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フラン・ロートカのバレエ組曲「村の悪魔」を聴く

2023-04-15 20:39:49 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回は1883年生まれのクロアチアの作曲家ロートカが、
1935年に作曲したバレエ組曲「村の悪魔」に触れる。
今回聴いたCDはフラン・ロートカ指揮、
ザグレブ国立歌劇場管弦楽団の演奏である。
フラン・ロートカはチェコで生まれ、
プラハ音楽院でホルンと作曲を学んだ。
この時、作曲で師事した先生にはドヴォルザークがいる。
1909年からはザグレブに移り住み、そこで音楽の仕事を得て、
クロアチアの音楽教育にも携わり、指揮者としても活動したようだ。
バレエ組曲「村の悪魔」は7つの曲から成っている。
ストーリーは分からないが、各曲のタイトルで想像はできそうだ。
第1曲「悪魔は恋人ミルコとイェラに対して企む」は、
何やら大変なことが起きるかのように、
民謡風の旋律に乗って、騒々しい音楽で始まる。
それが静まり、弦楽器とフルートがゆったりとした旋律を奏でられる。
そして抒情的な旋律が弦楽器中心に奏でられ、
管楽器も絡み、最後は静かに終わる。

第2曲「踊り」は、駆け抜けていくような軽快なテンポで、
何かが迫りくるかのような緊張感がある。
民謡風の旋律が奏でられ、高揚したところで終わる。
第3曲「地獄」は、ファゴットの音で始まり、おどけた感じである。
ハンガリーの音楽を思わせるような舞踏的音楽である。
第4曲「魔女たちのサバト」は、ワルツを思わせるような音楽で始まるが、
どこか怪しい感じで荒々しさもあり、打楽器の音が悪魔的である。
サバトは魔女たちの集会だが、それを思わせるおどろおどろしさがある。
第5曲「魔女たちのどんちゃん騒ぎ」は、ファゴットの音で始まる。
そのあと民謡風の旋律が奏でられていき、舞踏的な音楽になる。
一方感傷的な感じのゆったりとした旋律も現れ、
二つの旋律が交互に現れて、絡んで盛り上がって終わる。
第6曲「光の回復」は、オーボエの音で始まる。
そのあと弦楽器が奏でる生き生きとした旋律が繰り返される。
第7曲「ミルコの地獄からの脱出、村人の歓喜」は、
苦悩を思わせるような地獄を思わせる音楽で始まり、
これとは対照的な力強い旋律が次に現れる。
舞踏的な音楽になり、徐々に盛り上がり、
最後は明るい音楽になり、高揚したところで終わる。

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