今後、全国に広げる方針。
国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は、医療機器大手ニプロと共同開発した体外設置型の補助人工心臓が国の承認を取得し、公的医療保険が適用されたと発表した。従来の機器に比べて血の塊(血栓)ができにくく、血液も多く送り出せるため、重い心不全の治療成績が向上するとしている。
この人工心臓は、血液を循環させるポンプを体外に置くタイプ。ポンプの内部で小さな羽根車が浮いた状態で回転する構造を採用し、血栓ができるリスクが大幅に軽減された。血流量も従来の約2倍に増え、循環不全による肝臓や腎臓の機能低下も起きにくいという。
対象は、心筋梗塞や、感染症による心筋炎などで重症の心不全になった患者で、心機能の回復を助けるほか、心臓移植の待機者がポンプを体内に植え込むタイプの人工心臓を装着するまでのつなぎとして使う。
同センターが2017~18年に行った治験では、装着した9人中3人は心機能が改善し、今回の人工心臓が不要になった。他の6人も生存している。
開発を主導した巽英介・同センター先進医工学部門長は「心臓手術を行う医療機関に広く普及し、一人でも多くの患者の救命につながれば」と話している。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の家庭内感染が増える中、広島県が9月16日の厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田隆字・国立感染症研究所長)で、同居家族に対するワクチン2回接種の有効性が64.2%とするデータを報告した。県内の8月の感染者の同居家族のうち、未接種者は37.7%、1回接種者は27.9%が感染した一方、2回接種者は13.5%にとどまった。脇田座長は「全国のデータではないが、統計学的に有意差があり、2回接種すると家庭内感染を防ぐ効果があると言える」と評価している。
広島県は8月の広島県保健所管内の感染者752人の同居家族1840人の感染や接種状況を調査した。全体では591人(32.1%)が家庭内で感染していたが、ワクチンの2回接種者379人に限ると、感染したのは51人(13.5%)にとどまった。